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スマートホーム(スマートハウス)の記事
2018.10.18
2019.12.26

自宅IoTのまとめ役には、やっぱり「ロボット」が必要なのではないだろうか?

記事ライター:Yuta Tsukaoka

これからIoTはカメラベースになる

スマートフォンを操作する男性と部屋に設置されたカメラ

別の記事でも解説したが、これからのホームIoTはカメラで自宅内の環境を確認して稼働することがほぼ間違いないと思われる。
声の主がどこにいて、何を見ているのか ――つまり何をしたいのかを推測するためにはこれが一番確実だし、ホームセキュリティ機能を併せ持たせることもできるからだ。

とは言え、自宅内にカメラを置くことに抵抗があることも理解できる。以前の記事では「そういうものとして我慢することになる」と私は書いたが、どうもこれは極論だったようだ。顔見知りの読者や友人からまったく共感を得られなかった。

いわく、どんなに便利になったとしてもオンラインのカメラが自宅内にあるのは我慢できないらしい。その手に持っているスマホにも、自宅のPCにもカメラはついているので、我々はすでにオンラインのカメラに囲まれて生活しているのだが、こればかりは感情の問題なので説得が難しい。

しかし、繰り返しになるがホームIoTを考える上でカメラという「目」は避けて通れなくなるだろう。これを解決する方法を考えなくてはいけない。

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「誰か」に見られている感覚

 

「誰か」に見られていると思うから嫌なのだ

瞳が機械的なレンズになっている男性

自宅内カメラ反対派の意見は、オンラインのカメラが家にあることの不安感 ――つまり、だれかに覗き見されていることへの不安だろう。ならスマホのカメラだって… と言いたくなるがそれは無意味なので他の解決策を考えなくてはいけない。

なんとなくアタマの片隅にこの問いを置きながら生活していたある日、街を歩きながら、あるひとつのアイデアに到達した。おもちゃ屋さんの前である。

そうだ、カメラではなくて「目」であればいいのだ。しかも、ぬいぐるみやロボットのような「仲間」になれるモノの目。

たとえばソフトバンクショップにいるペッパーくんの目にはもちろんカメラが仕込まれているし当然ながらオンラインなのだが、そこに不快感を抱く人は少ない。ショップ店員が客に許可なくカメラを向ければクレーム案件だが、ペッパーくんは自然とそれをやってのける。

つまり、古来からのイメージ ――ドラえもん、銀河ヒッチハイクガイドのマーヴィン、R2-D2やC3POといったパートナーとしてのロボットの姿を復活させるときにあるのだろう。愛嬌があり、忠義心に厚く、善良な仲間としてのロボットである。アンドロイドのような人間型は「不気味の谷」問題もありまだまだ自宅に置く仲間にはならないだろうが、これらならきっと受け入れられる。

 

ホームIoTはつぎの時代へ

部屋に設置されたAIスピーカー

カメラを持ったホームIoTが実現すると何が起こるのか、最後に解説しておこう。

たとえば、今のスマートスピーカーは「耳」しかない状態である。家中のどこから聞こえてくるかわからないウェイクワードを待ち続け、聞こえれば対応するが、それがキッチンから大声でリビングに話しかけているのか、リビングのソファからそっと話しかけているのかは判断できない。

なので「電気つけて」という言葉を受け取ってもどこの照明をつければいいのかがわからないのだ。こちらとしては、キッチンにいるならキッチンの、リビングにいるならリビングの照明を点けてほしいに決まっているのだが、それは今の所かなり難しい

カメラではない解決策で現実的なものだと、人感センサーがある。
家のどのスペースに人がいるのかを察知することで、何をしてほしいのかを「察する」わけだが、二人以上で暮らしている家では同時に二箇所以上の人感センサーが人間を察知することがあるので機能しない。

また、家中にカメラがあるというのはホームセキュリティ上も安心だ。たとえば、スマホと自宅Wi-Fiの接続が切れたら録画を始め、加えて動きを検知したらアラートを出す、といった設定が可能になるだろう。

自宅内にホームIoTデバイスが増えれば増えるほど、どれを操作するべきなのかという判断が必要になる。その上で、目を持つことは必須だということが分かってもらえただろう。

その目を持つ過程で、不安感を払拭するための「見た目」は大切だ。2020年までにはこういったロボット型のカメラ、またはカメラを搭載したAIスピーカーが広く普及すると予測する。

<このライターの記事をもっと読む>
IoTのフレーム問題は「家が目を持つ」ことで解決できる
快適な暮らしをもたらすIoTだからこそ「セキュリティ」を考えなくてはいけない

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