iedge
  • iedge
スマートホーム(スマートハウス)の記事
2019.09.12
2019.12.05

IKEAが新ビジネスユニット「IKEA Home smart」を設立 これからどうなる?

記事ライター:Yuta Tsukaoka

IKEAはこれまで、スマート照明シリーズのTRÅDFRI(トロードフリ)や、Sonosと共同開発したWi-Fi搭載のスピーカー「SYMFONISK(シンフォニクス)」など、大手家具メーカーとしては最も意欲的にスマートホーム製品を投入してきた。

そんなIKEAが、スマートホーム事業を専門とするチーム「IKEA Home smart」を設立するという。

英文リリースから、重要な部分を抜き出そう。

IKEA Home smart was initiated as a project in 2012 with the ambition to enrich life at home by incorporating digital elements and technologies into products and solutions. Several launches within the smart home has followed since then and now IKEA has taken the strategic decision to invest even more in the home smart area by establishing IKEA Home smart as its own business unit within IKEA of Sweden.

IKEA Home smartは、製品にデジタルの要素とテクノロジーを組み込むことによって生活をより豊かにするため、2012年に設立されました。
いくつかのスマートホーム製品を発売してきたこのプロジェクトを、新たにビジネスユニット「IKEA Smart home」として社内に設置し、今後、より多くの投資をしていくことを決定しました。

IKEAのリリースより引用(邦訳は筆者)

 次ページ >
IKEAが発売してきたスマートホーム製品

これまでIKEAが発売してきたスマートホーム製品

では、これまでIKEAが発売してきたスマートホーム製品について振り返ってみよう。

スマート電球:TRÅDFRI(トロードフリ)

いま手に入るスマート電球のなかで最も安価、しかも性能のいいものといえば、私はこのシリーズを推す。
PHILIPSの「Hue」シリーズと比較して半額以下で、アプリの出来もいい。また、製品ラインナップも見劣りしない。国内でも購入できるので、スマート電球の導入を考えていればおすすめだ。

Bluetoothスピーカー:ENEBY(エネビー)

IKEAが発売した初めてのスピーカー製品が「ENEBY(エネビー)」だ。
2サイズ展開で、小さいもの(上写真の左)はバッテリーパックを搭載していて持ち運びもできる。

もちろん、Bluetooth接続なのでAIスピーカーとの組み合わせも可能だ。日本のIKEAでも購入できる。

Wi-Fiスピーカー:SYMFONISK(シンフォニクス)

IKEAがSonosとの共同開発で発売したWi-Fiスピーカーシリーズの「SYMFONISK」は、残念ながら日本未発売。
「本棚スピーカー(Bookshelf Speaker)」と呼ばれる長方形の製品と、テーブルランプと一体化した製品がある。

Sonosの音質に、IKEAの価格
発売当時は驚きをもって迎えられたが、今では素晴らしいタッグだと誰もが認めるところだ。

ただし、Wi-Fi接続できるスピーカーとして機能するが、AlexaやGoogleアシスタントなどのAIアシスタントは搭載していない。
自宅にあるAIスピーカーと組み合わせて利用することはできる。

 次ページ >
これからのIKEAはどう変わる?

これからのIKEAはどう変わる?

IKEA Smart homeのリーダー、Björn Block(ビョルン・ブロック)氏

IKEA Smart homeを牽引するリーダーは、Björn Block(ビョルン・ブロック)氏

ストックホルムの聖ヤコビ・ギムナジウム(16歳〜19歳の学生が通う学校)を卒業後、ITコンサルタントとしてエリクソンに入社。在職中に名門・シドニー工科大学の総合デザイン学部を主席で卒業した秀才だ。

その後はヨーロッパの大手キッチン関連会社、ノビアグループへ転職。製品開発部門を中心にキャリアを伸ばし、最終的には同社のイノベーション&デザイン担当上級副社長にまで出世している。

そんなビョルン氏がIKEAに転職したのが2012年。そう、IKEAがスマートホーム事業をスタートさせたのと同タイミングだ。

これは推測だが、おそらくビョルン氏はそのためにヘッドハントされたのだろう。
エンジニアリング、デザインの素地を持ちながらキッチンや家具を手掛けてきた彼を、スマートホーム事業を欲しがっているIKEAがリーダーとして迎えたというのは自然な連想だと思う。

そんなビョルン氏が牽引するIKEAのスマートホーム事業は、今後どう展開するのだろうか。
実は、最初の一手はすでに打たれている。これまで「TRÅDFRI」となっていたIKEAのスマートホームアプリが「IKEA Smart home」と名前を改めているのだ。

スマート照明の「TRÅDFRI」に加え、すでにスピーカー分野へと進出しているIKEAだが、今後はさらに領域を拡大していくのは間違いない。

IKEA Home smartアプリのアイコンが、電球ではなく「家」なのは、これから家庭内のより広い分野に進出することを暗示している。

たとえば、北米と欧州ではすでに、スマートブラインドが登場している。

さらに意欲的な製品として、可動式の家具「Rognan」を2020年に香港と日本(!)で発売予定だ。

これらを統括するものとして、すでにIKEAのTRÅDFRIアプリは生まれ変わっている。

これからが楽しみだ!

関連記事

未来の住まいがここに!スマホや声で家電を操作できる 大阪の最新スマートホームショールームに行ってきた

  大阪に新たなスマートホームの体験拠点が誕生した。 株式会社アクセルラボ(本社:東京都新宿区)は、ハウスメーカーやディベロッパー、管理会社などの不動産事業者向けスマートホームサービス「Sp ...

続きを見る
スマートホーム(スマートハウス)の記事 2024.05.14

Roborock S8 Pro Ultraにロボット掃除機の未来を見た

ロボット掃除機を買い替えた  2023年10月、コロナ禍で少しだけ流行った地方移住ブームに乗り切れなかった私は、今更になって都内から地方都市への移住を果たした。東京都の地区40年-14平米ワンルームマ ...

続きを見る
スマートホーム(スマートハウス)の記事 2023.12.04

着実な広がりを見せるスマートホーム市場〜最新の動向についてアクセルラボが発表〜

 スマートホームサービス「SpaceCore」(スペース・コア)などを手がけるアクセルラボが、消費者と不動産事業者を対象に「スマートホームに関する調査報告会」を行った。  同調査は、全国の18~69歳 ...

続きを見る
スマートホーム(スマートハウス)の記事 2023.09.05

Qrio Smart Lockなら、鍵をシェアすることができて、スマホで解錠できる!

Qrio Smart Lockなら、まるで鍵を開けるかのようにスマホを操作するだけ Qrio Smart Lockは、スマートロックサービスです。 鍵をドアに設置する際の工事も不要です。鍵につけさえす ...

続きを見る
スマートホーム(スマートハウス)の記事 2019.11.28

これからのスマートホームには欠かせないAIについて知っておこう!

そもそもAIって何? AI(Artificial Intelligence=人口知能)は、人間が行う様々な作業や活動をコンピューターなどで模倣し、人間と同じような知能の実現を目的としたソフトウェアおよ ...

続きを見る
スマートホーム(スマートハウス)の記事 2019.11.28

人の感情に共感する次世代のAIロボット「JIBO」とは?

多くの可能性を秘めた新型AIロボット「JIBO」 JIBOは、アメリカのMIT(マサチューセッツ工科大学)のシンシア・ブリジール准教授により開発されました。 その後、2014年にIndiegogoのク ...

続きを見る
スマートホーム(スマートハウス)の記事 2019.12.03

Copyright© iedge , 2024 AllRights Reserved.