米国のビジネスニュース専門デジタルメディアBusiness Insiderが3月2日、米Amazonにおいて現在の在庫分を最後にNestのスマートホーム製品が販売されない見込みであると報じました。
Amazonは2017年、Nest Cam IQや最新世代のスマートサーモスタットなど、Nestの新製品の販売提供を拒否しました。数週間後、同社はNest社に電話で通告を行ったとのことです。
結果として、Nestは残りの製品在庫限りで、Amazonへの製品提供を中止することに決めました。Amazonマーケットプレイスなど、Amazonではない第三者がNestガジェットを販売し続けるかどうかは不明ですが、Amazon自体による販売は取りやめられます。
Amazonでの販売取り止めにあたり、Nest側は特定の種類の製品が販売されないなら、全ての製品を引き上げることになったとしています。現在のところ、いくつかのNest製品はAmazonの出荷で利用可能ですが、販売は第三者のマーケットから行われています。
一連の騒動の背景には、AmazonとGoogleの間で繰り広げられている、スマートホーム市場を巡る熾烈なシェア争いがあります。Nestは、Googleの親会社Alphabetの独立系子会社として3年間経営した後、先月Googleに吸収されました。
AmazonはGoogle HomeやPixelスマートフォンのようなGoogleブランドの製品のいくつかを同サイトで販売していません。2017年12月、Amazonは販売を停止していたChromecastの販売を再開するとしていましたが、3カ月経ってもまだ購入できません。
2017年夏、AmazonはAndroid用のPrime Videoアプリをリリースしましたが、まだChromecastでのストリーミングには対応していません。また、AmazonはFire TVシリーズやAmazon Echo Show / SpotからYouTubeアプリを削除し、YouTubeアプリが利用規約に違反していると主張しています。一時は両社が歩み寄る動きがみられたこともありましたが、もはやそれは立ち消えたようです。
先月、AmazonはスマートホームセキュリティーメーカーRing社の買収を発表しました。同社は、スマートホーム市場でAlexaを独占状態にするという目標を追求するために、Ringに10億ドルを支払ったと伝えられています。
現在、AmazonはAugust Smart Lockなど他企業のスマートホームセキュリティー製品を引き続き販売していますが、それらの製品が今すぐAmazonから姿を消す動きははないとのことです。