機種変更後の古いスマホはどうすべきか
スマホは2〜3年くらいのサイクルで買い換えるでしょう。機種変更をすれば、これまで使用していた古いスマホは使わなくなります。そのため、古いスマホは次のようにしている人が多いです。
サブ機や予備として手元に置いておく
機種変更後の古いスマホが特に故障しているのでなければ、サブ機として使用する方法があります。古い機種だと、スペックが低いため多少動作が鈍いかもしれませんが、サブ機なら特に問題ないでしょう。
スマホはSIMカードが入っていないと、電話として使用できませんが、Wi-Fi環境があればインターネットに接続できます。そのため、SIMカードなしでもさまざまな用途に使用可能です。例えば、音楽プレーヤーとして使用したり、アラーム用などとして使用したりできます。
格安SIMやキャリアのサブブランドなどの安いプランを契約してサブ機として使用するのもいいでしょう。中には月額数百円で利用できるプランもあります。メインとして使うには不安かもしれませんが、サブとして使うならちょうどいいと感じる人も多いです。
また、特に普段使用せず通信契約もしなくても、予備として自宅に置いておけば、メインのスマホが故障したときに使えます。修理に日数がかかる場合でも代替機を借りる必要がありません。
中古として売る
機種変更した場合でも、以前使っていた機種がまだ比較的新しい場合もあるでしょう。
比較的新しい機種なら中古として売るのも一法です。中古で売ればいくらかお金になるため、特に使用する予定がないのであれば、自宅に置いておくよりも売るのがいいかもしれません。
特にiPhoneなら2~3年前に発売された機種でも中古として高く売れることが多いです。使用しないのに自宅で寝かせておくのはもったいないといえます。
処分する
あまり古すぎる機種のスマホは、中古としての需要はほとんどありません。特に発売から4~5年経っているAndroidスマホだと中古として売るのは厳しいでしょう。
スペック的にサブ機や予備にするのも厳しいようなら処分しようと考える人も多いです。
使用しないスマホをそのまま保管しておくのはあり?
使用しないスマホを処分するのが面倒だということで、そのまま自宅に保管しておこうとする人もいるでしょう。しかし、使用しないスマホをずっと自宅に置いておくのはおすすめできません。
古いスマホはバッテリーが劣化しており、そのままにしておくとさらに劣化が進みます。そして、劣化したバッテリーは膨張するため危険です。発熱や発火などのおそれもあるため、使用しないスマホをそのまま保管しておくのは避けましょう。
スマホには貴重な資源が使われている
スマホにレアメタルやレアアースなどが使用されています。貴重な資源であるため、不要なスマホはリサイクルに出すのが望ましいです。
では、レアメタルやレアアースというのは、どのようなものなのか見ていきましょう。
レアメタル
レアメタルというのは存在量や産出量が少ない金属のことです。経済産業省が31種類を指定しており、「ニッケル」「白金」「コバルト」などが該当します。
レアメタルは産出量が少ないため、供給があまり安定していません。その一方で、スマホやパソコンなどの精密機器を製造するのに必要で需要が高い金属です。安定供給の確保が政策的に重要とされており、そのためには使用しなくなったスマホのリサイクルが欠かせません。
レアアース
レアアースというのは、元素の周期表で希土類に属する17種類の物質です。例えば、「ネオジム」「ジスプロシウム」「イットリウム」「ユウロピウム」などが該当します。
17種類のレアアースはいずれもレアメタルでもあります。存在量も産出量も少なく、いずれもスマホの材料に使われている物質です。
また、レアメタルは日本でのみ使われている分類ですが、レアアースという分類は世界的に通用します。
不要なスマホをリサイクルに出すには
不要になったスマホをリサイクルに出す方法は主に次の2つです。
携帯キャリアショップに持ち込む
大手キャリアのスマホを使っている人なら、携帯キャリアショップで機種交換をするでしょう。そのときに、これまで使っていた古い機種をどうするか尋ねられるため、そのまま回収してもらいましょう。そうすると、回収後の古いスマホはリサイクルに出されます。
不要なスマホをリサイクルに出すならキャリアショップへの持ち込みが手っ取り早いです。持ち込まれたスマホは、データが消去されてバッテリーが取り外され、リサイクル会社に送られます。
また、キャリアショップでは、格安SIMの利用者など契約者以外の人に対しても、古いスマホの持ち込みを受け入れています。機種などの制限は特になく、キャリアショップで取り扱っていない機種でも問題ありません。
自治体に回収してもらう
自治体でも不要なスマホの回収を行っており、次の4種類の方法があります。スマホだけでなく小型家電全般に対応している回収方法です。自治体によっては一部のみしか実施していない場合もあります。
・ボックス回収
・イベント回収
・ステーション回収
・ピックアップ回収
ボックス回収というのは、家電量販店やホームセンターなどに設置されている回収ボックスに入れる方法です。
イベント回収は地域でイベントを開催する際に、回収ボックスを設置して回収します。対面で回収する場合もあれば、ボックス回収のように自由に入れる方法を採っている場合もあります。
ステーション回収は、資源物回収の際に「使用済小型電子機器」の区分を設けて回収する方法です。実施される頻度はそう高くありません。
ピックアップ回収は不要なスマホを不燃ゴミとして扱い、ゴミ処理施設で振り分けられる方法です。
そのまま捨てるとどうなるのか
もし不要なスマホをそのままゴミとして捨ててしまったらどうなるのか見ていきましょう。
貴重な資源が無駄になってしまう
ピックアップ回収を実施している自治体でなければ、ゴミとして捨てられたものは種類に応じてそのまま処分されるだけです。そのため、スマホに使われているレアメタルやレアアースなどの貴重な資源が再利用されません。他のゴミと一緒に埋め立てられたり焼却されたりしてしまいます。
レアメタルやレアアースが再利用されなければ、それだけ多く採掘が必要になるでしょう。一方で、レアメタルやレアアースを採掘する際には、汚染物質や炭素を放出しています。そのため、地球環境へ悪影響を与え、地球温暖化を助長することになってしまうのです。
個人情報が流出する可能性
不要なスマホをそのまま捨ててしまうと、悪意のある人の目に触れた場合に持ち出されてしまう可能性もあります。そうなると、データを抜き取られてしまうリスクも出てくるでしょう。スマホに登録されている連絡先のデータから個人情報が流出してしまうかもしれません。保存していたパスワードが流出し、乗っ取りなどの被害に遭うおそれもあります。
捨てる前にデータを消去していれば、大丈夫だと考える人もいるかもしれません。しかし、スマホのデータは削除したつもりでも完全には削除されていないことが多いです。悪意のある人が復元しようとしてみれば、簡単に復元できてしまうこともあります。
まとめ
不要になったスマホを自宅にそのまま保管しておくと、バッテリーの膨張や発熱などの危険性があるためおすすめできません。また、スマホにはレアメタルやレアアースなどの貴重な資源が使われています。そのため、不要になったスマホはできるだけリサイクルに出すようにしましょう。キャリアショップへの持ち込みなら、手間が少なくいつでもできるのでおすすめです。