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トヨタが「レベル4」の自動運転実験開始 自動運転の基礎技術とレベルについて再確認しよう

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トヨタが2020年の東京五輪に向けて自動運転の実証実験を開始

7月23日、トヨタ自動車は東京五輪に向けて東京の臨海部で自動運転車の実証実験を開始すると発表した。

注目は、その実証実験が「レベル4」であるということであるが、このレベルがどのように分けられているのか、まずは解説が必要だろう。

 

レベル0からレベル5まで分けられている自動運転技術

自動運転のレベルは、アメリカの技術者団体SAEインターナショナルが定めた「SAE J3016」という規格に準拠している。日本で言えば「JIS」のような標準化団体のひとつである。

細かい条件はあるが、レベル0からレベル5まで以下の基準が設けられている。

  • レベル0:自動化なし
  • レベル1:自動ブレーキなどの運転支援
  • レベル2:クルーズコントロールなどの部分自動運転
  • レベル3:道路条件などが対応している場合の条件付き自動運転
  • レベル4:走行条件によってドライバー不要の高度自動運転
  • レベル5:あらゆる条件での完全自動運転

いま普通に日本の街を走っているのはレベル0、または自動ブレーキが搭載されたレベル1がメインである。国産車でも日産セレナなど一部ではレベル2の自動運転が実現しており、これはドライバーが操作しなくても前後のクルマや道路の白線などの情報をもとにクルマが運転を支援してくれる。

ただし、あくまで「運転支援」の域を出ておらず通常の運転と同様の緊張感は要求される。


(画像引用:Audi Japan)
https://www.audi.co.jp/jp/web/ja.html

私達がイメージする「自動運転」になるのはレベル3からだ。ここからはシステムが運転を掌握し、勝手にクルマが走るので緊急時以外はドライバーが必要ない。

アウディは新型のA8でこれを実現しており、街中やハイウェイなど道路条件が整っているところで天候や交通量も適切であれば完全な自動運転が実現している。

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(video:Audi Japan アウディ ジャパン /YouTube)

そして、今回トヨタが実証実験をする「レベル4」では、ドライバーが不要の完全自立運転となる。ただし、レベル3と同様、道路や環境の条件が整っていることが前提だ。

つまり、オリンピックであれば会場から会場へのスタッフや観客、または機材などの移送でコースが決まっている場合には実現可能と言えるだろう。

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完全自動運転を進める理由

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