米Intelが、かねてから開発中だったスマートグラスVauntの試作品を公開しました。一見すると普通のメガネで、顔にガジェットを着けている違和感をなくすことを念頭に設計されています。
スマートグラス(メガネ型ウェアラブルデバイス)は、2010年代前半にGoogleが開発に着手したものの、プライバシー等の問題、見た目が明らかに通常のメガネではない違和感などから一般消費者向け展開を断念、有力な製品が中々登場しない状況が続いていました。
Vauntは網膜にレーザー光線によるディスプレイを網膜に直接投影、着信やメールなどの通知情報を表示します。通知は視線を「スワイプ」させることで除去可能で、必要な時以外表示されません。
レーザー光線で網膜に直接投影というと、視力低下など眼球への悪影響が懸念されますが、Intelの担当者によると、レーザーはごく微量の小出力で、人体には無害とのことです。
Vauntの最大のウリは、一見するとガジェットに見えないそのデザインです。たしかに、一見すると少しフレームが太めの普通のメガネのように見えます。コンピューター部分はツルに収納されており、Google Glassでひときわ目立っていたカメラは搭載されていません。
しかし、日常生活に違和感のないデザインは、同時に機能が制限されることにも繋がっています。Googleが提示したスマートグラスのイメージは、目にするものすべてに情報を付加させ、まさに「現実を拡張する(AR)」ものでした。しかし現状、Vauntでできることといえば、通知や道案内を表示したりするくらいです。
将来的には音声コントロールで操作できるようアップデートを加える予定とのことですが、何も持たずに路上で指示を出している姿は、ガジェットから離れたデザインの方向性と相反するのが気になるところです。
インテルは今後、バッテリーやデザインなどを総合的に改良し、2018年中には開発者向けバージョンをテスト提供開始する見込みです。
(画像引用:https://www.theverge.com/)