iPhoneの製造で知られる台湾企業Foxconn傘下のFoxconn Interconnect Technologyが3月26日、スマートホームブランドWemoとルーターブランドLinksysを所有する米国企業Belkinを買収すると発表しました。
カリフォルニアに拠点を置くBelkinは、35年近くにわたり、ワイヤレス充電器、ノートPC用ドッキングステーション、スマートフォンケースなど、コンピュータや携帯電話アクセサリを製造することで知られています。
Belkinは、2013年にはルーター製造大手のLinksysを買収、またスマートホームブランドWemoを5年以上継続させています。
これはFoxconnにとって大きな変化です。Foxconnは下請けの製造パートナーから、3ブランドのオーナーとなります。
Foxconnは、Belkinを買収するために8億6600万ドルを支払います。英経済紙フィナンシャル・タイムズは、買収は米国投資委員会の承認を条件とするべきだと指摘しています。
2018年3月、安全保障上の問題があるとして米トランプ政権がBroadcomのQualcomm買収を阻止したことを考えると、ネットワーク機器に関連した今回の買収はまだ本当に成立するかまだわからないとのことです。
Foxconnは、ウィスコンシン州に100億ドル規模の工場を建設することを約束しており、それは買収成立に良い影響を与えるかもしれません。
Foxconn Interconnect TechnologyはFoxconnの子会社で、ケーブルやコネクタの設計を行っています。消費者に向けたビジネス展開ではないため、同社がBelkinを買収するのは少々奇妙に見えるかもしれません。しかし、グループ全体の方針を考えると理にかなっています。
Foxconnは、2018年になってビジネス拡大路線をとっており、iPhone製造に依存しない方針をとっています。
現状Foxconnの売り上げのうち半分はAppleからで、もしAppleがパートナーを変えたり、iPhoneが人気を失ったりすると、経営に大きな打撃が与えられる可能性があります。同社は以前から消費者相手のビジネスへ転換する機会を伺っていたとのことですが、今回の買収はその第一歩になると思われます。
(画像引用:http://www.belkin.com/us/)