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2020.07.29
2020.07.29

「Hey Google」スマートホームサミットイベントでの発表内容について

記事ライター:bridge

スマートホームとはIoTやAIを使って住む人にとって快適な暮らしを届ける住宅技術のこと。だんだんと市民権を得てきており、ニュースなどで見たことがある人も多いのではないでしょうか。インターネット関連サービスの巨人であるGoogleもこの分野に力を入れており、今年は「Hey Google」スマートホームサミットイベントを開催しました。そこではどのような内容が発表されたのか、概要を解説します。

キャンセルされたGoogle I/Oに代わる「Hey Google」スマートホームサミットイベント

この「Hey Google」スマートホームサミットイベントは、毎年Googleが開催していた開発者向け会議であるGoogle I/Oに代わるイベントです。今年はコロナウイルス感染拡大の影響で関係者全員の健康と安全への懸念により、Google I/Oの開催が中止に。

毎年大きな話題を集めていたGoogle I/Oを中止したうえでスマートホームサミットを開催したことで、Googleのスマートホーム分野への力の入れようがわかります。

発表された内容について

スマートホームサミットイベントは一般消費者向けのイベントではなく、開発者向けのイベント。したがって、新たな製品ではなく開発環境やライブラリといった観点での発表が主です。とはいえ、今後のスマートホームのありかたや使い方を知るうえでは、一般消費者にとっても内容を知っておくことは有益といえます。

Android11の配信開始日

まず、意図せず発表されたのがAndroidの次期バージョンであるAndroid 11の配信開始日。スマートホームサミットイベント中の動画中に9月8日にリリースされるという内容が入っていたそうです(https://japan.cnet.com/article/35156500/)。毎年話題になる新たなAndroidの配信開始日。こんな形でリークされるとはだれも思わなかったでしょう。

SHEDにおける新たなデバイスのサポート

スマートホームの一部としてサポートする新たなデバイス種が追加に(https://developers.googleblog.com/2020/07/new-user-features-and-developer-tools-build-helpful-home.html)。これはSHED(Smart Home Entertaiment Device)と呼ばれているもので、すでにテレビ、セットトップボックス、リモコンなどがサポートされています。

新たにサポートされるデバイスは下記の通り。

  • オーディオ・ビデオレシーバー
  • ストリーミングボックス
  • ストリーミングスティック
  • サウンドバー
  • ストリーミングサウンドバー
  • スピーカー

これらがGoolgeのAIアシスタントであるGoogleアシスタントからサポートされることになり、機器が対応していれば音声などでの操作が可能に。より多くの機器が対応すれば、それだけ便利になるので期待したいところです。

Android11でのスマートホームコントロールの追加

Android11ではスマートホーム機器を制御するための専用のボタンなどが追加されます(https://developers.googleblog.com/2020/07/new-user-features-and-developer-tools-build-helpful-home.html)。ホームアプリ内にすべて、あるいはよく使う制御のためのボタンを追加することができるようになるそうです。わざわざアプリを開いて操作をする必要がなくなります。

また、ボタンだけでなくスライダーも用意され、温度調整やブラインドの開閉具合の制御に使えます。OSにこういった機能が実装されることにより、スマートホーム機器の普及がより促されるかもしれません。

ローカルネットワークでの動作

これまでのスマートホーム機器は、スマホやスマートスピーカーからの操作の指示が一度Googleなどのサーバーに送られ、その後機器がサーバーからの指示を受信することで制御されていました。それが、Local Home SDKと呼ばれるソフトウェア開発キットを使うことで、サーバーを経由することなく自宅内で閉じた形で実行できるように(https://developers.googleblog.com/2020/07/new-user-features-and-developer-tools-build-helpful-home.html)。

これにより、操作の指示から実際の動作までの遅延を減らすことができ、自宅から遠いサーバーまでのネット接続経路に故障があっても問題なく使えるようになります。スマートホーム機器は操作から動作までが1テンポ遅いなど、信頼性が低いと思っている人でも近いうちに認識が変わるかもしれません。

App Flipによる認証の簡略化

スマートホーム機器を使うには機器の認証が必須です。認証がおこなわれないまま使えると、悪意を持ったユーザーから自宅の機器を使われてしまったり、あるいは勝手に機器を追加されてしまったりする危険性があります。しかしながら、これまでは認証には何回ステップもかかり面倒なのが問題でした。

スマートホームサミットイベントでは新たなOAuthベースのAop Flip機能を発表(https://developers.googleblog.com/2020/07/new-user-features-and-developer-tools-build-helpful-home.html)。これにより認証が簡略化され、機器認証の途中でスマートホーム機器の操作をした経験の少ないユーザーがあきらめてしまうことを防止できます。敷居が高いと思われがちなスマートホーム機器ですが、こういった工夫の積み重ねで誰でも使えるものになると良いですね。

解析情報の拡充

より良いスマートホーム機器の開発には動作状況の解析が欠かせません。スマートホームイベントでは解析機能およびログ取得の拡張が発表されました(https://developers.googleblog.com/2020/07/new-user-features-and-developer-tools-build-helpful-home.html)。この機能は完全に開発者向けであり一般消費者に直接影響があるわけではありませんが、不具合修正や機能拡張がより迅速におこなわれるようになり、結果的により良い機器のリリースにつながる可能性があります。期待しましょう。

ルーチンの拡張

ルーチンとは自動的に複数の動作を続けておこなう機能のこと。たとえば「おはよう」と呼びかけた時にカーテンを開け、電気をつけ、ニュースを流す、といった動作がルーチンです。すでに昨年発表済みのものとしてスマートホームサミットイベントで明かりを徐々につけたり徐々に消したりする「Gentle Sleep & Wake」機能が紹介されています。この機能はフィリップスのHueでしか使えませんでしたが、これがすべての開発者が使用可能になりました(https://developers.googleblog.com/2020/07/new-user-features-and-developer-tools-build-helpful-home.html)。

また、この先数か月の間に、パートナーがカスタムルーチンを独自に作り、それをユーザーに提案できる機能が利用可能に(https://developers.googleblog.com/2020/07/new-user-features-and-developer-tools-build-helpful-home.html)。これまではユーザーが自分でルーチンを作る必要があったのですが、他の人が作った便利なルーチンを簡単に使えるようになります。自分一人では使い方のアイデアも限られますが、みんなでアイデアを共有できればより便利なルーチンがいろいろ出てきそうです。

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