Adobeは9月10日、スマートスピーカーに関する消費者調査の結果を発表し、米国の約32パーセントの家庭がスマートスピーカーを所有していること、年末には50パーセント近くまで達する見込みであることを明らかにしました。
Amazon EchoやGoogle Homeなどのスマートスピーカーが目覚ましく普及するに伴い、スマートフォンやタブレットに搭載された音声アシスタントを使用する機会も増加しているようです。同調査において、スマートスピーカー所有者の約76パーセントがこの1年で音声アシスタントを利用する機会が増えたと回答したほか、71パーセントが1日に1回以上利用すると回答しています。
もちろん、この調査結果はスマートスピーカー市場やスマートホーム市場に対してポジティブなものですが、現状スマートスピーカーや音声アシスタントが完全に生活に溶け込んでいるとはまだ言えない状況です。
スマートスピーカー非所有者のうち、外出時にAlexaやGoogleアシスタントに話しかけることに対して71パーセントが抵抗感を示しています。彼らが現状多数派であることを考えれば、音声アシスタントが最も普及する米国であっても、街中で電話でもないのにスマートフォンへ話しかける行為は非日常的な行為として見られることでしょう。
ただし、スマートスピーカーを購入し、その使い心地になじんだユーザーは、音声アシスタントの仕様をより強めていく傾向にあるようです。スマートスピーカー所有者の72パーセントは、外出先でも気兼ねなく音声アシスタントを利用するとのことで、今後スマートスピーカーの普及率がさらに高まっていけば、音声アシスタントに話しかけながら街を歩く姿が当たり前の光景になるかもしれません。
スマートスピーカー所持者の間でも、まだあまり一般的になっていないのがショッピング分野です。実際にスマートスピーカーを使って商品を注文した経験があるのはわずか25パーセントで、これはスマートスピーカー最大手がAmazonであり、Amazon自身もショッピングにAmazon Echoを利用することを大きくアピールしていることから考えるといささか低い値かもしれません。
ただし、スマートスピーカーで買い物をするということは、聴覚情報のみで買い物をするということであり、使い慣れた品の再注文でもなければ、あまり使用しないと考える方が自然でしょう。今後、日本でも販売が開始されたAmazon Echo Spotなど、ディスプレイ付きのデバイスが普及していけば、スマートスピーカーでのショッピングも当たり前のようになるかもしれません。
(画像:Adobe)