iPad向けの新OS「iPadOS 13.1」が配信されました!
これまでiPadはiPhoneなどと同じiOSを使用していましたが、画面の広いiPad専用とすることで、マルチタスク機能の強化など、よりパソコンに近い使い勝手を実現したとのこと。
さっそくインストールしてみましたので、個人的に気に入ったポイントをご紹介していきましょう。
インストールしたのは10.5インチの「iPad Pro」。
ウィジェットの表示でパソコンライクな画面に
iPadOSのインストール手順は、これまでのiOSアップデートとなんら変わることはありません。
インストールが完了しホーム画面を開くと、アイコンがこれまでよりも小さくなっており、画面に凝縮感があります。
左にスワイプして出していたウィジェットも同じ画面に表示されています。情報量が少し多くなっただけなのですが、これだけでもパソコンに進化したようなワクワク感を感じることができました。
目に優しいダークモード
iOS 13にも追加された「ダークモード」は、画面内のカラーベースを黒など暗めの配色にすることで、目の疲れを抑制する機能です。
まだ使い始めたばかりなので実感できていませんが、画面が黒基調になるので、少なくとも落ち着いた雰囲気となります。とりあえずは、ダークモードで使い続けようと思います。
ダークモードをオンオフは、「設定」もしくは、コントロールセンター(明るさを調節するバーを長押し)でおこないます。
「メモ」など一部のアプリは背景が黒になります。これは、病気などで視力に問題のある人には助かる機能です。
コピペがジェスチャーで可能に
これまでもテキストを範囲選択してコピペ(コピー&ペースト)は可能でしたが、3本指のジェスチャーでよりすばやくできるようになりました。
3本の指を内側に狭めてピンチインすると「コピー」、開くピンチアウトで「ペースト」となります。「取り消す」は、3本指で左にスワイプ。右にスワイプすれば元に戻ります(やり直す)。
慣れると、キーボードによるショートカットのような爽快感があります。メールの内容をスケジュールに転記するなど、コピペ操作は頻度が多く、かなり作業効率が向上します。
画面に直接触っているとはいえ、指のジェスチャーで画面を自在に操る、トム・クルーズ主演の映画「マイノリティ・リポート」の世界にまた少し近づいたような気もします。
3本指でピンチインすると、上部に「コピー」と表示されコピーされたことがわかります。
同じアプリを並べられるようになったSplit View
2種類のアプリを同時に表示・操作することのできるSplit View(スプリットビュー)は以前より搭載されていましたが、iPadOSでは同じアプリを並べることができるようになりました。
SafariとSafari、メモとメモ、同じアプリを並べることでデータを比較したり、情報をコピペしたりの操作が楽になったわけです。ただ、Apple以外のアプリでは同じアプリを同時に並べることができないこともありました(追々対応していくのでしょうが)。
「メモ」では範囲選択した部分を長押しでスライドさせれば隣の画面にコピペできます。
Slide Overでマルチタスク!
Slide Over(スライドオーバー)は、アプリ上に別のアプリを表示する機能です。
マルチタスク、わかりやすく言うと、WindowsやMacで普通にやっている、ウィンドウ作業ができます。Split Viewとの使い分けが微妙ですが、Split Viewががっつり並べて作業するのに対して、Slide Overはメインのアプリで作業している間に別のアプリをちょっと参照したいような時に便利です。
画面の下端を上にスワイプするとアプリが一覧表示されて切り替えられます。
ソフトウェアキーボードを小さくできる
iPadのソフトウェアキーボードが大きくて邪魔だと感じたことはないでしょうか。画面のかなりの面積を占めてしまいます。
iPadOSでは、キーボードを2本の指でピンチインすると小型化し、画面のどこにでも配置できるようになりました。
片手でフリック入力も楽々。これ、超いいです。
Safariでファイルがダウンロードできる
これまで、メールなどでデータファイルのダウンロードリンクが送られてきたもののiOSでは対応できず、パソコンを開いて作業することが多くありました。
iPadOSでは(iOS 13でも)、Safariでダウンロードリンクからのファイルダウンロードに対応しました。そのまま別のアプリでファイルを転送したり、クラウドに保存したりと、ほぼパソコンのように扱えます。
外部ドライブのサポート
外付けのUSBメモリーやSDカード、ハードディスクドライブを直接扱えるようになりました。これまでiPadがAndroidのタブレットに比べて劣っていた点がようやく改善したわけです。
ただ、筆者のiPad ProがLightning端子だからでしょうか。SDカードによって認識したりしなかったり……。USB Type-Cのモデルの方が安定して動作するのかもしれません。
直接SDカードのファイルが扱えるので、デジカメなどとの連携が容易になります。
マウス対応は発展途上?
iPadOSではマウスが利用可能になっています。障がいのある人のためのアクセシビリティ機能のひとつとして組み込まれたものですが、Smart Keyboardとマウスがあれば、かなりパソコンライクに使えますよね。立てかけたiPadに手を伸ばして触るより、手元のマウスの方が腕の負担は減りますし。
ただ、Appleの純正であるMagic MouseおよびMagic TrackpadはBluetooth接続に対応していないとのこと。
「えーっ!」感が否めません。手元にある他のBluetoothマウスで接続を試してみましたが、今のところ上手くいかず……。USB Type-Cなら有線マウスが使えるはずですが、あいにくLightning。こういった機能を考えると、やはりApple製品もUSB Type-Cへ移行すべきと考えざるを得ません。
「設定」→「アクセシビリティ」→「タッチ」→「AssistiveTouch」をオンにすると、円形のマウスカーソルが表示され、マウスで操作できるようになります(なるはずです)。
iPadをMacのサブディスプレイとして使う
iPadをMacのサブディスプレイ化できる機能がSidecar(サイドカー)です。
接続はUSB、無線ともに対応。特別なアプリをインストールすることなく、MacからAirPlayでiPadを選択するだけで使用できるのは大きなメリットになるでしょう。ただし、この機能を利用するには、Macを10月にリリースされる予定のmacOS Catalina(カタリーナ)にアップデートする必要があります。
iPadOSにより単体でもかなりパソコンライクに使えるようになったiPadですが、「やはりガチな作業はMacでやりたい」って時に、サブディスプレイになるのは無駄がない! 出張先などでの作業効率がアップするのは間違いないでしょう。
iPadの使用頻度が高まりそう
iPadに限らず、タブレットを買ったけど思ったほどは活用していない人も多いのではないでしょうか。スマホの画面は大型化していますし、タブレットは仕事用として使うには制限が多く、どうしてもパソコンに頼ってしまう。iPadOSの登場により、かなりパソコンに近い操作性が実現しました。もちろん、オフィスのパソコンに代替できるほどではありませんが、少なくとも日中の外出時はiPad1台でほとんどの仕事をこなせてしまえそうです。
それには、新しく登場したデバイスのように、いちから操作方法をマスターする必要がありますが、それだけの価値はあるはずです。