革新的な技術や製品が多数披露され、議論された今年のMWC Americasにおいて、「AT&T」は、セルラーLPWAネットワーク全体に展開するための、MNOグレード統合SIM開発について、大変興味深い発表をしました。
「Altair」のセキュリティ技術責任者であるAvishay Shraga氏は、IoTデバイスメーカーが統合SIMの導入について、期待している5つの理由を提示します。
1、サプライチェーンを簡素化
今日のデバイスメーカーは、サプライヤーが誰であるかを理解する複数のモジュールおよびSIMベンダーを買いとり、モジュールと物理SIMの両方をマザーボードに設計する必要があります。また、より多くのサプライヤーと協力するには、より多くの統合が必要にもなり、製造プロセスの複雑化、開発遅延にもつながります。統合SIMにより、デバイスメーカーは単一のベンダーから両方の製品を入手でき、開発プロセスは簡素化され、市場投入までの時間を短縮することができます。
2、デバイスの小型化
今までは物理SIMがボード上に設計されていたため、追加のコンポーネントと回路が必要であり、スペースも取っていました。統合SIMでは、開発者がデバイスに別のコンポーネントを追加する必要がないため、より緊密な統合と小型デバイスが可能になります。
3、消費電力の改善
モデムとSIMの統一された電源管理により、開発者は両方がアクティブなときに同期し、電力を非効率的に消費している時間を最小限に抑えることができます。
4、コスト削減
従来の物理SIMおよびモデムのセットアップで必要とされる追加のコンポーネント、ソケット、回路を必要としないため、材料費が大幅に削減されます。
5、高いセキュリティレベルの維持
統合SIMは、物理SIMと同じグレードのセキュリティを提供するハードウェア要素を有する様々なモジュールにSIM機能を埋め込んでいます。
結論
他のプレーヤーがまだ計画段階にある中、IoT戦略をサポートする実際の製品を発表した「AT&T」は、マーケットにおける強いリーダーシップを発揮しました。
統合SIMの導入により、開発プロセスの簡素化、コスト削減、デバイスのパフォーマンスの最適化がなされます。これにより、携帯電話のIoT市場は、より多くのデバイスメーカー、特にセルラーの専門知識を持たない小規模なOEMにも広がり、製品SKUが簡素化されていくでしょう。IoT携帯電話のゲームチェンジャーになりうる、統合SIM に注目です。
(画像引用:https://www.iottechnews.com/news/2018/oct/17/integrated-sim-will-be-a-gamechanger-for-cellular-iot/)