米Appleが音声アシスタントSiriの開発エンジニアを大量に採用していることが3月30日、Thinknum社の調査によって明らかになりました。
近年、スマートホーム業界のみならずテクノロジー業界全体で音声アシスタントが大きなトレンドとなっていますが、Siriは登場こそ2011年と早かったものの、その応答性に関してはAmazon AlexaやGoogleアシスタントに遅れをとっています。ちなみに、Alexaは2014年、Googleアシスタントは2016年の登場となっています。
Siriの応答性能が批判を受けたのは、2018年2月に北米、英国、豪州で発売されたスマートスピーカーHomePodがきっかけでした。同製品はスピーカーとしての性能に関しては称賛されました。しかし、GoogleやAmazonが同種製品ですでに快適な音声操作を実現していたのに対して、Apple HomePodのSiriでの音声操作には、使い勝手が悪いとの声が続出しました。
これを受けAppleは、2月中旬からSiri関連エンジニアの大量採用を始めたとのことです。現在、Siriの担当者数は過去最高にあり、前月比24%となっています。
Appleの求人サイトでは、Siriの責任者やAIエンジニアをはじめ、Siri関連で100を超える求人を出しています。そのほとんどがカリフォルニア州サンタクララにある同社の新本社Apple Parkでの勤務となり、それ以外の拠点での求人はごく少数となっています。
これらの動きから、今後AppleはSiriの強化、ひいてはさらなるスマートスピーカー開発に力を入れていくのは確実と見られており、GoogleやAmazonとのさらなる競争状態への突入が予想されます。