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ニュース 2019.05.15

監視カメラやウェアラブルだけではない。注目を浴びる、新しい分野のIoTとは?

記事ライター:iedge編集部

日本でIoTというと、監視用のWebカメラやウェアラブルデバイスのイメージがある。あるいは、第四次産業革命(Industry 4.0)、自動運転、MaaSといったトレンドのキーワードとなっている。いずれにしろ、国内でのIoT応用事例は、製造業や大企業向けの市場が先行している。

もちろん、新しい技術がBtoBから始まり、徐々にBtoC、BtoBtoCに広がっていくことは、テクノロジー製品の一般的なストーリーでもある。世界に目を向けてみるとIoTの分野で、BtoC、BtoBtoCの動きが活発になってきている。IoT(Internet of Things:モノのインターネット)の名前が示すとおり、この技術は本来、あらゆるモノ、人々の日用品に広がってこそ本物となる。

2019年、北米ラスベガスで開催されたCESでは、この動きをダイナミックに見ることができた。

IoTやコネクテッド機能により、テレビやオーディオのような新技術をアピールしやすい家電より、エアコン、冷蔵庫、オーブン、照明、ドアホン、バスタブや洗面台といった白物家電や住宅関連機器の展示が目立っていたくらいだ。

この他にも、BtoC、BtoBtoCに向け、数多く出展されて目を引いた分野が、「ホームガーデニング」だ。

いくつか紹介をしよう。

中国の「PlantBox」は、スマートプランター。子ども用からオフィス用まで幅広いスマートプランターを揃えている。

フランスの「URBAN CANOPEE」は、植物フレーム。フレームに沿って植物が成長し、センサーを用いて制御が可能。また光合成を促すことで空気をクリーンにすることもできる。

日本では、まだIoTの利用が浸透していない分野ではあるが、CESでの盛り上がりから、ビジネスの可能性を見出す企業が数多く存在することがわかった。

では、実際の北米IoT市場はどうなのか。

今回、「edn」というIoTを利用した室内用の植物栽培キット(SmallGardens)を販売しているベンチャーの創業者にインタビューすることができた。ednは、ネット通販など主にBtoCをビジネスモデルとしている。

edn:北米で広がるホームガーデニング市場に参入

ednの創業者ライアン・ウォルツ氏に話を聞いた。

―日本にも水耕栽培による野菜工場などはありますが、SmallGardensのような家庭向けの製品はあまり見かけません。どんな製品か説明いただけますか。

ウォルツ氏:形状はオフィスや室内向けの小さいプランターに取っ手をつけたものとなります。取っ手部分にLEDライトがついており、スマートフォンのアプリで植物の育成に最適な照明をコントロールします。現在提供している植物は、各種ハーブ類、鑑賞用パプリカ、トマト、オジギソウなどもあります。プランター部分の「ポッド」には専用の肥料などを配合した特殊な土がセットされ、種はその中に埋まっています。水はポッドの下に入れておき、減ってきたら補充するだけです。

―非常にシンプルですね。

ウォルツ氏:はい。育てるのも簡単です。そのために、専用の土の開発、肥料などの調整、種の選別などに力を入れています。種の発芽率については厳重に管理し、だれでも育てられるようにしています。米国には、類似の室内用の栽培キットはたくさんあるのですが、芽がでない、枯れてしまう、といったことが問題でした。

―米国では、室内で植物を育てる市場というのは大きいのでしょうか。

ウォルツ氏:ある調査では北米では約77%の世帯が何らかの植物を家庭で育てているとしています。ホームガーデニングの市場は4200万世帯の規模だといわれています。この市場には、アーバンガーデニング、フラワーガーデニング、インドアガーデニングの3つがあります。アーバンガーデニングは、食用の野菜やハーブを育てるものです。市場規模は、アーバンガーデニングで320憶ドル、フラワーガーデニングで390憶ドル、インドアで360憶ドルという数字があります。

IoTで潜在市場を開拓

―SmallGardensはどのあたりをターゲットしているのでしょうか。

ウォルツ氏:3つのどれかを狙ったものではありません。自分もそうでしたが、大学に入学して都市部にでてきたときやそのまま就職したときに住んだ都会の家には、実家のような庭がありませんでした。マンションなどに緑がほしいと思うことがあり、SmallGardensを開発しました。実はこのようなニーズは、さきほどの確立されたガーデニングのセグメントにはなかったものです。都市部にでてきて、ガーデニングなど植物に興味がありながら、アパートやマンションで諦めていた比較的若い世代の、潜在的な市場を開拓したのです。SmallGardensのような市場は、6年ほどで600%ほど成長しているのです。

―LEDライトの制御をするだけなら、IoTとしてクラウドに接続しなくてもいいように思えますが。

ウォルツ氏:SmallGardensのアプリはLEDのON/OFFを制御したり、スケジュールしたりするだけではありません。サービスの背後には2つのサーバーが控えています。ひとつはスマートフォンのアプリを経由してSmallGardensを制御するサーバーです。もう一つは、LED制御のパターンや成育状況などをデータベースに保管して、機械学習で分析するためのサーバーです。収集し、解析したデータはLEDの制御や専用土の改良など製品の改善に役立てています。

―ednのこれからの製品プラン、海外展開について教えてください。

ウォルツ氏:現在はネット通販やインスタグラムを利用したPRなど、BtoCのビジネスがメインですが、今後はオフィスや学校、ホテル、介護施設などへの展開を考えています。そのためにもう少し大きい製品も開発中です。オフィスなどで植物を育てるには、意外とコストがかかります。SmallGardenは手間がかからないので、オフィスでの植物の維持コストが月額100ドル節約できたという例もあります。

海外からの引き合いも増えています。ドイツ、ロシア、スペイン、サウジアラビアといった国で人気があります。ロシアやサウジなど、比較的植物が育てにくい環境ともいえるので、室内で手軽にハーブや野菜、花が育てたいというニーズがあるようです。日本やアジア地域は、まだこれからですが考えていきたいと思っています。

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