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スマートホーム(スマートハウス)の記事
2019.08.08
2019.08.08

【1ヶ月使用レビュー】Google Nest Hubのいいところ・わるいところ ――まだまだマニア向けだが「買い」のガジェット

記事ライター:Yuta Tsukaoka

これまで数回にわたって記事にしてきたGoogleの「Nest Hub」。
発表されるやいなやダンボールでモックアップを作って家のいろいろな場所においてみたり、発売されたら開封レビュー、そしてファーストインプレッション、さらにはEcho Show 5との比較まで。

さまざまな角度から検証してきたが、スマートディスプレイをはじめIoTガジェット(スマート家電)は生活の中で使われてこそ、真価を発揮する。
そこで、我が家に到着してから1ヶ月が経過した今のタイミングで、Nest Hubの「いいところ・わるいところ」を正直に書いていこう。

いいところ:リビングに「第二の顔」ができた

我が家ではテレビの横に配置。家族の思い出写真が5分間隔のスライドショーで表示される。

リビングの「顔」といえば、1956年の東京オリンピック以後ずっと、テレビだ。
内閣府が毎年発表している「消費動向調査」の年間統計最新版(2019年3月版)によると、二人以上の世帯ではカラーテレビの所有率が96.7%、一人世帯ではやや下がって90.5%となっている

たしかにテレビを持たない若年単身世帯は増えているが、それでもやっぱりリビングの顔といえば「テレビ」だ。
しかし、Nest Hubを置くようになってから、我が家ではそれが「第二の顔」になった。

その理由として大きいのが、デジタルフォトフレーム機能。
Googleフォトと連携し、登録した人物の「顔」が写った写真を自動で表示する機能があるため、とにかく撮っておきさえすれば家族のスライドショーが常に最新に保たれて表示される

するとどうなるか。
春の温泉旅行、夏のお祭り、結婚式、そして日々のささいな記録。これらが家族での会話を引き起こすのだ。

いいところ:Google Assistantへの指令が「文字」で表示される

スマートスピーカーを使っていていちばんイライラするのは、いつもなら行えていた指令に対して「よくわかりません」と言われることだ。

たとえば、いつもどおりに「シーリングライトつけて」とお願いしてみると「よくわかりません」。「3分たったら教えて」と言っても「よくわかりません」。

いつもなら難なくこなすだけに、この反応にはイラッとしてしまう。そして、伸びたカップラーメンを暗いリビングで食べることになる。

それも、画面に自分からの指令が文字で表示される ――つまり、Google Assistantがどう聞いているのかがわかると、イライラも解消だ
たとえば先程の例では「フィーリングライトつけて」とか「散歩たったら教えて」とかのように聞こえていたかもしれない。となれば、こちらの問題であってスマートスピーカーは悪くない

いいところ:天気予報もお店情報も「画」で見られるので快適

「渋谷の美味しいピザ屋さんを教えて」というリクエストに対する結果

あなたは、スマートスピーカーに「近くで美味しいピザが食べられるのはどこ?」と訊いたことがあるだろうか。
私はある。そして、大いにがっかりさせられた。

なぜなら、スマートスピーカーはそういう場合「◯◯ピザはここから800メートル評価は星4.5個です住所は東京都………」と喋り続けるのだ。覚えられるわけがない!

天気も同じだ。「あしたの渋谷は最高気温28度最低気温21度で晴れ時々曇り夜は雨が降るでしょう」と一息でしゃべってしまう。聞いたそばから忘れている

天気を聞くと、こう表示される

そんなスマートスピーカーにありがちな「がっかり体験」も、画面を備えたNest Hubなら解決できる。
お店はいくつかがカード表示され、天気は1日のタイムラインとともに表示してくれる。これなら好みの店を選んで詳細情報を見ることもできるし、覚えることもできる。

ま、これはNest Hubに限ったことではない。ほとんどのスマートディスプレイが備えている基本機能だ。
しかし、買ってよかったと思うに足る重要な部分でもある。

次のページで「わるいところ」を解説

わるいところ:音質は他社製品のほうが上

Bang & Olufsenのスマートスピーカー「Beosound 1」(国内価格236,520円)Google Assistantが搭載されている。
画像引用元:https://www.bang-olufsen.com/ja/speakers/beosound-1-google-assistant?variant=beosound-1-gva-natural-eu

音楽を聴くために購入する人もいることを考えれば、音質は「わるいところ」に数えていいかもしれない。
Google Nest Hubはそもそも設計が「音楽ファン」向けにはできていないので、厳しい耳をもった読者にとっては物足りなく感じるだろう

それでも、オーディオルームのような場所で「本気で聴く」のではなく、生活の中でラジオを流したりBGMを流したりといった「ながら聞き」であれば満足できると思う

より高い音質を求める読者には、BOSEやBang & Olufsenのような音響メーカーからもAIアシスタント搭載の製品がいくつか出ているし、スマートスピーカー市場ではSONOSの音質は高く評価されている。

わるいところ:価格

執筆時点では2,160円の値引きがされていて 12,960円

この記事を書くにあたって、実は機能面では「わるいところ」が思いつかなかった。
こちらの要望に対しイマイチなレスポンスをすることもあるが、それはNest Hubの問題ではなくGoogle Assistantの問題であって、搭載端末であればどれも同じだ。
むしろ、同じように「失敗」したとしても、すでに書いたように指令が画面に表示される仕様のため、ストレスは低い。

しかし、このことについて考えていて気づいたことがある。
私のNest Hubへの寛容さ、言い換えれば「甘さ」は、私がIoTガジェットを「愛している」からに過ぎないのではないか?

私のようにはIoTガジェットを愛していない人々 ーーつまりほとんどの人々にとって、これは15,000円を支払った上でもまだ、我慢できるストレスなのだろうか。違うだろう。

日々進化していくAIとの対話を楽しみ、失敗は許す。
私は、スマートスピーカーやスマートディスプレイとの付き合い方について、よく「お手伝いに来た5歳の甥や姪がだと思って接するべし」とアドバイスする。その楽しさを知っているマニアにとっては安く、そうでなければ高く感じる価格設定ではないだろうか。

つまり、家庭に広まってこそ意味のあるNest Hubにとって、この価格は「わるいところ」と言える。

結論:Google Nest Hubはマニア向けだが「買い」

結論として、Google Nest Hubはガジェット好きにとっては「買い」の商品だ。
この記事の前半に重ねた「いいところ」を読んでなお、価格については高く感じる読者もいるだろう。それはあなたがこの製品に 「向いていない」ということなので仕方ない。

逆に、記事全体を読んで物欲がそそられるなら、飛びついても損はしないだろう。
サマーセールの時期には特別価格で購入できるチャンスもあると思う。虎視眈々と狙いたい。実は、私は2台目を買うつもりなのだ。

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