こうしてiedgeを中心にいくつかの媒体でIoTツールについて執筆をしているので、我が家には自然と(ではなく買っているのだが)スマートスピーカーやスマートディスプレイが集まってくる。
Alexa搭載端末が5台、Google Assistant搭載端末が4台の計9台があり、うち稼働中なのが6台。
その中でも、最近急に増えたのが「小型スマートディスプレイ」だ。
左から、Echo Show 5(税込9,980円)、Nest Hub(税込15,120円)、Echo Spot(税込14,980円)、手前がLenovo Smart Clock(税込9,829円)
稼働している6台のうち、実に4台がスマートディスプレイになっている。
そう、まさに今「小型スマートディスプレイ市場」は大混戦状態。しかし、人知れず、だ。
今のところ、各社がベーシックラインを揃えたという状態で、まだまだ注目度は低い。しかし、私の予想ではスマートスピーカー市場は頭を打ち、スマートディスプレイこそが業界の牽引役になるはずだ。
今のところは「テックギークたちのもの」という印象が拭えないスマートディスプレイだが、このあたりで一旦整理してニーズ別に「買うならこれ」というスタンダードを整理しておいたほうがいいだろう。
まずは各製品のポジションを整理
オレンジ色の円はAlexa搭載端末、同じく青はGoogle Assistant搭載端末
価格と画面サイズでプロットすると、このようになる。
Lenovo Smart ClockとEcho Show 5が競合しているのが分かると思う。(ちなみに、左上「画面小・価格高」にプロットされたEcho Spotは終売予定と見られる)
どちらも「寝室」での利用シーンを打ち出している製品でコンセプトも似ている。
が、実際に使ってみるとこの2つには大きな違いがあることが分かった。では、次の章からニーズ別の「買うべき」製品を紹介しよう。
出費を抑えたいなら:Amazon Echo Show 5
「とりあえずお試しで使ってみたいので出費は小さい方がいい」という場合、Echo Show 5がおすすめだ。
価格だけで見るとLenovo Smart Clockのほうが100円少々安いのだが、こちらは完全に「スマート目覚まし時計」に特化しているので他のスマートディスプレイとは使い勝手が少々異なる。
Echo Show 5はAlexa搭載のスマートディスプレイとして基本機能を備えながら1万円を切っているので、エントリー機としてはぴったりだろう。
寝室に置きたいなら:Lenovo Smart Clock
寝室に置くなら、冒頭で「どちらも寝室での利用が想定されている」と紹介したうちの1つ、Lenovo Smart Clockだ。
Echo Show 5よりも一回り小さく、小さなベッドサイドテーブルに置きやすいというのもあるが、目覚まし時計として使うならEcho Show 5よりもいくつかの点で優れているのだ。
・背面にスマホ充電用のUSB-Aポートがある
・機能が限定されていて画面表示が見やすい
・本体の上面を「叩いて」アラームを止められる
特に最後のポイントが非常に良くて、Echo Show 5であれば「アレクサ、アラーム止めて…」と寝起きの第一声が必要になるところ、Smart Clockだと伝統的な目覚まし時計同様、叩くことでアラームが止まる。
文字にしてみると大した違いに思えないだろうが、実際に利用してみると快適さが全然違う。寝室で「スマート目覚まし時計」として利用したいのなら、間違いなくLenovo Smart Clockがおすすめだ。
リビングやダイニングに置きたいなら:Google Nest Hub
家族が集まる空間に置くならGoogle のNest Hubがおすすめだ。
さすがGoogle自らリリースしているだけあり、スマートディスプレイとしての使い勝手は最高。個人的には全4機種の中でもこれが一番のおすすめだが、特にリビングやダイニングに置くなら、これしかない。
ポイントはGoogleフォトと連携したデジタルフォトフレーム機能。
顔認識機能を使って、指定した家族や友人の写っている写真を自動でスライドショーにしてくれる。たとえば、子供のいる家庭ならその子の顔を指定しておけば、常に最新の家族スライドショーが表示されるのだ。
これまで「デジタルフォトフレーム」と言われる製品は使ったことのない私だったが、実際に置いてみると思った以上に家族での会話が増える。テレビの横に置き、ふとした時に「この旅行楽しかったね、また行きたいね」というような会話が生まれるのだ。
ただし、今のところ「◯◯と◯◯が一緒に写っている写真」というような複数の人物が同時に写っているものだけをスライドショーに指定することはできない。なので、長くGoogle フォトを使っているユーザーだと「10数年前の友人たちとの旅行写真」や「昔のパートナーとの写真」も表示される可能性があることには注意しよう。
その場合、共有アルバムを指定しておけば、家族それぞれが気に入った写真をそこへ放り込むことで自動スライドショーとなる。
デスクに置くなら:Amazon Echo Spotがおすすめ
最後に、デスクに置くなら、もっとも小型のAmazon Echo Spotがおすすめだ。
ただし、おそらく終売予定になっていることと、全体との比較で価格に割高感があるのは否めないので、サイズが許すならEcho Show 5のほうがいいだろう。
デスクにスマートディスプレイを置くと、時間が表示されるのはもちろん、意識していなくても最新のニュースや話題が手に入ったり、Googleカレンダーなどと連携しておけば「次の予定」が表示されるのも便利なのでおすすめだ。
これからますます拡大するスマートディスプレイ市場
北米地域ではすでに「Google Nest Hub Max」という10インチクラスのスマートディスプレイが販売されている。
また、Appleもついに重い腰を上げてSiri搭載のスマートスピーカーの発売を発表した。もしかすると、このままスマートディスプレイ市場への参入もあるかもしれない。
冒頭で書いたように、おそらくスマートスピーカー市場は頭打ちになり、今後はスマートディスプレイがこの業界を牽引するはずだ。
各社もまだまだ新製品の準備を進めているだろう。
新たな動向があれば、随時お知らせしていく。
私は、とてもわくわくしているのだ。