フランスの海運会社であるCLS社は、139億ドルを費やした小型人口衛星20機の打ち上げを計画しているといいます。これにより、海上からでもIoTデバイスに接続することが可能になります。
カナダのKepler Communications社やオーストラリアのFleet社、スイスのAstrocast社など、小型衛星事業を行う企業の台頭に伴い、CLS社は投資家から資金調達を果たし、新たに子会社としてKineis社を設立しました。
CLS社は、約20万艇に搭載され、CNES(フランス国立宇宙研究センター)のネットワークによって接続されているIoTサービスの運用をKineis社に移転したといいます。
これにより、CLS社やCNESにおいて、ヨーロッパやアメリカ、インドの人工衛星に頼っていたArgosネットワークの監視は必要なくなるといいます。
「多くの新しい市場が誕生しており、CLS社は問題に直面していました。特にIoTビジネスに関して、我々のそのニーズに応えられていません。だからこそ、CNESのサポートのもと、よりパフォーマンスの高い衛星コンステレーションの開発に着手したのです」とKineis社代表のTisserant氏は語ります。
Kineis社が計画する衛星コンステレーションは従来のArgosネットワークと異なり、2方向間での通信が可能で、最新かつ低コストのチップセットが利用できるようになるといいます。
同社は2021年に25kgのキューブサット(キューブ状の小型人工衛星)を16ユニット軌道上に乗せる予定です。また、人口衛生は軌道上で4年間、運用できるように設計されており、推進機能も搭載されます。
Tisserant氏によると、同社はThales Alenia Space(タレス・アレニア・スペース)社との契約を1ヶ月後に完了させることで、人工衛星技術の向上をはかるといいます。
さらに、フランスの航空宇宙会社であるNexeya社とSyrlinks社がそれぞれ、キューブサットバスと計器類を提供予定となっています。
CLSが培ってきた30年間の経験により、Kineis社はスタートアップの域を超えた企業に成長していると同氏は語ります。
Tisserant氏は「市場参入までの重要性を考えれば、これは大きなアドバンテージだと私たちは思っています。そして今、我々が成し遂げなくてはいけない課題は、このアドバンテージが投資家たちにとって、利益のあることだと納得させることなのです」と述べます。
なお、衛星打ち上げ会社に関しては、現在まだ未定だといいます。