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スマートホーム(スマートハウス)の記事
2019.08.19
2019.12.18

Amazon Dash Button経由の「注文」も今月末で終了。代わりの手段は?

記事ライター:Yuta Tsukaoka

これを書いている前の晩、私のもとにショッキングなメールが届いた。
こんな内容だ。

Dash buttonをご利用のお客様

Amazonは、お客様の購入体験がより便利で簡単になるように、さらには購入する煩わしさを取り除けるよう、取り組んでまいりました。
Amazon Alexaに話しかけハンズフリーで商品を購入できる音声ショッピングや、商品の自動再注文サービス Amazon Dash Replenishmentの対応機器の数は世界で数百に上り、定期おトク便やバーチャルダッシュも導入してまいりました。

これらサービスが充実してきたことを踏まえ、2019年8月31日をもちまして、Dash Button経由での商品の販売を終了することに致しました

(後略)

今年の2月末に販売は終了していたが、その時のアナウンスでは「Dash Button経由での注文は引き続き可能」とあった。が、ここに来てついに引導が渡された形だ。

我が家には10個以上のDash Buttonがあり、妻も私も便利に使っていただけに正直かなりのショックなのだが、そう言っていても仕方がない。
Dash Buttonに代わる購入方法について確認しておこう。

Dash Buttonの代わりに使えるサービスは?

では、Dash Buttonの代わりに使えるサービスをいくつか紹介しよう。

バーチャルダッシュ

Dash Buttonにもっとも近い使用感なのが、このバーチャルダッシュだ。
その名の通り、デザインを踏襲したバーチャルなDash Buttonである。スマホやPCから注文することができ、Dash Buttonと同じようにタップするだけ(確定のためにもうワンタップ必要)で注文が完了する。

ただし、その商品を含めて合計2,000円以上にならないと注文できない「あわせ買い商品」の対象になるような低価格商品の場合、2,000円以上になるまでカートに入ったままで発送されない。

実は、Dash Buttonはこの「あわせ買い商品」の制限を受けない注文方法だった。
トイレットペーパーやティッシュ、柔軟剤といった低価格な消耗品のためにDash Buttonを使っていただけに、個人的にはかなり不便になった印象だ。

音声ショッピング

Dash Buttonの代替手段として次に思いつくのが、Alexa経由での「音声ショッピング」だ。

「アレクサ、トイレットペーパー買って」や「アレクサ、お米注文して」のような言葉で買い物ができるのだが、Dash Buttonとは購入できる品目に違いがあるようなので注意しよう。

詳しくは次に説明するが、食品や調味料・洗剤などでは「Amazonパントリー」専用商品があり、それらは音声ショッピングができないようだ。
何度か言葉を変えて「風呂用洗剤を買って」「(商品名)を買って」など試してみたが、「何も見つかりませんでした」と言うか、同カテゴリの別商品を薦めてくるか、という反応だった。

また、画面のないEchoシリーズ(Echo, Echo dotなど)を利用している場合、製品名を次々読み上げるだけなので注文しやすいとはいい難い。この機能を使いたいなら、Echo Show 5など画面付きのモデルがあったほうがいいだろう。

Amazonパントリー

Amazonパントリーは、割引価格で購入できたり、特別なキャンペーンがある代わりに390円の手数料を支払うことで日用品を1つの箱にまとめて届けてくれるプライム会員限定のサービスだ。

この場合、バーチャルダッシュにあるような「あわせ買い商品」の制限はかからないが、箱に商品を1つだけ入れても、満杯まで入れても390円の手数料は変わらないので、結果的にまとめ買いすることになる。

Amazon定期おトク便

定期おトク便は、商品ごとに1〜6ヶ月の周期を決めて届けてもらえるプライム会員限定のサービスだ。
Amazonパントリーのように手数料はかからず、通常価格の最大10%引きで購入できる。さらに、3つ以上の商品をまとめれば5%の上乗せ割引も受けられるので、確かに「おトク」なサービスである。

ただし、配送日は決まっていて毎月15日(ユーザーによって日付は変わるようだ)。これを変更することは出来ない。また、全ての商品を定期おトク便で購入できるわけではないことにも注意が必要だろう。
Dash Buttonのように、「最後の1つが無くなったらボタンを押しておく」というような使い方はできないのは不便だ。

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「自動注文」も

さらに1歩進んだ「自動注文」も

ここまでに説明してきたのは、Amazonプライム会員なら誰でも利用できる代替サービスだったが、正直、Dash Buttonの使い勝手を再現できているとは言い難い。

まだまだ限られた商品でしか利用できないが、Amazon Dash Replenishment対応した製品では自動再注文が可能になる。
言葉の通り、補充(Replenishment)のためのサービスだ。

上でも画像で例示した「G.U.M PLAY」は、専用のガジェットと組み合わされた歯ブラシで、利用状況をもとに交換時期を自動で検知し、ユーザーの操作なしに再注文してくれる。

他にも、PHILIPSの電動歯ブラシ、ウォーターサーバー、面白いところではおやつを投げる機能のあるペットモニターも、Amazon Dash Replenishmentに対応している。

また、より汎用性の高い製品として、事務用品メーカーの「PLUS」が提供している「スマートマット」もある。

上に置いた製品の「重さ」を検知して、一定以下の重量になると自動再注文する製品だ。

PLUSの製品にしか対応していないので、オフィスや店舗での利用が前提だとは思うが、より汎用性の高い ――たとえばストックのミネラルウォーターなんかでも利用できるようになれば、かなりDash Buttonに近い感覚で利用できるようになると思う。

さようなら、Dash Button

Dash Buttonの終了にともない、いくつか代替の注文方法を紹介してきたが、どれもDash Buttonの使い勝手には及ばない。

ボタンを押しさえすれば、特に制約なく決まった商品が翌日か翌々日には届く。
この便利さを捨てたAmazonの思惑は、言うまでもなく売上の向上のはずだ。まとめ買い、定期便、そしてAmazon Dash Replenishment対応製品への買い替え。

個人的にはAmaoznサービス全体の改悪に見えてしまい、残念な限りである。
せめて、Amazon Dash Replenishmentに対応した商品やサービスが増えていくことを祈ろう。

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