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スマートホーム(スマートハウス)の記事
2018.06.06
2019.12.27

BlackBerry KEY 2が6/7に発表!ところでBlackBerryが今どうなってるか知っているかな?

記事ライター:Yuta Tsukaoka

いちばんカッコいいスマホは「BlackBerry」だった

The Mindy Project Blackberry GIF by HULU - Find & Share on GIPHY
(image:hulu /GIPHY)

私が初めて持ったスマートフォンは、2009年当時ドコモで販売されていた「BlackBerry Bold 9000」だった。

iPhone 3Gが日本に入ってくるぎりぎり前だったので、周りはガラケー――今では当然のように通じる言葉だが、もちろんスマートフォンとの対比で生まれた言葉なので当時は存在しなかった――ばかりで、かなり誇らしかったのを覚えている。

そう、当時はオバマ大統領も使っていた。SATCの登場人物も持っていたし、パパラッチにはBlackBerryを持つセレブがよく撮られていた。

本当に、当時もっともカッコいいのが「BlackBerry」だったのだ。
しかし、その後の凋落はみなさんもご存知の通り。

ノキアと競っていたシェア競争にiOSでAppleが参入し、AndroidでHTCやLGまで参入してくると数年でシェアは一桁まで落ち込んでしまい、2013年にはハードウェア開発から完全に撤退している。

その後のBlackBerryがどうなったかって? 一度は潰れかけ、実は、いま見事に復活しているのだ。

 

スマートフォンメーカーからセキュリティ企業に

BlackBerry社のホームページ画像

(画像引用:https://jp.blackberry.com/enterprise)

ハードウェア競争からはじき出されたあとのRIM(現BlackBerry社の当時の社名Research In Motionの略称)は惨憺たるものだった。
これまで、BlackBerry OSを載せた自社端末でのビジネスがうまくいっていたRIMは軌道修正がうまくいかず、モトローラやノキアとともに時代の表舞台から姿を消したのだった。

その後もハードウェアは開発していたし、途中でBlackBerry OSを捨ててAndroid搭載端末を発売したりもした。が、遅きに失した。
それまでに多くの経験を積んできたLGやサムスンの作るAndroid端末とは比較にならない粗末な出来で、まったく売れなかったのだ。

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何故BlackBerryは好調に?

そのRIMはBlackBerryと社名を変え、いまは好調のようだ。なぜか。
そう、セキュリティ企業として生まれ変わっているのである。
そもそもBlackBerryが市場に受け入れられたのは、エグゼクティブたちがビジネスで使用するに耐えるセキュリティを保っていたからだった。

アプリは公認パートナーが開発し、BIS(BlackBerry Internet Service)やBES(BlackBerry Enterprise Service)を通じたセキュアな通信が約束されていたのだ。だからこそ、世界で最高のエグゼクティブであるバラク・オバマ大統領(当時)も使っていた。

そして現在、BlackBerryが扱っているおもな商品は「Enterprise Software」と銘打ったセキュリティスイートである。
IoTにおけるエンドポイントの保護、従業員同士の通信を完全に暗号化するBBM(BlackBerry Messenger)の提供、セキュアなカスタムアプリの開発、安全なファイル共有機能の提供などを大企業だけでなく政府にも提供している。
少々その決断が遅かったとはいえ、ハードウェアビジネスを捨ててソフトウェアをビジネスの主戦場にした判断はすばらしいものと言えるだろう。

 

そしてもう一度、ハードウェアで成功を収める


(Video:BlackBerry Mobile /YouTube)

現在、BlackBerry社の本体はハードウェア開発をしていない。中国のTCLにブランドを譲渡し製造されたAndroid搭載端末が日本でも販売されている。
昨年、大きな話題を呼んだ「BlackBerry KEYone」である。

発売当時、私も懐かしさから店頭で何度も触ったが、やはりハードウェアキーボードの使いやすさは出色だった。
なにより、これまでBlackBerryが意図して削ぎ落としてきた「BlackBerryらしさ」がTCLの手によって戻ってきているのが嬉しかった。

その第二弾として「BlackBerry KEY2」がまもなく発表される。
セキュリティ企業になったBlackBerryと、ハードウェア開発をするTCL。
餅は餅屋と言わんばかりの分業制にはなってしまったが、BlackBerryの全盛期に社会に出たiedge読者にとっては一見の価値ある「BlackBerryの復活劇」がこれから始まるだろう。

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