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IoTを支えるLPWAは何が革命なのか?(後編)

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前編ではLPWAの基礎と新しい産業革命について解説

この記事は、同タイトルの前編の続きである。「LPWA」と言われて、その正式名称がわからないというような読者は、ぜひ前編から読んでほしい。いいだろうか。

では、前編は読んでいるか、LPWAについて基礎的な知識があるという前提で続きを書いていこう。

LPWAの代表的な規格「Sigfox(シグフォックス)」

後編はテーマは、LPWAによってもたらされる具体的な生活の変化についてである。前編では、産業においてLPWAが果たす役割の大きさを解説したが、産業が変わるということはそのまま、私たちの生活が変化することでもあるのだ。

そのためにはまず、LPWAの代表的な規格である「Sigfox」について解説しよう。

フランスの企業が2009年から運用しているのこの規格は、世界展開に際して1国1事業者のみにライセンスすることで知られる。日本では京セラコミュニケーションシステムが担当だ。Sigfoxにおいて最大の特徴は「上りの通信しかしない」という大胆な仕様だろう。

携帯電話回線と同じように、Sigfoxは基地局を経由した通信を行うのだが、端末から基地局への通信はあっても、基地局から端末への通信はしない。上り通信だけで何ができるというのだろう? という疑問が浮かんだ読者も多いだろう。

しかし、それこそがSigfox最大のメリットでもある。

まずコスト面でのメリットが大きい。基地局から端末への通信をしないので、基地局が安くて済む。また、端末の構造も単純なので使い捨ても可能なほどの低価格設計が可能だ。そして、基地局からの電波待機をしないのでSigfoxの端末は非常に低電力である。

私たちが使っているスマートフォンは、電波の待機と検索に多くの電力を消費しているが、それが丸ごと不要ということになるので当然だ。電池だけで10年は稼働すると言うのだから、ちょっと異次元のすごさだ。この、低価格なLPWAがもたらす恩恵は大きい。

すでに公開した記事では、トラッカーとしての利用例を示した。旅行かばんにSigfoxのトラッカーを仕込み、きちんと現地へと届いたのかを知らせるものだ。もちろん、盗難対策にもなる。

これが可能なのは、Sigfoxが世界的なネットワークを持つLPWAだからだ。日本の羽田空港を離れ、シャルル・ド・ゴール空港に到着したことをそれぞれ現地のネットワークを通じて教えてくれる。

さきほど書いたように、Sigfox自体は上りの通信しかしないので、スマートフォンなどからSigfox端末に直接通信して位置を確認することはできない。そのかわり、Sigfoxネットワークからインターネットに情報が渡り、その情報をアプリなどで表示することになる。

Sigfoxネットワークだけで完結しないからこそ、汎用性が高い運用ができている好例と言えるだろう。

ちなみに、先の記事で挙げた例がルイ・ヴィトンのトラッカーだったので、低価格どころか世界で最も高価なトラッカーになってしまったが、分解したその中身は低価格で作れる設計になっているはずである。

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生活を大きく変えるSigfox

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