スピーカー機器の製造、販売を手掛けるSONOSは7月6日、米国証券取引委員会へ株式公開を正式に申請しました。
2002年の設立以来、高品質なスピーカーをリリースし続け、欧米市場で人気を集めているSONOSは、スマートスピーカー市場でも存在感を見せつつあり、音声アシスタントの開発元ではない立場を活かして、AlexaとGoogleアシスタントを同時に搭載したスマートスピーカーを発表するなど、精力的な商品開発を続けています。
株式公開にあたって提出された書類によると、SONOSは3月31日時点で世界中で約690万世帯に1900万個の製品を販売しており、1世帯当たりの複数製品所有率が非常に高いのがSONOS最大の強みであるとしています。
これは、SONOSデバイスを1つでも購入したユーザーは今後もSONOSデバイスを購入し続ける可能性が高いということを示しており、同社が行ったアンケートによると、SONOS製品を購入したユーザーの約80パーセントが「より音楽を聴くようになった」と回答しています。
また、提出書類では、SONOSの最近の財務状況についても触れられています。2017年10月から2018年3月末までの6ヶ月間で、SONOSは6億5570万ドルを売り上げ、1310万ドルの純利益を計上したようです。
2017年全体を見てみると、前年比10%増の9億9250万ドルで、1420万ドルの純損失を計上しています。これは2016年の3820万ドルの純損失からするとだいぶ改善されていますが、まだ黒字には至っていません。同社はまた、売り上げの55%が米国外でのものであることも発表しています。
SONOSによると、現在のビジネスモデルは、Spotify、Apple、Amazonなどの他のサービスやパートナーとの統合に強く依存しているとのことです。
例えば、Sonos OneとSonos BeamにAlexaを搭載するAmazonとの協力関係は、Amazonの一存で終了することも可能なようで、現実的にあまり考えにくいことですが、AmazonがSONOSとの契約を突然打ち切れば、経営に多大な影響が出る可能性も否定できません。
SONOSは、2018年4月に株式上場に向けての最初の申請書類を提出したようで、ウォールストリート・ジャーナルによると、その市場価値は25億〜30億ドルと推定されています。