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スマートホーム(スマートハウス)の記事 2019.09.07

センサネットワークとは?意味や用途をわかりやすく解説【テクノロジー・AI 入門編】

記事ライター:iedge編集部

身の回りのあらゆるものがインターネットへ接続し、データ通信を行う「IoT(モノのインターネット化)」が、段々日常生活に浸透し始めてきました。スマートウォッチに代表されるウェアラブル機器など、さまざまなIoT機器が私たちの生活を便利にしています。

そしてIoTに今やなくてはならないのが、センサネットワークです。センサネットワークはセンサー及び、センサーで取得したデータを処理して通信するチップなどで構成された機器(ノード)が無線でつながっています。センサネットワークは、IoTにさまざまなメリットをもたらします。

今回はIoTになくてはならないセンサネットワークとは何か、そしてその仕組みや構造、IoTにもたらすメリットなど、幅広く解説していきます。

▼この記事でわかる!

  • センサネットワークの意味や仕組み
  • IoTにおけるセンサネットワークの役割
  • センサネットワークの活用事例

 

センサネットワークとは

センサネットワークのイメージ画像

センサネットワークは、前述の通りセンサー及び関連のチップなどで構成されたノードを複数相互接続し、張り巡らせたネットワークのことです。無線で構築するのが前提のため「ワイヤレスセンサネットワーク」とも呼ばれます。

ITというのは軍事目的で開発されたものが民生に転用されるケースも多く(「GPS」も当初は敵の位置把握などを、軍事衛星を通して行うシステムでした)、センサネットワークもその1つです。センサネットワークは当初、戦闘地域を精密に監視するなどの目的で開発が進められていました。

しかし民生でもそのメリットを活かしてさまざまなサービスを提供できるため、軍事目的以外の用途でも広く応用が効きます。センサネットワークは農業、交通、災害対策など、利用場所を選びません。今後IoTとともに、センサネットワークもどんどん普及していくでしょう。
 

センサネットワークの仕組みと構造

センサネットワークのイメージ画像

センサネットワークには、次のような技術が利用されています。

各種センサー

センサネットワークという名前の通り、センサネットワークの要となるのは搭載する各種センサーです。一口にセンサーといっても複数のセンサーがあります。

・GPSセンサー・・・対象の位置情報などの検知(スマホやカーナビなど)
・加速度センサー・・・対象の加速度合の検知(カメラやウェアラブル機器など)
・ジャイロセンサー・・・対象の回転などの検知(カメラなど)
・温度や湿度センサー・・・対象の温度や湿度などの検知(エアコンなど)

上記のように、用途に応じて最適なセンサーを組み込みます。

無線通信技術

センサーを搭載したノード同士を接続するには、無線通信技術が必要です。無線通信技術も1つだけでなく、Bluetooth、Wi-Fi、NFC、Zigbeeなど、特性の異なるさまざまな技術があります。

例えばBluetoothだと電力の限られているウェアラブル端末でも省電力でデータ通信ができますが、その分大量のデータ送受信には不向きです。またWi-FiはBluetoothよりも大量のデータを送受信できますが、省電力性では劣るのでバッテリーを消費してしまいます。ですからセンサネットワークの内容や環境などに応じて、適切な無線技術通信を採用するのが基本です。

上記のセンサーや無線通信技術などが決定したら、次はネットワーク構築に入ります。センサネットワークは、ノードの組み合わせ方によって次のようなタイプ(トポロジー)に分かれています。

・スター型ネットワーク
・ツリー型ネットワーク
・メッシュ型ネットワーク
・リニア型ネットワーク

スター型ネットワーク

家庭内ネットワークでもおなじみのトポロジーです。「ゲートウェイ(ネットワーク同士をつなぐ、ルーターのような機器)」が中心となり、各機器に接続されているときの形が星のように見えることから、この名前がつけられました。

末端の機器に故障や不具合が発生したときにも、ゲートウェイが無事であれば影響が出ないメリットがあります。ただしその反面、ゲートウェイに異常が出れば接続している各機器の通信にも影響が出てしまうデメリットもあります。

ツリー型ネットワーク

企業のネットワーク構築でよく見られるトポロジーです。根本のゲートウェイに枝分かれするように下位のゲートウェイが接続し、さらに枝分かれして次の機器が接続、を繰り返すことから、ツリー(木)の名がつきました。

スター型のように末端の機器に接続エラーなどが出ても、ネットワーク全体に影響は出ません。ただしこちらも根元のゲートウェイに障害耐性を依存しており、構築するのに時間がかかります。

リニア型ネットワーク

リニア型ネットワークは、センサーやゲートウェイがすべて一列につながっているトポロジーです。一列に接続することで、データ送信距離を伸ばせるメリットがあります。

半面経路途中の機器が故障してしまうと、全機器の通信が止まってしまうデメリットもあります。

メッシュ型ネットワーク

IoT時代の現在、認知度がどんどん上がっているトポロジーです。ノードはゲートウェイに接続するだけでなく、ノード同士でも直接接続します。その際のインターネットの形が網目のように見えることから、メッシュ型ネットワークと呼ばれます。

例えば末端の機器がデータを他機器に送信したいとき、従来のトポロジーだと通信経路が1つしかないので、経路中の機器が1つでも故障していた場合データ通信が不可能になります。しかしメッシュ型ネットワークでは経路Aが使えない場合他機器を通じて経路Bや経路Cなど複数の通信経路を選べるため、ネットワーク中機器にエラーが起こっても、確実にデータ通信できる可能性が高まります。

全機器がお互いに接続しているフルメッシュを構築するのはコストがかかるので、必要な部分だけをメッシュにしているメッシュ型ネットワークも存在します。

 

センサネットワークとIoTの関係

IoTのロゴ

センサネットワークとIoTは、切っても切り離せない関係です。

IoTではまずセンサーで検知した内容を、ネットワーク上に送信します。そしてコンピューターで処理を行った後、パソコンのアプリケーションなどで処理結果を出力し、各種操作を行います。要はIoT機器を利用するときは、必ずセンサネットワークを通過しているということです。

センサネットワークとIoTは別々の技術というよりも、IoTの中にセンサネットワークが存在する、というイメージのほうが適切です。

 

ワイヤレスセンサネットワークがIoTにもたらすメリット

電球を持つ手元

ここからは、センサネットワークがIoTにもたらすメリットをご紹介します。

構築コストが下がり、スムーズに構築できる

従来の有線接続が主のネットワークでは、複数の有線ケーブルを用意しなくてはいけないため構築にコストがかかっていました。しかしセンサネットワークはワイヤレス、つまり無線での構築が一般的なので、有線ケーブルなどを用意せずに低コストでネットワーク構築できます。

また用意しなくてはいけない機材が少なくなる分構築にかかる時間も短縮できるので、スムーズにIoTを介したサービスを開始できます。

リアルタイムにデータを計測して、トラブル予防ができる

従来のセンサーはまだ技術的に未成熟だったので、トラブル発生後にしか信号が送信されず、対応が後手後手になるケースが多くありました。

センサネットワークではリアルタイムで計測対象のデータを検知し、ネットワーク上に送信します。これにより「少し不具合がありそうだな」など、トラブルが起きる前にその兆候を発見し、未然にトラブルを防ぐことも可能になります。

例えば製造業では工場内で機器が故障などすれば、全体の生産ラインに影響が出てしまいます。センサネットワークとIoTを組み合わせることで、事前に機器の異常を検知しメンテナンスを行い、収益ロスの発生も防止できます。

ネットワークの柔軟性が高くなる

有線のネットワークでは、「この機器をこの場所へ置きたい」と思っても、ケーブルの長さなど物理的な問題で不可能な場面も多いのがデメリットでした。

センサネットワークは無線接続なので、通信が可能な範囲ならばどこにでも指定の機器を置けるメリットがあります。例えば「この機器は大気の温度や湿度を計測したいから、屋外に置きたい」と思ったときは屋外にセンサーノードを設置し、後は屋内でセンサネットワークを構築すれば課題が解決します。
 

センサネットワーク技術の現状

IoTのシェア拡大に伴い、センサネットワークに関係する技術もどんどん進化しています。例えば以前より高感度で広範囲のセンサーが登場するなど、精密な「センシング(検知した情報を数値化すること)」が可能になっています。

ただしセンサネットワーク技術は仕様が統一されておらず、例えば日本のサービスを海外で展開するとなると、世界的な技術の標準化が必要になってきます。また世界的な市場の拡大もまだまだこれからなので、今後どれだけセンサネットワークが普及するが注目しておきましょう。
 

センサネットワーク技術の活用事例

タブレット片手に農作物を確認する男性

ここからは、実際のセンサネットワーク技術の活用事例をご紹介していきます。

農業

農業では、センサネットワークを使った効率的な農業の事例が公開されています。

農場にセンサーを設置して周囲の温度や湿度、土壌水分などを計測。センサネットワークを通じて生産者のパソコンでデータを可視化すれば、「今日は気温が高いから少し水を多めにやっておこう」など、勘に頼らない確実な農作物管理が可能になっています。

結果農作物の生産性も向上し、遠くにいるアドバイザーにセンサーのデータを送り栽培のアドバイスを聞いたりと、さまざまなことができます。

建築

建築分野でも、センサネットワークは活用されています。

例えば橋梁にセンサーを設置して周辺の状況をリアルタイムで計測する事例があります。この事例では災害時にすぐ異常を検知したり、車両の通行状況からどの部分が痛んでいるか把握し、メンテナンスを行うことがセンサーネットワークによって可能になっています。

これにより橋梁に異常が起こりそうなときは速やかに通行を停止し注意を呼びかけるなど、未然の大事故を防げます。

環境

環境分野では、主に気象データの観測にセンサネットワークが利用されています。

風向きや風速、降水量など、各種気象データをセンサーで感知して蓄積します。そして蓄積したデータは自治体や法人など、必要なところに提供されます。他にも気象データと河川水位などの観測データを連携させ、異常を検知するシステムも開発されています。
 

センサネットワークの課題や今後について

今回はセンサネットワークとは何か、そして仕組みや活用事例まで幅広くご紹介してきました。

センサネットワークはIoTとともにどんどん広がっており、技術も発達しています。ただしセンサーの技術が発達してもそれが周囲に影響が及ばないようにどう取り扱うか、世界標準の規格をどう策定していくかなど、課題も多く残っています。

ぜひこれからもセンサネットワークについて情報を収集してみてくださいね。

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