9月26〜27日に開催された旅行業界の国際カンファレンス、Skift Global Forumにおいて、ヒルトンホテルのクリストファー・ナセッタCEOが、2018年中に「スマートルーム」を導入予定であると発表しました。
ヒルトンホテルの「スマートルーム」では、サーモスタットで室温が自動調整され、NetflixやHuluのアカウント情報から自動でおすすめのテレビ番組を視聴でき、好きな銘柄のビールをいつでも冷やしておけるとのことです。
同社はすでに、アプリを利用した宿泊客向けの地域情報発信サービスを提供しています。また、マリオットホテルは2014年から同様のアプリを提供しています。
ホテルのスマート化はすでに各地で進んでいます。スターウッドホテルは2016年にタブレット機能を備えた「スマートミラー」を、ザ・ペニンシュラシカゴではタブレットを全客室に提供しました。スターウッドのサービスには、ヒルトンの計画と同様に、自動テレビチャンネルとサーモスタットといったスマートホームの要素も含まれています。
ホテル客室で利用することのできる多彩なハイテクオプションは、音声機能を中心に展開されています。そのため、マリオットやウィンリゾートなどのホテルでは、Alexaなどデジタルアシスタントをホテルの部屋に設置しています。
これらの動きは急速に成長するAirbnbのような代替宿泊施設への対抗策と見られています。ニューヨーク大学の調査によると、一部のホテルでは、利用客の民泊への移行から生まれる損失を補うために追加料金を徴収しています。2017年には27億ドルの追加料金が発生すると予測されています。
ナセッタ氏は、ヒルトンはレジャー旅行者に比べ、ビジネス旅行者向けサービスに焦点を当てているとしており、株価が記録的高値を見せていることから、ヒルトンの企業価値が高まっていることも指摘しています。
会見でナセッタ氏は、「我々は安価な代替品ではなく、プレミアムな代替品になろうとしている」と付け加えました。