高性能だが高価格がネック
LGのスマートオーブンLSE4617STは、定価3,700ドル(約400,000円)と非常に高価ながら、大変完成度の高い製品です。
電気オーブンに加え、本体上部には4口のIHコンロを搭載しています。ゆでる、焼く、ローストなど、料理のあらゆる局面をスピードアップさせる機能が満載です。Wi-Fi接続機能すら搭載しており、遠隔操作が可能です。
しかし、LG LSE4617STのスマート機能は、オーブンとしての基本性能を押し上げるものではなく、販売価格を吊り上げる結果をもたらしています。
価格面以外に関しては、LG LSE4617STは現状入手できる一般向け電気オーブンとして最高のものの一つであることに疑いはありません。次項で詳しく触れていきます。
重厚な外観、広々した内部
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他のLGのオーブンと同様に、LSE4617STはステンレス製の大きく重量感のある堂々たる外観をしており、すべてのコントロールは機器の前面に配置されています。
平らな天面には、4口のIHコンロと1口の保温ゾーンがあります。各コンロには、火力レベルを示すLEDが表示されます。多くの他のIHコンロとは違い、各コンロの位置は円ではなく十字で示されています。
LG LSE4617STのオーブンは約178Lの広さで、後壁に熱風循環ファンを内蔵しており、オーブン全体に暖かい空気を均等に配分するのに役立ちます。オーブンには、対流焼き、対流ロースト、スピードロースト、温め、耐熱皿自己洗浄、簡単洗浄、直火焼き、スピード直火焼きのモードが搭載されています。
ラックに関しては、2つの伝統的なオーブンラックに加え、簡単に料理を取り出せる引き出しタイプのラックを搭載しています。調理中の内部温度を追跡するために、対流ロースト設定で使用できる温度計もあります。
また、オーブンの下には、食べる準備ができるまで食べ物を熱く保つための温かい引き出しが付いています。
進化したものの限定的なスマートコントロール
Wi-Fiは、アプリからオーブンの機能の一部を制御可能です。以前のLG製オーブンでは、NFCを用いて通信していましたが、これはスマートフォンやタブレットをオーブンのすぐ隣に置いて操作しなければならない本末転倒さを生み出していました。
一方、LG LSE4617STはWi-Fi搭載のため、NFCよりも広い範囲(家の外など)からオーブンを制御できます。LGのアプリでは、コンロが使用中であるかどうかを確認したり、オーブンの温度を設定したり、時間を設定して電源を切るクックタイマーを設定したりできます。
しかし、Wi-Fi機能にはいくつかの問題があります。機能を使用するには、オーブンを自宅のWi-Fiネットワークに接続し、「リモートスタート」オプションを手動で選択し、オーブンの扉を開閉じてオーブンを遠隔操作することを認証する必要があります。
安全性のためにも、これは仕方がないことかもしれませんが、帰宅途中にふと思い出してスープを少し温めておくというような使い方はできません。
もしそのような使い方をするなら、家を出る前にあらかじめ設定する必要があります。また、すべてのオーブン設定にアプリからアクセスすることはできません。
少々の不便な点はあるものの、LG LSE4617STへのWi-Fi接続機能の追加は、スマートオーブンの進化といえるでしょう。
それほど便利になるものではなくても、より不便にさせるものではありません。ただしその分、価格は上昇します。
5分半で3Lの水を沸騰可能
LG LSE4617STは、基本的な調理性能においても非常に優秀です。例えば約3Lの水を沸騰させるのにかかる時間は、使用環境にもよりますが、約5分半ほどです。
なお、お湯を沸かしたり、急加熱させたりする際のブーストモードもありますが、ブーストモードと通常モードでは、あまり劇的な違いは感じられませんでした。
一方で、LG LSE4617STの調理性能として特筆すべきは、対流ロースト機能です。
ローストチキンを調理すると、皮はパリパリの黄金色、中の肉はしっとりといった具合に完璧にできました。 しかも、スピードロースト設定により、オーブンを予熱することなく約10分で2㎏の鶏肉を調理できます。
クッキーを焼く時も、LG LSE4617STは優秀です。熱風循環ファンのおかげで、むらなく焼き色が付きました。
全体的に、このオーブンは非常に優秀です。調理性能はしっかりしているし、Wi-Fi機能は過去製品よりも改善されています。
ただ、価格だけがネックになりますので、今後もう少し値下がりすれば、LG LSE4617STは現状最高のオーブンと言えることは間違いないでしょう。