スマートフォンを主力とする中国の総合家電メーカーXiaomiが、2018年中にもスマートフォン事業の米国進出を予定していることが3月5日、米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルによって報じられました。同社は多種事業での欧米進出を進めており、各地での株式公開も目指しています。
中国第4位のスマートフォンベンダーであるXiaomiは近年、インドや東南アジアなどの新興市場に成功しました。また、スペインを含むいくつかの西洋市場に進出し、2018年初めに店舗もオープンしました。
Xiaomiの雷軍会長によると、米国市場参入は長年の悲願で、2018年末、または2019年初めには参入する予定とのことです。Xiaomiは米国市場において既に、スピーカー、カメラ、デジタルスケールなどのデバイスを多数販売していますが、スマートフォンは正式には販売していません。
Xiaomiは米国市場参入にあたり、AppleやSamsung、Huaweiなどの既存ブランドとシェアを争うことになります。同社はまた、電気通信事業者とのパートナーシップを結ぶ必要がありますが、中国のスマートフォンベンダーには逆風が吹いています。
今年初め、Huaweiは「国家安全保障上の理由」によりAT&Tから新作ハイエンドスマートフォンMate 10を販売する契約を破棄されました。Huaweiは長い間、スマートフォンから得た個人情報をトラッキングしているといった噂を否定しています。
雷軍会長は「海外展開は容易ではない。現地の法律や規制、消費者のニーズを理解するために時間を費やさなければならない」語っています。
Counterpoint Research社の調査によると、中国国内のスマートフォン市場では、XiaomiはHuawei、Oppo、Vivoに次いでシェア4位となっています。また、Appleは5位、サムスンは8位となっています。
同調査によると、Xiaomiの中国市場でのスマートフォンシェアは2016年にいったん減少したものの、2017年に50%以上販売台数を伸ばし、9600万台に達しました。同社はスマートフォン以外にも、炊飯器や空気清浄機など、インターネットに接続されたさまざまなスマートホームデバイスを展開しています。
米国のスマートフォン市場に進出した中国企業の先駆けはZTEです。同社は通信キャリアとのパートナーシップ締結に成功し、2017年の米国メーカー別シェア4位となり、市場の11パーセントを占めています。
Xiaomiは、今年下半期に香港でのIPOで800億ドルから1000億ドルを調達する予定です。2014年には460億ドルの評価だったため、Xiaomiの企業価値が大きく上昇していることが伺えます。
(画像引用:http://www.mi.com)