iedge
  • iedge
スマートホーム(スマートハウス)の記事
2019.04.10
2019.12.04

ビッグデータとは?その歴史や基礎知識と企業の活用事例から学ぶ重要性やメリットについて

記事ライター:iedge編集部

あらゆる業界で聞かれるようになった「ビッグデータ」というワード。なんとなく意味は分かっているものの、「具体的にビッグデータで何ができるのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、ビッグデータとは何なのか、その基礎的な内容と活用事例などを詳しく紹介します。

▼この記事でわかる!

  • ビッグデータを理解するための「3V」
  • 企業のビッグデータ活用事例
  • ビッグデータがもたらす利便性と危険性

 

 

ビッグデータとは?歴史と基礎知識

見開きで机に置かれた本

ITの用語としてたびたび耳にするようになったビッグデータという言葉。そのまま直訳すると「大きいデータ」ということになりますが、実は単にサイズが大きいというだけではなく、さまざまな意味が含まれています。

ビッグデータの特徴を表すうえで重要な「3V」とよばれるものがあります。これは「Volume(量)」、「Velocity(頻度)」、「Variety(種類)」という単語の頭文字をとったもの。すなわち、ビッグデータとは「大量で、入出力の頻度の高い、多様なデータ」という表現ができます。

上記のような特徴をもとにビッグデータという言葉が定義されたのが2000年代初頭であり、もともとはデータ統計などの専門分野において活用されていました。しかしその後、2010年代初頭からさまざまなクラウドサービスが登場してきたことによって有名なテクノロジーとなり、認知度も一気に上がりました。

 

 

ビッグデータの仕組み

スマートフォンを操作する女性

ビッグデータの代表的な仕組みとして挙げられるものに、スマートフォンなどのデバイスから収集するログデータがあります。特定のアプリケーションの利用履歴やアクセス履歴、行動履歴など、あらゆるデータが対象となります。当然、これらのデータは多くのユーザーから収集することでさまざまな用途に応用が可能です。

また、これまでのデータの場合、収集したログを解析するにはコンピュータでの処理が必要でしたが、ネットワークの高速化やコンピュータそのものの性能アップによってリアルタイムでの分析が可能になりました。アクセス履歴などからその人の特性やニーズを把握でき、その人にマッチした広告や商品を紹介するレコメンド機能のような役割を提供することも可能になります。

また、ビッグデータは個人を対象としたものだけではなく、天気予測などにも応用が可能です。過去の天気図とその後の天候の変化をビッグデータとして記録しておくことによって、精度の高い天気予報につなげることができます。

 次ページ >
ビッグデータとデータベース

 

ビッグデータとデータベース

「?」マークの書かれたカード

ビッグデータと似た言葉として「データベース」があります。しかし、ビッグデータとデータベースには扱うことが可能なデータについて決定的な違いがあります。それは、構造化データであるか非構造化データであるかという点です。それぞれの違いを簡単に比較してみましょう。

構造化データ…CSVファイル、Excelファイルなど
非構造化データ…テキストファイル、画像ファイルなど

構造化データとはその名の通り、数値などが明確に構造化され従来のコンピュータでも処理が可能なデータであるのに対し、非構造化データは規則性がなく、従来のコンピュータでは処理に膨大な時間を要するデータといえます。

言い方を換えると、構造化データはデータベースで扱うことのできるデータ形式であり、非構造データはビッグデータでしか扱えないデータ形式と表現できます。もちろん、構造化データであってもビッグデータは処理が可能です。

 

ビッグデータのメリット(目的)

ビッグデータにはどのようなメリットがあり、なぜ多くの企業が活用に向けて動いているのでしょうか。その理由を探っていくと、企業が注目する理由といくつかの利用目的が見えてきます。

1.マーケティングへの活用

まず、さまざまな方法で収集したビッグデータは大きな資産となります。ユーザーのリアルな動向や嗜好が見えるビッグデータは、マーケティングにおいて大きな武器となります。細かなデータであればあるほど、顧客にどのようなニーズがあるのかを細かく知ることができ、その後の商品開発や戦略において大きなヒントをもたらすことになるためです。

2.AIなどへの活用

ビッグデータはAIとの相性も良く、高度な分析も可能になるメリットがあります。人間によるデータ解析やマーケティング予測も重要ですが、同時にAIに学習させることによって、精度の高い分析を実現できます。

AIにとって機械学習のサンプルとなるビッグデータは多ければ多いほど精度が向上するもの。今後本格的にAI導入を検討している企業はもちろんですが、一般ユーザーにとっても将来的にはビッグデータとAIが融合したサービスの恩恵を受けることが可能になります。

 次ページ >
ビッグデータの分類

 

ビッグデータの分類

情報を分類分けするイメージ図

一口にビッグデータといっても、実はさまざまな種類のデータに分類されます。それぞれの分類を挙げながら、どのような分野に活用できるのかを紹介していきましょう。

1.ソーシャルメディアデータ

SNSに個人が書き込む内容やプロフィールなどのデータです。パーソナルな膨大な情報であり、個人の趣味や性格なども判断することが可能。WEBサイトとの連携により、アカウント情報などに利用されることもあります。もちろん、連携前にはユーザーの認証が必要です。

2.マルチメディアデータ

動画や音声などのデータです。動画サイトなどにアップロードされているデータを集計し、世の中のトレンドを把握することも可能です。

3.ウェブサイトデータ

どのサイトにアクセスしているか、または検索履歴などのデータです。ネットショッピングなどで購入した商品の履歴などもウェブサイトデータに該当します。レコメンド機能や広告機能など幅広く応用されています。

4.カスタマーデータ

ビッグデータが登場する以前から存在している顧客データです。自社製品の購入履歴や入電履歴など、あらゆるデータが蓄積されているのがカスタマーデータであり、セール情報やサポートの案内などにも活用されています。

5.センサーデータ

IoTの登場によって注目されているのがセンサーデータです。温度や湿度、照度など、あらゆるデータをセンサーから収集し、空調管理などに役立てます。GPSによって収集される位置情報もセンサーデータのひとつです。

6.オフィスデータ

パソコンで送受信したメールはもちろん、文書や表計算など、オフィスで作成したビジネスデータをオフィスデータとよびます。情報システム部門などがセキュリティ監査を行う際にも活用できるビッグデータです。

7.ログデータ

サーバーで確認することが可能なアクセス履歴やエラーなどのログデータです。セキュリティ対策や障害発生時の対策など、幅広い用途に活用されます。

8.オペレーションデータ

小売店で活用されているPOSデータや取引明細などのデータをオペレーションデータとよびます。売り上げ管理や発注管理、マーケティングなどにも活用されるビッグデータです。

 

ビッグデータ活用を支える技術

大量のデータを高速に処理する必要があるビッグデータの活用には、それを支える技術があります。なかでももっとも大きな注目を集めているのが、「Hadoop」とよばれるものです。

Hadoopとは複数のコンピュータに対して大量のデータを高速で処理させるための技術です。1台のコンピュータにタスクが集中することがないため、コンピュータの負担を軽減できるだけではなく、万が一コンピュータが故障しても処理が中断されないといったメリットがあります。

大量のデータを扱うビッグデータにとってHadoopは欠かせない技術といえるでしょう。

 次ページ >
ビッグデータの解析法・AIとの関連性

関連記事

未来の住まいがここに!スマホや声で家電を操作できる 大阪の最新スマートホームショールームに行ってきた

  大阪に新たなスマートホームの体験拠点が誕生した。 株式会社アクセルラボ(本社:東京都新宿区)は、ハウスメーカーやディベロッパー、管理会社などの不動産事業者向けスマートホームサービス「Sp ...

続きを見る
スマートホーム(スマートハウス)の記事 2024.05.14

Roborock S8 Pro Ultraにロボット掃除機の未来を見た

ロボット掃除機を買い替えた  2023年10月、コロナ禍で少しだけ流行った地方移住ブームに乗り切れなかった私は、今更になって都内から地方都市への移住を果たした。東京都の地区40年-14平米ワンルームマ ...

続きを見る
スマートホーム(スマートハウス)の記事 2023.12.04

着実な広がりを見せるスマートホーム市場〜最新の動向についてアクセルラボが発表〜

 スマートホームサービス「SpaceCore」(スペース・コア)などを手がけるアクセルラボが、消費者と不動産事業者を対象に「スマートホームに関する調査報告会」を行った。  同調査は、全国の18~69歳 ...

続きを見る
スマートホーム(スマートハウス)の記事 2023.09.05

Qrio Smart Lockなら、鍵をシェアすることができて、スマホで解錠できる!

Qrio Smart Lockなら、まるで鍵を開けるかのようにスマホを操作するだけ Qrio Smart Lockは、スマートロックサービスです。 鍵をドアに設置する際の工事も不要です。鍵につけさえす ...

続きを見る
スマートホーム(スマートハウス)の記事 2019.11.28

これからのスマートホームには欠かせないAIについて知っておこう!

そもそもAIって何? AI(Artificial Intelligence=人口知能)は、人間が行う様々な作業や活動をコンピューターなどで模倣し、人間と同じような知能の実現を目的としたソフトウェアおよ ...

続きを見る
スマートホーム(スマートハウス)の記事 2019.11.28

人の感情に共感する次世代のAIロボット「JIBO」とは?

多くの可能性を秘めた新型AIロボット「JIBO」 JIBOは、アメリカのMIT(マサチューセッツ工科大学)のシンシア・ブリジール准教授により開発されました。 その後、2014年にIndiegogoのク ...

続きを見る
スマートホーム(スマートハウス)の記事 2019.12.03

Copyright© iedge , 2024 AllRights Reserved.