天才だと思うから失望する
AIという言葉が盛んにメディアに出るようになって数年になるが、いまだに多くの人の頭の中では「AI=全知全能」といった勘違いがある。そのAIを冠した「AIスピーカー」もまた、全知全能 ――少なくとも人類よりも頭がいいと思っている人も多いだろう。
自宅で7台ものAIスピーカーを稼働させて使い倒している筆者の目から見ると、それは大いなる間違いだ。AIスピーカーはアホなのである。
そこで、AIスピーカーを導入したて、またはこれから導入しようと考えている読者が失望しないよう、AIスピーカーがいかにアホなのかを紹介しよう。
信じられないような聞き間違い
いちばんよくあるシチュエーションがこれだ。
たとえば「OK,Google、リビングの電気を消して」と言ったのに「リビングデッドについての説明はこちらです」とウィキペディアを読み上げるというようなことは、かなりよくある。
もう眠いのに煌々と明かりのついた部屋で機械音声が読み上げる「リビングデッド」のウィキペディアを聞いている時間は、一種のコンテンポラリーアートさえ思わせる。
何を聞いても「すみません、ちょっとむずかしいです」
これもしょっちゅうあるシチュエーションだ。昨日まで ――いや、さっきまでできていたことが急にできなくなるのも、AIスピーカーの特徴である。
さっき点けたライトを消すために「Alexa、寝室のライトを消して」と頼んでも「すみません、まだわかりません」と答えたりするのだ。
「いや、さっき君が点けてくれたあのライトだよ」などと言っても無駄なので、もう一度、ゆっくり、心を込めてお願いするしかない。
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映画を見るときにも・・・
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