Apple のAR・VRヘッドセットについては、2017年ごろから開発に着手しているという噂がありましたが、2019年7月には開発チームが解散し開発も中止されたと報じられました。しかし、2020年5月にはアメリカのカリフォルニアに拠点を置くVR企業の「NextVR」を買収したことが判明しており、やはり独自のAR・VRヘッドセットの開発は継続されているという報道がありました。
そして、この度2020年8月にVRスタートアップの「Spaces」を買収したと報じられたことにより、AppleがAR・VR製品の開発を進めている可能性が一気に濃厚になっています。
Appleが買収した「Spaces」とは?
Spacesは、アニメーション制作会社のドリームワークス・アニメーションの元メンバーらが2016年に設立したスタートアップです。マイクロソフトや NBCユニバーサル等の企業と契約を獲得し、ゲームセンターのようなロケーションベースのVRや複合現実(Mixed Reality)体験を提供してきました。
しかし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによってVRゲームセンターは閉鎖を余儀なくされ(日本でも渋谷のVRジョイポリスが閉店しました)、VR空間からZoom会議に参加できるVRアバターをリリースしたりVR空間での会議やプレゼンなどのワークスペースVRを開発していましたが、パンデミック下で苦しい経営状況に陥り、従業員の解雇や少額のローンを借り入れるなどの対応も強いられていました。
Appleによる買収報道の直前には、Spacesは既存のサービスを停止することを発表しており、公式ホームページには「Spacesは新しい方向に進んでいます」という文章とともにユーザーやパートナーに向けた感謝を述べています。
待望の発売は2022年か
今回の報道では、AppleのAR・VR開発にSpacesのチームがそのまま参加するのかどうかまでは不明です。しかしAppleの野望である「独自の高解像度ディスプレイや高性能なスピーカーシステムを搭載したVRヘッドセットの販売」という噂が一気に現実味を増したのは言うまでもありません。
Bloombergは、AppleがVRヘッドセットを2021年に発表し、2022年に発売するであろうと伝えています。
(画像引用:https://www.youtube.com/watch?v=EAdOL5eCwpA&feature=youtu.be)