目覚まし時計にAlexaを搭載
iAVS16では、Amazon EchoのすべてのAlexaコマンドを行うことができます。イメージとしては、目覚まし時計にそのままAlexaを搭載したような形になっています。
目覚まし時計とAlexaといえば、Amazonがこのほど発売したAmazon Echo Spotがあります。Echo Spotは130ドルとiAVS16よりも少し安く、iAVS16とは異なり、タッチスクリーンとカメラを搭載しています。
これだけ聞くとiAVS16にとって不利なように思えるかもしれませんが、別の見方をすることが出来ます。
たとえば、性質上、寝室のベッドサイドに置くことが多いと思われるデバイスにカメラが搭載されていることを不安に思うユーザーは、確かに相当数存在します。
カメラが動作していなくても、睡眠中ずっとカメラが向けられていれば気持ちの良くないものであることは理解できます。
そこでiAVS16が、より目覚ましに特化したAlexaデバイスとして選択肢に入ってくるのではないでしょうか。
さらに、iAVS16は音質面にしてもAmazon Echoシリーズに劣ってはいません。目覚めに十分なパワフルな音量を誇ります。
また、Amazon Echoでは未対応のSpotifyプレイリスト再生による目覚まし機能も搭載しています。
デザインについては、際立った斬新さはない
iAVS16の外観を見ると、一昔前のデバイスのような印象を受けます。本体に対するディスプレイ割合の小ささ、サイバーテイストのテキスト表示などがそう思わせる要因でしょう。
大きさにしてもかなりオーバーサイズとなっており、これだけのサイズならば、携帯電話を置くドックがあってもよかったかもしれません。
ただ、このサイズのおかげで、非常に強力な音量が得られているのも確かで、デザインに強いこだわりがある人でなければ、大きさは気にならないでしょう。
なお、iAVS16のディスプレイ部分ですが、これが驚くほど使いやすいです。日付、天気、Wi-Fiの状態、アラーム情報に囲まれて大きく時間が表示されていて、瞬時に最低限必要な情報を得られます。
よく使う機能をボタンに集約 Spotify目覚ましも
iAVS16には14個のボタンがあり、プレイリストを起動したり、iHomeスマートプラグをオン/オフしたりすることができます。
その他に、Bluetoothペア設定ボタン、スピーカーフォンモードボタン、音楽再生用のフルセットボタン、同時に複数のものをトリガーするプログラム可能なボタン、Alexaのウェイクボタン、Alexaのミュートボタン、時計の底面のLEDの色を切り替えるボタン、そして当然のことながらスヌーズボタンと、よく使う機能がボタンに集約されています。
アラーム設定は、ほぼ完全にAlexaベースで行われます。たとえば「Alexa、平日の午前7時にアラームを鳴らして」と指示すると、Alexaアプリの「Alarm&Timers」に設定が追加されます。
アラーム起動中には、スヌーズボタンを押しても、Alexaに止めるよう指示しても、どちらでもアラームを停止できます。
iHomeアプリでは、Spotifyプレイリストとの同期によって、アラームの代わりに曲を再生することが可能です。
プレイリストからランダムに演奏するのではなく、リストの一番上にある曲だけが再生されますが、これはまだAmazon Echoでは対応していない機能です。
少々の欠点を挙げるとすれば、iAVS16はAlexaのESP機能がないため、ほかのAlexaデバイスに話しかけたつもりが、同時に作動してしまう可能性があることです。
ただ、これはほとんどのサードパーティー製Alexaデバイスに共通することであり、iAVS16のような寝室に置かれることを想定したデバイスではそれほど大きな欠点ではないかもしれません。
iAVS16は2018年3月現在、Spotifyの音声起動再生をサポートしていません。代わりに、SpotifyアプリからSpotify Connect経由で再生をリンクする必要があります。
iHomeによると、これは一時的な制限とのことで、Spotifyの音声起動再生は今後、数ヶ月のうちに実装されるとのことです。
目覚まし時計×Alexaにどれだけ価値を見出せるかがカギ
いかがだったでしょうか。iAVS16はすでに寝室にEcho Dotを置いている人にとっては代替するだけの価値があるかは微妙ですが、枕元にAlexaデバイスを置きたいという人にはかなり有用な選択肢かもしれません。
Amazon Echo Spotのようなスタイリッシュさはないものの、実用性を鑑みるとこの質実剛健さも魅力の一つであると言えるでしょう。
ただし、時間を知りたかったり、目覚ましをかけたかったり、その他の情報が欲しいときは、従来の目覚まし時計やスマートフォンを使えばいいとも言えます。
iAVS16はあくまで、寝室にAlexaを導入して目覚まし時計として使いたいと思っているユーザーに向けられたデバイスとなっています。
ただ、価格は150ドルと、目覚まし時計と考えると少々高めです。iAVS16のデバイスとしての魅力は、Alexa部分にどれだけ価値を見出せるかということに懸かっているのかもしれません。