スマートホーム(スマートハウス)の記事 2019.05.22
【賃貸OK】実例でわかる・すぐできる自宅IoT! vol.4 ― 家電操作編 ―
賃貸住宅に住む筆者が、自宅をIoTホーム化するにあたって用意したガジェットや、それらを設置する上での注意点をまとめたシリーズ記事の4回目は、スマートIRリモコンとスマートプラグを使った家電操作について解説しよう。
初回では、IoTホーム化を目指すためにまずは気をつけなくてはいけないこと、2回目と3回目ではスマート電球(スマート照明)について扱ってきた。ついに、照明以外のIoT化に手を付けるということだ。
では、さっそくやってみよう。
まずは自宅にある家電でIoT化できるものを棚卸し
家電をIoT化する方法はいくつかあるが、比較的小さな投資で実現可能なのがスマートIRリモコンとスマートプラグを使った方法だ。
ではまず、自宅にある家電類から「リモコンで操作できるもの」と「プラグの抜き差しで操作できるもの」を抜き出してみよう。
以下が、私の自宅で作ったリストである。
<リモコン操作ができるもの>
・エアコン(リビング・仕事部屋)
・テレビ(リビング・寝室)
・サーキュレーター(リビング)
・オイルヒーター(仕事部屋)
・ロボット掃除機(リビング)
・シーリングライト(リビング)
<プラグの抜き差しで操作できるもの>
・水槽のフィルター(仕事部屋)
・水槽の照明(リビング)
・サーキュレーター(仕事部屋)
注意してほしいのが「プラグの抜き差しで操作できるもの」だ。たとえば、私の自宅では冬場のホットカーペットもプラグの抜き差しでオン・オフが可能ではあるが、電力が高いため火事の危険があるのでリストからは外してある。
購入する予定のスマートプラグによって出力の上限が規定されているはずなので、事前にオンラインで説明書を見るなどして確認しておこう。
また、家電の方にも「電源を切ってからコンセントを抜く」ように指示されているものがあるので、そちらも要確認だ。
スマートIRリモコンを設置する位置を決める
スマートIRリモコンとは、名前の通りIR(赤外線)信号を送る装置だ。要するに、いわゆる「リモコン」と同じである。なので、基本的には装置から見通しがきく(障害物なしで直線で結べる)位置にあるものしか操作できない。
そこで我が家のリストを見返してみると、テレビが寝室とリビングにあるが、両者の間には壁があるためリモコン信号は届かない。これはどちらかあきらめたほうが賢明だろう。
一方、エアコンもリビングと仕事部屋の両方にあるが、どちらの部屋にも他にリモコン操作ができる家電が複数あるので両方に設置しても良さそうだ。
と、検討した結果がこのシリーズ記事で何度も登場している以下のイラストである。

スマートIRリモコンを設置した位置。スケッチではつながって見えるが、リビングと寝室の間には小さな壁がある
結果として、めったに使わないテレビがあるだけの寝室はあきらめて、リビングと仕事部屋に設置した。
ちなみに、購入したのは「Nature Remo」だ。これについて詳しい使い方は別の記事になっているので、そちらに譲ろう。
次に決めるべきは設置場所である。
上のリストに挙げた「リモコン操作可能な家電」のどれにも直線で結べる位置(間に障害物がない位置)に設置する必要がある。おそらく、ほとんどの家庭では部屋の隅、天井付近になると思われる。
Nature Remoはそれを想定して、かなり長めの給電用USBケーブルを用意してくれているのもありがたい。

寝室とリビングを隔てる壁に設置したNature Remo(中央付近、左側の四角い装置)。右の丸い装置についてはいつか紹介しよう(撮影/筆者)
スマートプラグを設置する
次に、スマートプラグの設置だ。私の自宅では、リビングと仕事部屋に設置した。
リビングでは水槽に設置している照明のオン・オフ、仕事部屋ではサーキュレーターと水槽のフィルターのオンオフに使っている。

仕事部屋で飼育している熱帯魚・ベタ。泳ぎが下手で水流に弱い(撮影/筆者)

スマートプラグの写真を撮りたかったのだが、奥深くに隠しすぎていて断念。そのくらい奥まった場所に設置しても2.4GHz帯の電波なら届く
スマートプラグは、AIスピーカー経由で音声操作ができるのも大きな利点だ。だが、タイマー機能も優れている。たとえば、リビングの水槽は7時〜9時と18時〜22時だけ点灯させて管理している。
さらに、もう少し複雑な設定も可能。仕事部屋の水槽フィルターは泳ぎの苦手なベタを飼っているので「一度オフにしたら5分でオンにする」という設定をしている。餌をあげるシーンを想定してのことだ。
まとめ:自宅の家電を棚卸しして、間取りを考慮しながら利用シーンを想像する
スマートIRリモコンとスマートプラグがあれば、多くの家電が操作できる。もっと多くのものを操作しようと思ったら、スマートスイッチャーを考えてもいいかもしれない。風呂の追い焚きボタンが押せるようになっていると便利だろう。
いずれにせよ、家電操作を考える場合にはまず「自宅にある家電類の棚卸し」をして、さらにスマートIRリモコンの信号が届く範囲を知るために「間取りを確認」した上で、「利用シーンを想像」しながら計画を練るといいだろう。
本シリーズ最後の記事となる次回は、実際に我が家で使っている「自動化設定」について触れることにしよう。

フリーのライター・編集者・プランナー。
ウェブメディアのプランニングと編集を軸に、記事執筆などの仕事もしています。趣味を仕事にしてしまいました。
得意分野はガジェット、AI、IoT関連。過去に、SNSマーケティングの専門メディア「kakeru」と、おでかけ情報メディア「Pathee Epic」の編集長をやってました。
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