米AmazonのAlexa AI研究開発チーム責任者、アッシュウィン・ラム氏が2月27日、Googleへの移籍を自身のLinkedInアカウントにおいて発表しました。
ラム氏はGoogle CloudにおけるAI開発に携わると見られています。移籍を発表したLinkedInの記事においてラム氏は「GoogleのAIは間違いなく地球上で最高の水準にある。私の役割は、その人工知能をより良く、誰にでも広く利用できるようにすることだ」と述べています。
Googleはこの動きについて特にコメントすることはしませんでしたが、ラム氏はGoogleでクラウド部門のAIテクニカルディレクターとしてのポストに就くとのことです。
更新されたプロフィールによれば、彼は当面サンフランシスコのオフィスで勤務することとなっていますが、Googleはクラウド部門の多くを2019年初頭にオープンするシアトルの新オフィスに移設する予定です。
近年GoogleはAI分野に注力しており、より多くの才能を求めています。現在のAIおよび機械学習ブームのはるか以前、1980年代からAI研究の第一線に立ち続けるラム氏は、まさに格好の人材です。
アッシュウィン・ラム氏は1960年7月27日生まれのインド系アメリカ人で、イェール大学で博士号を取得後の1989年から、ジョージア工科大学で准教授を務めながらOpenStudy.com、Sentiment360、Enkiaの3つのテクノロジー企業を率いました。
その後2011年ゼロックス・パロアルト研究所のCIO(最高イノベーション責任者)に就任し、2016年にはAmazon Alexa研究チームにAI部門責任者として参加しました。
AmazonではAlexaの会話能力の向上に多大な貢献を果たすとともに、学生を対象にしたAIコンペティション・Alexa Prizeを創設しました。
Amazonは、雇用契約の非競争条項を要求することで知られており、従業員が競合他社へ移籍した際は訴訟を起こす可能性があります。2017年にAmazon Web Servicesの元役員ジーン・ファレルがSmartsheetに転職した際は、訴訟に発展しかけましたが1か月後に両者は和解、Amazonは訴状を取り下げました。