パソコンはゴミとして捨てることができない
次のような理由から、パソコンは通常のゴミと一緒に捨てることはできません。
リサイクルが義務付けられている
パソコンは、資源有効利用促進法によりリサイクルが義務付けられています。パソコンは非常に多くの部品で構成されており、部品の中には貴重な資源が使われているものもあるためです。古くなったパソコンをゴミとして捨ててしまうと、資源が失われてしまい、地球環境にも悪影響を与えるおそれがあります。資源や環境を守るため、不要になったパソコンは資源有効利用促進法に則った方法でリサイクルしなければなりません。
ただし、家庭用のパソコンに関しては、小型家電リサイクル法の回収システムの利用も可能です。メーカーや家電量販店で回収してもらえます。
リサイクルの対象
パソコンを使用する際には、本体に周辺機器なども接続して使用するでしょう。特にデスクトップパソコンの場合には、モニターやキーボードなど周辺機器が多いです。パソコンといった場合に、どこまでを含めるのか気になる人もいるかもしれません。
周辺機器のうちモニターはパソコン本体と同様にリサイクルの対象になっています。モニター以外の周辺機器に関しては対象外です。処分する際には通常のゴミとして扱われます。
また、パソコン本体に関しては、デスクトップパソコンとノートパソコン、一体型パソコンなどがリサイクルの対象です。タブレット端末はノートパソコンのようにして使えるものもありますが、リサイクルの対象にはなっていません。
パソコンの処分方法
パソコンを処分する方法は大きく分けて6つあります。では、それぞれの処分方法について見ていきましょう。
販売店の下取りを利用する
パソコンの買い替えをするときには、新しいパソコンの購入先の店舗に古いパソコンを下取りに出すことができます。簡単で手間をかけずに古いパソコンを処分できます。費用もかかりません。店舗によっては、新しいパソコンの購入代金がいくらか値引きになることもあります。
中古品として売る
これまで使用していたパソコンがまだ比較的新しい場合や、問題なく使える状態なら買取に出せます。人気モデルやハイスペックなパソコンなら多少年数が経過していても、買取対象になるケースは多いです。
主にリサイクルショップやパソコンショップなどで、パソコンの買取を行っています。買取できそうなパソコンなら、査定に出してみましょう。
また、フリマアプリやネットオークションなどで売ることも可能です。やり方によっては、リサイクルショップやパソコンショップに買取に出すよりも高く売れることもあります。しかし、フリマアプリやネットオークションを使い慣れていない人にとっては面倒に感じられるかもしれません。トラブルのリスクも伴います。
メーカーに引き取ってもらう
メーカーにはパソコンの自主回収が義務付けられているため、メーカーに連絡すると引き取ってもらえます。「PCリサイクルマーク」が付いているパソコンなら、引取費用もかかりません。また、「PCリサイクルマーク」は2003年10月以降に販売されたパソコンに付いているマークです。現在出回っているパソコンやモニターならほとんどのものに付いています。
ただ、メーカーから引き取ってもらうのには手続きが必要で、やや面倒なのが難点です。そのため、他の方法で処分する人も多いです。
PCリサイクルマークが付いていないパソコンに関しては、有料で回収してもらえます。具体的な金額はメーカーによって異なりますが、1台で3,000~4,000円程度です。
自治体の回収ボックスを利用する
小型家電用の回収ボックスを自治体が設置しています。設置場所は自治体によってさまざまですが、市役所や大型家電量販店の入口付近などに設置されていることが多いです。小型家電用であるため、パソコンだけでなく携帯電話やドライヤーなどの回収にも使われています。
回収ボックスを利用するのであれば、設置場所までパソコンを持って行き、入れるだけです。事前の手続きは必要なく、費用もかかりません。
ただし、パソコンが回収ボックスに入る大きさでないと利用できません。回収ボックスの投入口の大きさは自治体によってやや差がありますが、多くの自治体で1辺が30センチ程度です。ノートパソコンなら入るものも多いですが、デスクトップパソコンだとほとんど入らないでしょう。モニターも小さめのものでないと入りません。
不用品回収業者を利用する
不用品回収業者は、有料で不用品を回収してくれる業者です。自宅にいらないものが多く溜まってしまって一度に片付けたいときや、引っ越しのときなどに利用する人が多いです。
不用品回収業者ならほとんどのものを回収できるため、パソコンも回収してもらえます。パソコン以外にも不用品があり、まとめて回収してもらいたいときなどに利用するといいでしょう。
無料回収を利用する
無料でパソコンや小型家電などを回収している業者もあります。軽トラックなどで定期的に住宅街を回っているのを見かけることがあるでしょう。チラシなどで回収日を告知し、自宅前に置いておくと回収してくれる業者もあります。
そのような無料回収の業者を利用すれば、手間も費用もかけずに、古いパソコンを処分することもできます。ただし、無料回収の業者の中には怪しい業者や違法な業者もいるため見極めが必要です。後々に面倒なことになる可能性もあるため、無料だとしてもよく分からない業者は利用しない方が無難でしょう。
必要なデータのバックアップ
パソコンのSSDやHDDには、大事なデータが多く保存されています。写真、動画、文書ファイルなど必要なファイルは全てバックアップを取っておきましょう。
例えば、外付けHDDに移したりクラウドに保存したりすれば、簡単にバックアップを取れます。ブラウザに保存しているパスワードやブックマークなどもエクスポートしておきましょう。新しいパソコンにインポートすれば、これまでと同じ環境でブラウザを使えます。
データの削除も必要
古いパソコンを処分する際には、データも完全に削除しなければなりません。
データが残っているとどうなるのか
古いパソコンにデータが残っているまま処分すると、プライベートな情報が流出するリスクがあります。パスワードが流出してしまうと、不正ログインや乗っ取りなどの被害に遭う可能性があるため軽視できません。古いパソコンを処分する際には、確実にデータを削除しておきましょう。
また、ただデータを削除するだけでは不十分です。パソコンがリサイクルされる過程では、さまざまな業者が関わるため、悪意のある人の手に渡る可能性もあります。データの復元もやろうとすればできてしまうため、完全に消去しなければなりません。
データを完全に消去する方法
買取業者や不用品回収業者の場合には、データ消去のサービスを提供している場合があります。有料の場合もありますが、そのようなサービスを利用するのが簡単な方法です。
また、自治体やメーカーの回収では、通常データ消去までは行ってもらえません。自分でデータの完全消去をしてから回収に出すのが基本です。
例えば、データ消去ソフトを使用すれば、自分でデータを完全に消去できます。有料でデータ消去を専門に行っている業者を利用する方法もあります。
また、SSDやHDDを物理的に破壊する方法もありますが、危険を伴うためあまりおすすめはできません。
まとめ
パソコンやモニターには貴重な資源が使われており、処分する際にはリサイクルに出さなければなりません。自治体やメーカーに回収してもらう他に、下取りに出したり不用品回収業者や無料回収業者を利用したりする方法もあります。購入してからの年数が浅ければ中古として売ることも可能です。
通常のゴミとして捨てることはできないため注意しましょう。
また、情報流出を防止するため、処分前にデータを完全消去しておくことも大切です。