米サイトThe Informationが、AmazonがAmazon Echoに搭載するためのAIチップを開発中と報じました。
報道によると、AIチップ開発はAmazon Echoデバイスの応答性能と速度を高めるためのもので、現在スマートスピーカー分野に注力し始めているGoogleやAppleに差をつけるためと見られています。
スマートホームハードウェア市場とコンシューマー向けAI製品の分野市場制覇を狙うAmazonは、近年の積極的な企業買収によって、チップ開発の専門家を450人雇用しています。
Amazonは2015年にイスラエルのチップメーカー、アンナプルナ・ラボを3億5,000万ドルで買収したほか、2017年末にセキュリティカメラメーカーのBlinkを9000万ドルで買収しました。
Amazonが展開するAmazon Echoシリーズに代表されるAlexa搭載製品は、コンピューター上の処理をクラウド上で行っているため、今回デバイス上での処理が実現すれば、さらなる応答速度の向上が見込まれます。
AppleとGoogleも同様の動きを始めています。Appleはグラフィックスプロセッサや電源管理ユニットなど、iPhone向けの独自のチップを開発し、その結果として長年契約していたサプライヤを切り離しています。
一方、Googleは、独自のAIハードウェアを何年も開発してきました。子会社のDeepMindは囲碁AI、AlphaGoを開発しており、3社の中で最も先を行っているものと思われます。
2年ほど前から、Googleはそのノウハウの一部を一般消費者向け分野にも応用し始めました。これによって、Clips CameraをはじめとしたデバイスにAIが搭載されるようになりました。また、昨年にはAppleのエンジニアを引き抜き、スマートフォンPixel 2のイメージプロセッサを開発しています。
AmazonがGoogleとApple両方と競争するためには、自社製チップ開発環境の構築と、既に提供しているAI製品を改善することの両方が急務となっています。