BOSEが「Quiet Comfort」の名を冠さないノイズキャンセリングヘッドフォンを発売して、2週間ほど経ちました(執筆時点)。
それがこの「BOSE NOISE CANCELLING HEADPHONES 700」。書くたびに思いますが、名前長過ぎなので以下は「NC700HP」で統一します。
Quiet Comfort 35 II(以下、QC35II)で初めて搭載された「AIアシスタント内蔵」の機能を継承しつつ、細かくいろいろとアップデートが行われた新機種です。
で、肝心の価格は、46,750円(税込・執筆時点)。
たっ、高くないですか? と思わず家電量販店で声が出てしまうほどですが、仕事柄、ワクワク半分・ドキドキ半分で買ってしまいました。
すでに開封レビューは投稿していますので、この新機種についてだけ詳しく知りたい場合はそちらをぜひお読みください。
で、今回の主題は「本当にQC35IIじゃなくてNC700HPを買うべきかどうか」です。
QC35 IIの価格は、40,700円(税込・執筆時点)。
その価格差、約6,000円です。ここまで出てきた金額が大きくて錯覚しますが、6,000円と言ったらそこそこいいヘッドフォン買えますから!
ついつい新機種に飛びつきがちな私たち。本当に、この6,000円も高い新機種を買うべきなんでしょうか。両方持っている私が検証してみたところ、いくつかの場合では「飛びつかなくてもOK」であることがわかりました。
では、それぞれの「買うべき」ポイントを見ていきましょう。
通話品質重視ならNC700HP!
6,000円の価格差を乗り越えてもNC700HPを買うべき一番の理由は、通話品質です。
上の画像でわかるように、NC700HPには前面に4つのマイクがついていてユーザーの声をきちんと拾ってくれます。
そして、それだけでなく「通話相手に届ける声にもノイズキャンセリングが効いている」のが最大のポイント。マイクで拾った声と、それ以外の騒音をきちんと分けてくれるので、騒がしいカフェや人混みの中からでも、NC700HPを装着したまま通話ができます。
スピーカーから雑踏の騒音を流した部屋から、NC700HPとQC35IIの両方で電話をかけてみる実験をしてみましたが、その差は歴然でした。NC700HPの場合、スマホを持って直接話すよりも声の通りが良かったんです。
なので、通話の機会が多い人ならNC700HPを買うには十分な理由を持っていると言えるでしょう。
外でAIアシスタントを使う場合もNC700HPがおすすめ!
NC700HPは、上の画像のように左イヤーカップのボタンを押すことでAIアシスタント(GooleアシスタントかAlexa)にアクセスすることができますが、ここでもマイク性能の高さが活きてきます。
先ほど「通話相手に届く声にもノイズキャンセリングが効いている」と書きましたが、それはAIアシスタントへの指令でも同じこと。周囲の雑音をカットしてユーザーの声だけをAIアシスタントに届けるので、かなり小さな声でも反応してくれます。
たとえば、街を歩きながら「渋谷駅までのルートは?」と聞いたり、カフェで仕事しながら「QUEENを聞かせて」と言ったりするとき、周りの人にはほとんど聞こえないような小声でも反応してくれるので、シャイな人にはぴったりです。
ノイズキャンセリングの柔軟性はNC700HPがちょっとだけ良い
まず断っておきますと、ノイズキャンセリング性能そのもの(ノイズを抑える性能)は、NC700HPもQC35IIも変わりません。少なくとも、僕は気づくことができませんでした。
NC700HPのほうが優れているのは、その柔軟性。
上の画像で押しているのが「ノイズキャンセリングボタン」なのですが、これを押すと、事前に設定した3つのノイズキャンセリングレベルを順番に切り替えてくれます。
QC35IIにも似た機能があるんですが、デフォルトではそのボタンがAIアシスタントの呼び出しに割り当てられています。なので、スマホアプリから操作することになるんで、使い勝手が悪いんですよね。
また、このボタンを長押しすると「会話モード」に入って、ノイズキャンセリングレベルがゼロになり、音楽が一時停止し、自分の声 と相手の声がヘッドフォンから聞こえるようになります。
ただ、そんな機能があることも、それをオンにしていることも相手には伝わらないのでさっと外して首にかけてあげるのがスマートでしょう。
実際、私はスターバックスのレジでこの機能を使ってみたとき店員さんがものすごく大きなジェスチャーをしていて申し訳ない気持ちになりました。
「質感」はQC35IIが断然上!