すっかり市民権を得たどころか主流にすらなりつつある完全ワイヤレスイヤホン。
ヘッドフォンのほうが好きだとか、耳の穴が大きくてサイズが合わないことが多いとかいう理由であまり積極的には使ってこなかった私が、友人のすすめで購入した「SENNHEISER MOMENTUM True Wireless」だ。
前編では「イヤホン」としての機能に着目して紹介してきたが、後編ではその他の機能 ーー主にAIアシスタントとの連携を中心に、使い勝手を紹介してみようと思う。そして最後に、ちょっとした不満も。
右耳タッチでAIアシスタントを呼び出す
ただの「音のいいワイヤレスイヤホン」であれば、iedgeで紹介しようとは思わなかっただろう。しかしこうして筆を執ったのは、ここがポイントだった。
SiriやGoogle アシスタントといったAIアシスタントにも対応しているのだ。以下のスクリーンショットは左右のタッチパネル(イヤホン本体の表面をタッチすることで操作可能になっている)の機能割当だ。
右耳を1度タッチすることでAIアシスタントを呼び出すことができることがわかるだろう。
街を歩きながら右耳を一度タッチして「ここから渋谷駅までのルートは?」と聞けば電車の乗り換えルートを教えてくれるし、私のように自宅で仕事しながら使っているユーザにとっては「デスクライトをオンにして」とか「エアコンをつけて」というような使い方も便利だ。
ビジネスパーソンのためのイヤホンとして
AIアシスタントを使えることからも分かるように、本体にマイクが内蔵されている。
つまり、電話やオンラインミーティングでも使うことができるというわけだ。私の場合は仕事柄、打ち合わせはほとんどオンラインで済ませているのでありがたい。向こうの声が聞こえやすいのはもちろん、こちらの声も通りやすいようだ。
また、外の音を取り込む「Transparent Hearing」という機能もビジネスの場では使い勝手がいい。
ノイズキャンセリング機能はないが、耳栓のように遮音性の高いデザインなので普通に使っていると外の音はほぼ聞こえない。しかし、この機能をオンにすればオフィスで声をかけられても聞き逃すということがないだろう。また、私のように自宅で働いていると、宅急便が届いた呼び鈴に気がつけるのはありがたいものだ。
細かいところでは、電車での車内アナウンスを聞き逃さずに済むのも助かる。
それでも「Zolo Liberty +」をおすすめしたいポイントもある
前編で書いたように、私にとって「MOMENTUM True Wireless」は2台目の完全ワイヤレスイヤホンだ。
この前に使っていたのはAnkerの「Zolo Liberty+」で、音の迫力が足りないという理由であまり使わなくなってしまった。また、イコライザアプリなどもなく、操作も本体のボタンを押す仕様なので、操作のたびに耳に押し込むような感覚があり好きになれなかった。
しかし、いいところもある。逆に言えばMOMENTUM True Wirelessに足りないところが。
それは電池持ちだ。Zolo Liberty+はイヤホン単体で3.5時間、MOMENTUM True Wirelessは4時間と、これだけ見るとむしろ逆のように思えるかもしれないが、ケースへの充電容量が桁違いなのだ。
具体的には、前者はケースの充電容量を合わせると48時間使用可能で、後者は12時間となる。
もちろん、どちらもイヤホン本体の充電が切れればケースに戻してケースから充電をしなくてはいけない。そのケースによる充電可能時間が5倍ほど違うということだ。
実はどちらもAIアシスタントの起動と周辺音の取り込みには対応しているが、ここが決定的に異なる。
音をとるか、充電容量をとるかの二択というわけだ。
たとえば、出張の多いビジネスパーソンであればZolo Liberty+のほうがいいだろう。1日に6時間使ったとしても1週間の出張ならばケースの充電は不要ということになる。一方、MOMENTUM True Wirelessであれば基本的には毎日充電したほうが安全だ。
ここはやはり、バッテリーには一日の長があるAnkerに軍配が上がってしまうだろう。
とはいえ、今いちばん自信をもっておすすめできる製品
と、最後にはMOMENTUM True Wirelessの不満も書いたが、今、完全ワイヤレスイヤホンを探しているという友人がいれば確実にこれを薦めると思う。
音の良さ、デザイン、使い勝手のレベルが非常に高いのでバッテリー容量については許容範囲だ。ただ、毎日充電すればいい。充電ケーブルもUSB-Cを採用しているので、他のガジェットから使い回しが可能だろう。
価格は少々高いが、完全ワイヤレスイヤホンを試してみたいという読者にはぜひこちらを購入してほしい。最初で最高の製品になることは間違いない。