2021年5月20日Googleは公式ブログで「Google史上初の実店舗を2021年夏ごろに一般公開する」と発表しました。
この記事では、Googleの初出店に伴って現在公開されている情報と周囲の声をまとめてご紹介します。
なぜニューヨークにオープンするのか?
Googleストアの出店場所は、アメリカニューヨークのチェルシーです。
Google ストア チェルシーは、Google従業員11,000 人以上の大半が常駐する拠点に位置します。Google は過去 20 年間ニューヨークに拠点を置いており、このストアはニューヨークへの長年の取り組みの自然な延長線上にあると考えています。
出典:Google公式ブログ(邦訳)「NYC の新しい Google ストアへようこそ 」
世界経済の中心アメリカの、さらに都市部であるニューヨークを第一店舗に定めたことはある意味当然の流れかもしれません。
以前にもポップアップストアで実店舗を試みていた
今回の初出店以前に、Googleは実店舗化の実験的取り組みを行っています。
2016年秋、ニューヨークのMade By GoogleポップアップショップではGoogleの製品を実際に試せるスペースがありました。当時展示された[d] Google製品にはPixel、Google Home、Daydream VR等が挙げられます。
一方で2016年のポップアップショップでは、その場でGoogleの製品を購入することはできず、あくまでオンラインか、小売店に出向いて購入なければなりませんでした。
もちろん2016年のものは期間限定でした。2018年にGoogleストアのビルのフロアを購入し、ついに5年の時を経て、実店舗が完成するわけです。
ニューヨークの新しいGoogleストアでできること
商品の販売、受け取りができる
今回のオープンするGoogleストアチェルシーでは、その場でGoogle製品を購入できるほか、Googleのオンラインストアで購入した製品を受け取れます。
もしかするとAppleの新製品受け取りのように、ただ予約購入した製品を受け取るのではなく、お祭り気分で歓迎するような顧客体験を想定しているのかもしれません。
テクニカルサポートでユーザーの問題解決に
Googleストアチェルシーでは、訪問した人のお悩み相談と解決を手伝う専門家が常駐。Google製品の修理や、アプリのインストール、アップデート等ユーザーに関わる必要項目を可能とします。
今後Googleはハード製品へ拡大するに向けて、PixelフォンをiPhoneと対峙するほどのテクニカルサポートで顧客満足を高めるという意図も推察できます。
実際に試して買える?プレイブースの設置
2016年のポップアップショップではIKEA風のモデルルームを設置し、まるで家にいるかのような環境で実際にGoogleHomeやVRを試せるスペースがありました。
同様に、今回オープンするGoogleストアチェルシーもまたできるだけ購入した後をありありとイメージできるようなブースが設置されています。
これは、Dyson が実際の店舗で取ったアプローチを思い出させます。魅力的な環境で製品に触れてテストするために設計された店舗体験を備えた製品ショーケースとして使用しています。Best Buy や他の小売業者は、Google が多数の店舗をオープンすることを心配する必要はないと思いますが、実際の店舗が提供する体験がどれほど魅力的であるかについては、何かを物語っています。検索の巨人が時間の経過とともにどのように店舗デザインにアプローチするかを見るのは興味深いでしょう。
ヘッドカウント・コーポレーションCEOマーク・リスキー
Covid-19対策も万全
一日に数回消毒清掃、人数制限をとり感染対策もばっちり。しかも2021年5月頭の時点で、すでにニューヨークにいる成人の41%がワクチンを接種しパンデミックも終盤に差し掛かっていることを想定しているかもしれません。
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https://www.iedge.tech/news/16742/
Googleストア実店舗に対する海外の反響
賛否両論分かれる海外のコメントを引用します。
肯定的な意見
Google は、物理的な小売りに十分な速さで参入できません。競争を気にする必要はありません。物理的な小売りの実験室から得られる学びには、説得力があります。私は以前から「Explore + Experiment = Experience」というマントラを使ってきましたが、Google はこの言葉を独自の方法で開店について語っています。実店舗 + デジタル/電子商取引の錬金術を理解することは、テクノロジーの巨人にとっても小売業者にとっても重要です。ある時点で、小売業者と消費者の両方にとって、学習がすべてになります。
マーチャンダイジング メトリクスJeff Sward
否定的な意見
小売に関しては、Google が Amazon に対して戦略を立てるのに苦労していることは明らかです。Amazon が Google の検索を脅かしています。また、Amazon は、Google が Amazon の小売バリュー チェーンに参入するよりも簡単に、Google のローカル検索や地図の領域に参入することができます。
この実店舗をどうしたらよいかわかりません。それは、1 回限りの、中途半端な試みのようです。ある意味、これはマイクロソフトの小売りの試みを思い出させます。Microsoft と Google はどちらも、根っからの技術です。彼らは技術革新に取り組むことは得意ですが、消費者に対応することは得意ではありません。
VectorScient,Suresh Chaganti
まとめ
海外における反応は賛否分かれものの、今回の実店舗はGoogleにとって新たな挑戦であることは言うまでもありません。
今後はこちらのページ「store.google.com/Chelsea 」にて情報公開すると発表しています。
2021年5月執筆時点ではまだページ公開されておりませんでしたが、これから2店舗3店舗と拡大をしていけば、日本での実店舗オープンも待ち遠しくなりますね!