生活に寄り添い、日々の意思決定を減らすスマートレンジをご紹介

2018年11月、Amazon社は米国向けにスマートディスプレイのEcho Showや、コンセントを音声で管理できるAmazon Smart Plug、さらには壁掛け時計のEcho Wall Clockなど、さまざまなホームIoT製品を発表しました。その際に実はAmazon Echo端末を介して音声で操作できるスマート電子レンジ（以下スマートレンジ）のAmazonBasics Microwaveも発表されていたのをご存知ですか？

日本では未だ認知度の低いスマートレンジですが、海外ではさまざまな機能を搭載した商品が登場しています。本記事では、スマートレンジができることや、私たちの生活がどのように便利になるのかを探ります。

温めるだけじゃない。レンジがルーチンを記憶、操作はより直感的に

「スマート〇〇」と名のつくデバイスが各所で登場する昨今、今回の「スマート電子レンジ」と言われても、「はいはい、音声認識ができるんでしょう？」「スマホに通知がくるのね」なんて見透かしている方もいるかもしれません。

もちろん、Amazon EchoやGoogle Assistantと連携して音声認識機能を備えていたり、Wi-fi機能搭載でスマホに通知を送ることもできます。しかし、それだけにとどまりません。

例えば、2018年のCESでWhirpool社が発表したSmart Over-the-Range Microwaveは、AlexaとGoogle Assistant に対応するのはもちろんのこと、解凍モード、揚げ物モード、再加熱モードなどの中から、頻繁に利用される加熱の種類や利用時間帯のデータをもとに、ユーザーの利用に合わせた提案も可能です。使えば使うほど、よりカスタマイズされていく家電なのです。

（Whirlpool社商品紹介ページより）

また、連動するレシピアプリYummlyを使えば、スマートフォンで調べたレシピのデータを直接スマートレンジに送信し、加熱を開始することもできます。まるで誰かがキッチンに一緒にいて、相談しながら料理を進めているかのようではないでしょうか。

（Apple Storeより）

全部、おまかせ。スマートレンジの認識機能が温めを最適化

さらにスマートレンジ内部に搭載されたカメラは、温めようとしている食べ物がなんなのかを認識して適切な温め方を提案します。常温なのか、凍っているのかも識別できるほか、水分を観測して乾燥しすぎないように監視する機能も備えています。

さらにユニークなのが、レンジで温めて食べる製品なら、パッケージのバーコードを読み取ると、商品情報から温め方を最適化してくれる機能。一分一秒が惜しいような忙しい朝に、もってこいですね。

画一的な性能から、パーソナライズの時代へ

これまで、高機能な電子レンジといえば、温め方のバリエーションの豊富さや、オートメニューなどの性能を連想する方も多かったのではないでしょうか。各社が開発を進め、性能による差別化が難しくなった今、次の鍵となるのは今回紹介したような「パーソナライズ」や無駄な思考のプロセスの削減かもしれません

意思決定の手間をなくしたり、ユーザーそれぞれのルーティンに沿うテクノロジーは、人とモノの間の距離を遠ざけるのではなく、モノがより私たちに寄り添うような進化をとげることに期待したいですね。