GoogleでAIと検索部門の責任者だったジョン・ジャナンドレア氏がAppleへ移籍するという話題は本サイトでも4月に取り上げましたが、この度Appleより、ジャナンドレア氏の入社が正式に発表されました。
ジャナンドレア氏は今後、Appleの機械学習部門、Siriチーム、Core MLチームを指揮する予定です。
Core MLは2017年に発表された機械学習APIで、AppleのネイティブAIタスクや、AI対応のアプリケーションやサービスをiOSデバイスでより効率的に実行するために立ち上げられたプラットフォームです。
ジャナンドレア氏の正式な肩書は、「Chief of Machine Learning and AI Strategy(機械学習とAI戦略のチーフ)」となります。
Appleは企業全体として、明らかにAI部門を強化していく方針をとっています。先頃米国でのユーザー数がSpotifyを上回ったApple Musicは好調ですが、音楽配信サービスともはや切り離せない関係になっているスマートスピーカーHomePodの発売に際して、音声アシスタントSirがAmazonやGoogleなど競合のものと比べて音声認識やレスポンス面で劣るといった意見が続出しました。
これまでユーザーのアクティビティ履歴のフィードバックを重視してこなかったとともに、研究論文の発表も禁じていたAppleは、AI研究において互いに膨大な利用データをもとに改良させていくGoogle、Facebook、Amazon、Microsoftから大きく差をつけられています。
しかし、Appleは2018年になって、Siriの開発技術者を大量に採用し、ジャナンドレア氏もリクルートし、社員の論文発表も解禁するなど、活発な動きを見せています。
ジャナンドレア氏をトップに据えたAppleは今後、加熱するAI開発競争において、大きく広がった差を埋めることが果たして可能なのでしょうか。今後の動向から目が離せません。
(画像引用:apple.com)