スマートホームとは
インターネットに接続できる家電製品(IoT家電)を利用し、これまでよりも便利で快適に生活できる住宅のことです。ここでいうスマートとは賢いという意味で、家電製品が賢く動作することで、便利に快適に過ごせます。
賢く動くIoT家電がいくつもある家は賢い家という意味で、スマートホームと呼ばれています。
また、スマートハウスという言葉を耳にしたことがある人もいるかもしれません。スマートホームとよく似ているため混同されることもありますが、こちらは別物です。
スマートハウスを導入するには、住宅を建設するときから専用の設備を設置しなければなりません。既存の住宅で導入するには、かなり大掛かりな工事が必要です。また、便利さよりもエネルギー管理を目的としている点でもスマートホームとは異なります。
その点、スマートホームなら、現在使用している家電製品をそのまま使えます。導入のハードルも低く感じられるでしょう。
スマートホームの導入方法
スマートホームを導入する際には、何をすればいいのか見ていきましょう。
スマートホーム導入で必要なもの
スマートホームでは、スマホとインターネット環境が必要です。
基本的な操作や設定などをするときにはスマホで行います。インターネット環境は、スマホのモバイル回線だけでなく、固定回線も用意しておく必要があります。IoT家電を無線で接続するため、Wi-Fiルーターも必要です。
スマートホーム対応のデバイスを用意する
スマートホーム対応のデバイスは主に次のようなものがあります。
・スマートスピーカー
・スマートプラグ
・スマートセンサー
・スマートロック
・スマートリモコン
・ネットワークカメラ
ただし、これらのデバイスのうち全部を用意しなくても問題ありません。必要なもののみを用意して使用できます。
スマートホームで何ができるようになるのか
スマートホームを導入すると、次のようなことができるようになります。
自分の声で家電製品を操作できる
スマートホーム対応のデバイスのうち、スマートスピーカーがあれば、家電製品の操作をする際にスイッチを押す必要がありません。「スイッチオン」や「スイッチオフ」などと声に出して喋るだけで操作できます。
両手がふさがっているときや、家電製品から離れた場所にいるときなどに便利です。ボタンを押すよりも速く操作できるでしょう。
また、それぞれの家電製品のリモコンが必要なくなるので室内がスッキリします。
家電製品を自動的にオンオフ切り替えや強弱調整できる
スマートプラグを使用すれば、何も操作しなくても必要なときにスイッチが入るようにできます。例えば、照明器具や扇風機などです。
スイッチが入るようにする条件は、時間や温度などで設定できます。必要ないときにはスイッチが切れるようにすることも可能です。扇風機なら温度を元にして強弱調整したり、照明器具なら明るさを自動的に調整したりできます。
外出先から家電製品を操作できる
家電製品がインターネットにつながっているため、スマホを使用して外出先からも操作できます。
例えば、夏の暑い日などは帰宅前に外出先からエアコンをつけておけるでしょう。また、外出時に照明器具やエアコンなどを消し忘れてしまうこともあるかもしれません。そのようなときには外出先から操作してオフにできます。消してきたかどうか気になるときには確認もできるので便利です。
スマートロックがあれば、家電製品だけでなく玄関のカギの確認や操作も行えるため、カギを閉め忘れても外出先から閉められます。
スマートホームのメリット
スマートホームの導入には、次のようなメリットがあります。
家電製品の操作が楽になる
スマートホームを導入すれば、これまでのように1つ1つ家電製品の操作をしなくて済むのがメリットです。声に出して喋るだけで操作できて、場合によっては自動的に調整されるため、操作自体をしなくて済むこともあります。手間がかからず時間を節約できるでしょう。
消費電力が最適化される
家電製品を手動で操作する場合には、どうしても無駄が発生してしまいます。例えば、部屋を離れる際にテレビや照明をつけっぱなしにしてしまい、誰もいないところで無駄に電力を消費していることがあるでしょう。
スマートホームを導入して、テレビや照明器具のオンオフを自動で行えるようにしていれば、そのようなことは起こりません。人がいなくなった部屋のテレビや照明は消えるので、無駄な電力消費が抑えられます。
また、照明は明るすぎず暗すぎず、常に適度な明るさに調整できるのもメリットです。
外出中に子供やペットの安全を確認できる
ネットワークカメラがあると、自宅内の様子を外出先からスマホで見られます。防犯に役立つのはもちろんのこと、留守番中の子供やペットに何かあればすぐに分かるのがメリットです。泣いていないか、危ないことをしていないかなど、気になるときにはいつでも確認できます。
スマートホームのデメリット
スマートホームを導入する際には、次のようなデメリットも認識しておきましょう。
費用がかかる
スマートホームを導入するには、対応デバイスやスマート家電を購入しなければなりません。また、固定回線を引いていない家庭なら新たに契約する必要があります。
そのため、初期費用がかかるのがデメリットの1つです。
固定回線を新たに契約する場合には、初期費用に加えて月額料金も発生します。光回線なら毎月6,000円前後かかるため軽視できません。ホームルーターなら光回線よりも安く済みますが、それでも毎月3,000~4,000円程度はかかります。
セキュリティリスク
家電製品が常にインターネットに接続された状態になることで、ハッキングなどのセキュリティリスクを伴います。そのため、ウイルス対策ソフトを導入したり、ファームウェアを常に最新に保ったりするなど、セキュリティ対策に力を入れなければなりません。パスワードの管理も重要です。
セキュリティ対策が疎かになっていると、勝手に玄関のカギを開けられたり、カメラの映像を見られたりする可能性があります。
家族全員の理解を得る必要がある
スマートホームを導入すると、一般的には便利になるものとされていますが、使う人によってはそうとも限りません。IT機器の操作があまり得意でない人にとっては、スマートホームを導入すると、かえって不便に感じてしまうこともあります。
比較的若い世代の人だと、最初は戸惑ってもすぐに慣れるかもしれません。しかし高齢者だと、慣れるまでが大変です。操作方法が分からず、エアコンや照明器具を操作できなくなってしまうこともあるでしょう。玄関のカギを開け閉めするのにも苦労してしまうかもしれません。
そのため、スマートホームを導入するなら、家族全員の理解を得ておく必要があります。
まとめ
スマートホームを導入すれば、家電製品の操作をスムーズに行えるようになります。自動的にオンオフの切り替えや強弱調整なども行えるため、無駄な電力消費もなくせるでしょう。
そして、スマートホームを導入するにはスマホとインターネット環境、スマートホーム対応デバイスが必要です。既に固定回線のある家庭なら、それほど大きな費用はかかりません。スマートホーム対応デバイスは必要なものだけを揃えて、部分的にスマートホームを導入することもできます。スマートハウスと比べれば、導入のハードルは低く感じられるでしょう。
ただし、セキュリティリスクを伴うため、十分な対策が必要です。高齢者がいる家庭では、慣れるまでが大変で、家族全員の理解を得る必要があります。そのような点を認識した上で、スマートホームを導入し、便利な暮らしを手に入れましょう。