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スマートホーム(スマートハウス)の記事
2019.09.05
2019.11.28

ロボティクスとは?AIとの関係性や今後の課題について【テクノロジー・AI 入門編】

記事ライター:iedge編集部

今や私たちの暮らしに、ITは必要不可欠なものになりました。そして近年では従来製造業などで専門的に利用されていたロボットが人間との対話用など、さまざまな目的で使われるようになっています。

こういったロボットの開発を支えるのが「ロボティクス」です。ロボティクスでの研究はロボット技術にフィードバックされ、私たちの暮らしはロボットによってどんどん便利になっていきます。

さらに「AI(人工知能)」や「IoT(モノのインターネット化)」などが組み合わさり、ロボットの活躍の場はどんどん広がっています。今後ロボットの活躍に伴って、ロボティクスの重要性もどんどん増していくでしょう。

今回はロボティクスとは何か、そしてロボットの種類やロボティクス業界事情など、ロボティクスについて幅広くご紹介していきます。

▼この記事でわかる!

  • ロボティクスの意味
  • ロボットの種類、分類
  • ロボティクスの身近な活用事例

 

ロボティクスとは

ロボットがホワイトボードに何かを書く様子

ロボティクスとは「ロボット工学」のことで、その名の通り「アクチュエーター(ロボットの手足に当たる部分)」や各種センサーなど、ロボットに関するさまざまな技術を研究する分野です。

ロボットが一般に広がる前のロボティクスと言えば、産業用ロボット製造に関する技術を研究する学問でした。しかし近年では産業用ロボット以外のロボットも開発されるようになり、ロボティクスは活躍の幅を広げています。

産業用以外の代表的なロボットの事例としては、「ソフトバンクロボティクス」が製作した「ペッパー」が挙げられます。

ペッパーは話し相手の感情までくみ取った細かい会話が可能で、内部プログラムカスタマイズや追加などにより拡張性も高いのが特徴です。現在では飲食店やショッピングモールの接客など、サービス業でもペッパーが利用されています。

産業用以外のロボットが開発されるようになったきっかけは、AIの発達にあります。

インターネットの進歩により、誰もがインターネット上にデータをアップロードしたり、ネットサービスを使える時代になりました。そしてそれに伴い、インターネット上で取得できるデータも急激に増加し、ビッグデータという概念も登場しました。

そこでロボティクスでは、ビッグデータを利用してAIに「ディープラーニング」を行わせる実験などを始めました。すると従来ではできなかった複雑な処理がAIによって可能になりました。

特に画像認識音声認識の分野では、人間に対してロボットが一歩リードする成果も挙がっています。このようにインターネットの進歩とディープラーニングの連携が、AIを爆発的に進化させたのは言うまでもありません。そしてロボティクスでのAI研究が、現在のロボットの一般的な普及に影響しているのも見逃せないポイントです。
 

ロボットの分類と種類

様々な容姿のロボットが並ぶ様子

ロボティクスによって研究されているロボットには、次のような種類があります。

産業用ロボット

ロボティクス黎明期から存在する、産業用途に利用されるロボットです。塗装や組み立てなど、各工程に特化したロボットが製作されるのが特徴です。また特定の機能に特化しているだけあり、人型とはかけ離れたタイプのロボットがたくさん存在します。

例)

  • 塗装ロボット
  • 溶接ロボット
  • 搬送用ロボット

上記が産業用ロボットの代表例です。

サービス用ロボット

サービス用ロボットは、私たちの生活をサポートしてくれるサービスを提供してくれるロボットです。サービス用ロボットにより、私たちにとってロボットが身近な存在になりつつあります。サービス用ロボットは生活になじむように人型やペット型など、暮らしに身近なものをモチーフに製作されているものがたくさんあります。

サービス用ロボット初期のモデルとしては、「ソニー」の「アイボ」が分かりやすいでしょう。アイボは犬のような仕草を見せて人を和ませたりして、人気を博しました。

アイボの段階ではサービス用ロボットはトイロボット的な側面もありましたが、AIの発達によりペッパーのような実務に使えるロボットも登場しました。そして現在では企業向けに「RaaS(ロボットを提供するサービス)」も提供開始されており、サービス用ロボットがビジネスに広まるきっかけを作りました。

サービス用ロボットには、以下のような種類があります。

    例)

  • 会話用ロボット
  • 掃除用ロボット
  • 家庭用ロボット

その他特殊ロボット

上記のロボットとは別に、特殊な業務を請け負うロボットも存在します。そのようなロボットは特殊ロボットと呼ばれ、人間では立ち入りできない場所で作業を行ったりする際に利用されています。

例)

  • 月面探査
  • レスキュー
  • 軍事目的

上記のようなシーンで特殊ロボットが使われます。
 

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ロボティクス化の目的とは?

ロボティクス化の目的や政府の方針

人が行き交うオフィス

現在ロボティクス市場は成長を続けており、IT調査会社の「IDC Japan」の調査によると、2021年には世界全体のロボティクス市場は2307億ドルを突破する見込みです。このようにロボティクスに関して投資が進んでいる背景には、労働状況なども関係しています。

現在世界では少子高齢化が進み、人手不足が課題になっています。そのような状況でロボティクスで研究が進み、今よりさらに複雑な作業が可能なロボットが大量に開発されれば、ロボットに業務を任せられます。結果人件費が削減され、安定的な作業が可能になることで生産性も向上します。

そしてAIが今後も発達すれば、人間と同じような思考ができるロボットも開発できるようになるかもしれません。これによりロボットがさらに私たちの生活に密着し、便利な暮らしを提供してくれるようになります。このようにロボットに対する注目が集まっているので、ロボティクス市場もどんどん成長しています。

さらに各国政府もロボティクスと連携した施策を公表しており、日本では「未来投資会議」が例として挙げられます。未来投資会議は未来に向けた日本経済の新たな成長戦略を話し合う場として開催され、その1つとしてロボットとAIなどをベースに各業界の生産性を向上させることについて議論が行われたりしました。

日本がロボティクスに関する施策に積極的なのは、ロボット分野で日本が指導的役割を果たしたいという思いが反映されており、他国政府も同じような姿勢でロボティクスに関する施策を進めています。

 

ロボティクス関連業界について

会議中のオフィスの様子

ここからは、ロボティクスに関係する業界について3つご紹介していきます。

ホンダ

自動車大手メーカーの「ホンダ」は、「アシモ」など以前からロボティクスに関わる研究を続けていました。そして最近では、AIを活用した高度な処理ができるロボットを開発しています。

アメリカで開催される家電製品などの見本市「CES(Consumer Electronics Show)」で発表された「パスボット」はその一例です。パスボットはアシモのような人型ではなく、卵を縦に引き伸ばしたようなシンプルな外見をしています。

障害物の認知機能にたけており、目の前で人とすれ違ったときも高度な処理でスムーズに回避することが可能になっています。またホンダはRaaSの提供も視野に入れており、パスボットが普通の人間と同じようにショッピングモールで接客を行って来店客の道案内をするアニメーションも公開されています。

今後ホンダではRaaSの実現に向けてますますロボティクスの研究が盛んになるでしょう。今後どれだけパスボットなどのロボットが複雑な処理ができるようになるのか注目しておきましょう。

富士通

パソコンなどの家電販売大手「富士通」では、長年のロボティクス研究から得た技術を、ロボティクスサービスとして各企業などに提供しようとしています。

例えばペッパーのように、会話で接客などをサポートできるロボット「ロボピン」を開発。LEDを組み合わせた喜怒哀楽表現が可能で、クラウドデータと連携して今日の天気など、リアルタイムのデータをもとに複雑な会話ができます。

今後は飲食店の接客を行わせたり、ダンスなどをさせて客引きに利用したりと、ロボピンとクラウドデータなど各種技術を組み合わせたソリューションサービスの展開を予定しています。

パナソニック

パナソニックも複数の分野ですでに、ロボティクスを活用したサービスを展開しています。

例えば電動車椅子などを開発する「WHILL社」と提携して、安全でありながら快適に人やものを運ぶロボットを開発しました。人や障害物も検知して、衝突などのトラブルもきちんと防げます。また専用アプリで簡単に呼び出せるので、ユーザーが呼び出した位置に自動で呼び出して商業施設内部を移動する、といった使い道もできます。

さらに人手不足などが最も課題になっている業界の1つである農業では、トマト農園でトマトを自動で収穫して、農作業負担を軽減するロボットも開発しています。ロボットであれば昼夜問わず24時間稼働させることが可能で、生産性向上にもつながります。今後は収穫だけでなく時期の判断など、作業全工程をノンストップで処理できるロボット開発を目指しています。
 

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AIやIoTがロボットに与える影響

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