「Capgemini」研究所の2018年の小売報告書によると、これまでに4分の1以上の小売業者がAIを導入しています。2017年からのAI導入数は17%増加し、2016年からは7倍に増加しました。しかし、このAIの技術成長にもかかわらず、小売業者の1%しか、バリューチェーン全体でAIの採用を拡大しているところはありません。企業が既存の展開の規模を拡大する場合、小売業におけるAIの機会は3,000億ドルを超えることになります。
AIの普及率に関して先導している英国は、39%の小売業者が既にAIを使用しており、ドイツの29%、米国の25%を大きく上回っています。
英国でAIを採用している企業のうち96%が、顧客からの苦情の減少による恩恵を受けていました。英国のスーパーマーケットチェーン「Morrisons」は、個々の店舗レベルまでの需要を予測するために、さまざまなデータセット(天気パターン、祝日など)を分析するためにAIを導入しました。その結果、商品棚のギャップは30%減少しました。しかし、これらの有望な結果にもかかわらず、全世界の10%未満の小売業者しか、AI技術を使用することによる顧客満足度の向上、および顧客の苦情の減少を期待してはいません。
調査した小売業者の4分の3は、自分の組織で仕事をAIに置き換えていないことを明らかにしまし、失業者は25人以下になっています。一方、71%の小売業者が、AIが今日雇用を創出していると答えており、その雇用はシニアレベルで3分の2以上(68%)を占めています。
わずか1パーセントの小売業者が、AIをマルチサイトまたは本格的な導入をしています。「Capgemini」によると、小売業者は、バリューチェーン全体でAIアプリケーションを拡張すると、将来的に3000億ドル以上を節約できるとしています。
AIの規模が小さい理由は、より複雑で収益の高いプロジェクトに焦点を当てていることが原因です。 また、これまでの展開では顧客の使いやすさにも焦点が当てられていませんでした。
「Capgemini」のGlobal Consumer ProductsおよびRetail Sectorの副社長、Kees Jacobs氏は次のように述べています。
世界の小売業者にとって、テクノロジーが達成できることと、そこに到達するために必要なことの両方の観点から、現実的にAIに関して惹起されているようです。もちろん、展開と拡張が次の大きな目標になるでしょうが、小売業者は、顧客の経験を考慮することなくROI値を追いかけないように注意する必要があります。
長期的なAIの成長とそれがもたらすすべての利点を達成するには、これら2つの要素に同等の重みを付ける必要があります。
(画像引用:https://internetofbusiness.com/ai-adoption-in-retail-report/)