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スマートホーム(スマートハウス)の記事
2018.02.23
2019.12.27

Googleアシスタント対応のスマート車輪 Electron Wheel

電動アシスト付き自転車に乗った経験がある方の多くは、その快適さに夢中になるかと思います。今回紹介するElectron Wheelは、前輪を付け替え、ペダルにセンサーを取りつけるだけで、電動アシスト・サイクルコンピューターの機能を自転車に与え、Googleアシスタントにも対応する「スマート車輪」です。

記事ライター:iedge編集部

Electron Wheelとは?

画像引用:https://electronwheel.com/

Electron Wheelは、2018年1月に行われた世界最大の家電見本市CES(Consumer Electronics Show) において大々的にプロモーションされたスマート車輪です。

元々は2017年に発表済みで、公式サイト上で799ドルの予約購入を受け付けており、2018年2月には正式に発売される予定となっています。

普段使っている自転車が、前輪をElectron Wheelに付け替え、センサーをペダルに取り付けるだけで、電動アシスト、アプリによるトラッキング、さらにはGoogleアシスタントによる音声制御を兼ね備えたスマート自転車に変身します。

Googleアシスタントによる音声制御は発売時点でまだベータ版とのことですが、すぐに実装される模様です。

スマートフォンのマイクを通して「OK Google、自転車の電源をつけて」と呼びかけると、Electron Wheelの起動が可能です。バッテリーの残量やアシストのレベル、心拍数や走行距離、速度の情報をはじめ、Electron Wheelアプリから得られる情報はすべて取得可能とのことです。

現在、欧州と米国での発売が決定しており、各国の電動アシスト自転車に関する法律に則したチューニングが施されるとのことです。例えば、米国では時速32km、欧州では時速25kmまでの速度で電動アシストが行われます。1度の充電で走行可能な距離は約80kmとなっています。

2018年1月現在、公式サイトの予約購入ページで選択可能な国は米国、カナダの2か国のみとなっていますが、今後の拡大が期待されます。

 

CES 2018でGoogleとの共同プロモーション ニューヨークからラスベガスまでのサイクルチャレンジ

CES 2018において、ElectronはGoogleの協力を得てElectron Wheelの大規模なプロモーションを行いました。CESが行われるラスベガスまで、ニューヨークから自転車で10日間4,500kmを走破するというものでした。

出発は2017年12月31日朝で、到着は2018年1月10日と予定されていました。ライダーに選ばれたマックス・リッペは、1日に17時間自転車をこぎ、見事ラスベガスのCES会場までたどり着きました。

リッペの後ろにはスタッフがバンで付き添い、6台のストックを次々に充電するなどのサポートが行われていました。

Electronのジェームズ・パーカー副社長はこのチャレンジに関して「我々はCESでの発表で、より効果的に新製品の能力を世にアピールするために、チャレンジを計画した。Electron Wheelの耐久性と走行能力を本当の意味で証明できるはずだ」と語りました。

米国2017年末、大規模な寒波が到来しており、リッペは行程中ほとんどの日で氷点下の中走り続けました。開発側が想定していたよりも過酷な環境でしたが、リッペ及びElectron Wheelは見事その中でも無事走り抜きました。

例えば初日の夜は氷点下5度で、リッペは7枚もの上着を着て走りました。雪や氷も路上に多く、大変苦労しましたが、3日目にはなんとか十分に走行できる路面状況に戻りました。

これらの過酷な環境下でチャレンジが成功したことは、Electron Wheelの耐久性を大いにアピールしました。

しかしながら、Electron Wheelには注意点もいくつか存在しますので、次の項で見ていきましょう。

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Electron Wheelの注意点

 

Electron Wheelの注意点

Electron Wheelは非常に魅力的な製品ですが、使用する際、いくつか気を付けるべき点もあります。

まず挙げられるのは、盗難のリスクです。Electron Wheelは約30秒で簡単に取り付けられることをアピールポイントとしていますが、それは同時に、簡単に取り外せることも意味します。

ロードバイクやクロスバイクの場合、簡単に車輪の着脱が可能なクイックリリース機構が搭載されているため、しばしば車輪の盗難が問題になっています。

Electron Wheelは通常の車輪よりも高価で、さらに目立つので、盗難のリスクが高いと推測されます。そのため、車輪ごとワイヤーロック等で固定する必要があります。

もう一つは、スマートフォン連携による「ながら運転」誘発の危険性です。

通常、サイクルコンピューターはスポーツタイプの自転車に取り付けられることが多いですが、Electron Wheelの場合、あらゆる自転車に簡単に取り付けられること、アシスト機能を有することから、これまでサイクルコンピューターに馴染みの薄かったユーザーも多いと考えられます。

スマートフォンで各種状況を確認できることから、ついつい走行中に確認してみたくなるかもしれませんが、「ながら運転」をしないように注意する必要があります。

 

今後日本国内での展開はあるか

これまでElectron Wheelについて紹介してきましたが、現在のところ、Electron Wheelの日本国内発売の予定は判明していません。

では、Electron Wheelを個人輸入して使用することはできるのでしょうか。

結論から言うと、米国仕様、欧州仕様ともにElectron Wheelを装着した自転車は、日本国内で自転車として走行することはできません。原動機付自転車の扱いとなり、ナンバープレートの取得等が義務付けられます。

自転車の電動アシストが許可されているのは、道路交通法によると時速24キロまでとなっています。Electron Wheelは欧州仕様でも時速25キロまでのアシストが可能なため、この制限を超えてしまいます。

残念ながら現状、日本国内で使用することのできないElectron Wheelですが、IoTの新たな流れを感じさせる魅力的なデバイスです。今後の国内展開の可能性にも、要注目です。

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