ポップアップ式セルフィーカメラ仕様Vivo NEXとそのスペック
iPhone Xはベゼルレスデザイン(ディスプレイの枠や余白がないデザイン)を追求したものの、Face IDのためのセンサユニットやインカメラを組み込むために、前面にノッチを作らなければならない設計でした。
このノッチ設計には賛否両論で、動画が見づらいとか、デザイン的に良くないという意見が多数ありました。
一方、Vivo NEXにはこのノッチがなく、インカメラがポップアップ式のスライド部分に埋め込まれています。セルフィーカメラを使用する時のみ、スマホ上部から出てくるという設計なのです。ちょうど、一眼レフカメラのフラッシュライトに似ているといえるかもしれません。
このスマートフォンはほぼ完全なベゼルレスデザインとなっており、スクリーンの見やすさという点で比較するとiPhone Xよりも勝っているといえるでしょう。
「ほぼ完全な」と述べたのは、スマホ下部のベゼルが多少広めに設計されているからです。とはいえ、両側面のごくわずかなベゼルの2倍程度の幅で、ほとんど気にならないレベルとなっています。
プロセッサにはスナップドラゴン845が採用されており、メモリは8GB、256GBのストレージに4,000mAhのバッテリーを搭載しています。
バッテリーについては、プロセッサの電力消費やAndroid OSとの相性も関係してくるため、一概に良し悪しは判断できないものの、約2,000mAhの容量しかないiPhone Xのバッテリーと比較すると単純に2倍ということになります。
12メガピクセルのレンズはF値が1.8と明るく、インターフェースはヘッドフォン端子とUSB-Cポートで、スクリーンは1080pの6.6インチ有機LED液晶が採用されています。
最近では、解像度1440pのスマートフォンが出ているので、スクリーンに関してはハイエンドクラスとはいえないものの、6.6インチなら解像度1080pで必要十分と言えるでしょう。
スクリーン内で行う指紋認証
Vivo NEXの指紋認証はスクリーン内で行います。第3世代の指紋スキャナが採用されており、指紋認証の精確性が、従来のものよりも50%改善されています。認証の速さも10%向上しており、ストレスなくスマホをアンロックできます。
ただし、スクリーン内で指紋認証ができるものの、スクリーンのどこでも良いというわけではなく、スクリーンに現れるブルーのセンサーエリアに親指の指紋を読み取らせる必要があります。このセンサーエリアはiPhone7やiPhone8のホームボタンと同じくらいの大きさです。
これに関しては、スクリーン上で指紋認証が行えるのなら、もう少しセンサーエリアを広げてほしかったというユーザーもいるかもしれません。
Android OSならではのデメリットも
まず、Vivoは中国のスマホメーカーであり、主なターゲットは中国の消費者です。そのため、Vivo NEXの各要素は中国にローカライズされており、海外で使用するには多少不便を感じる点もあります。
例えば、Vivo NEXはAndroid環境下で動作するものの、デフォルトではGoogle Playからアプリをダウンロードすることができません。中国のAndroidアプリサイトからダウンロードしたものであれば正常に動作するものの、中国語にしか対応しておらず、かなり不便です。
Google Playが使用できないため、他の経路からアプリをダウンロードする必要がありますが、中華Androidの公式アプリと比較すると、しばしば動作が不安定なことがあります。また、中国のAndroid OSは英語テキストに最適化されていないことがあり、スペースや句読点にバグが生じることがあります。
ポップアップ式のセルフィーカメラに関しては、Telegramなどのサードパーティ製アプリでバグが確認されています。必要のない時にポップアップされるため、不本意に顔の写真をキャプチャされたり、情報が漏洩したりするのではないかという懸念があります。
こうした懸念点もみられるため、ノッチが無くなったというセールスポイントだけで新しい消費者を引きつける事ができるかというと、そうではないかもしれません。しかし、ノッチが無くなったことによって、スクリーンの視認性が圧倒的に向上したことは確かです。
また、NEXのポップアップ式セルフィーカメラは顔認証に使用されることはないので、スマホのロック解除の際に度々出てくるということもありません。
これまでiPhoneの同一線上をなぞるように発展してきたVivoのスマホですが、Vivo NEXからは、Appleのデザインにとらわれない、ポップアップ式のセルフィーカメラをはじめとするセンセーショナルな機能が追加されていくのかもしれません。