2017年12月16日、ドイツの自動車メーカーBMWと中国の総合IT企業アリババグループは、2018年上半期以降に中国国内で販売されるすべてのBMW新モデルにおいて、両社が開発協力体制に入ったことを発表しました。
この協力体制によって、中国国内のBMWオーナーはスマートスピーカーを利用して車に関する情報へのリモートアクセスが可能になります。例えば現在のガソリン残量で何km走行できるか、ドアや窓が開け放しになっていないか等の確認が可能です。
今回の提携はアリババグループにとって、Eコマース分野以外では初めてのドイツメーカーとの公式的な協力関係になります。BMWはアリババ・クラウドのIoTビジネスユニットと連携して、BMW Connectedシステムを中国の消費者に導入しています。
BMWチャイナのジョセフ・ジェン副社長によると、BMWグループは新しい戦略として、自動運転、デジタル接続、モビリティサービス、電化などに取り組み、伝統的な高級自動車メーカーからテクノロジー企業への移行を目指しているとのことです。
ジェン副社長は続けて「中国はイノベーションの中心地であり、グローバル戦略を実現するための重要な土台です。我々はBMW Connectedを通じて、引き続き顧客を優先し、カスタマイズされた多層的スマートサービスを顧客に提供していく」と語りました。
アリババはBMWのクラウドベースのプラットフォームとスマートスピーカーを統合し、そこにアリババ・クラウドで培われた音声認識処理技術を提供します。
アリババ・クラウドのIoT部門チーフ・サイエンティスト、ショーン・ディン氏は「アリババ・クラウドは、IoTと機械学習技術を使って世の中のあらゆるものが接続された未来を創造するよう努めてきた。BMWとの新たな協力関係では、人と車と家がシームレスに接続される新しい体験をユーザーに提供したいと考えている」と意気込みました。
ディン氏の語る「新しい体験」の例として、冬の乗車前に車内暖房をあらかじめつけておけることや、車の中からの冷蔵庫や洗濯機の制御などが挙げられます。
アリババグループは12月初旬にも米国フォードグループとの提携を発表しており、今後スマートカー事業に注力していくことが予想されます。