2020年6月23日に行われたApple年次開発者会議「WWDC 2020」の基調講演にて、各OSのアップデート、プライバシー関連の新機能、噂のMacの新プロセッサ「Apple Silicon」への移行などが発表されましたので、概略をお伝えします。
2020年6月23日に行われたApple年次開発者会議「WWDC 2020」の基調講演にて、各OSのアップデート、プライバシー関連の新機能、噂のMacの新プロセッサ「Apple Silicon」への移行などが発表されましたので、概略をお伝えします。
iPhone OSに名称変更されるという噂があった「iOS14」は、アプリアイコンや様々なウィジェットが好きなサイズで表示できるタイルデザインになりました。
ホーム画面のページの最後にある新機能App「Library」では、インストールしている全アプリを頻度、オススメや最近ダウンロードしたものなどでカテゴリ別に表示、整理整頓したり、さらに不要なホーム画面を編集することもできます。
また、デザインが新しくなりデータ量も豊富に表示できるウィジェットとアプリは同じホーム画面で共存でき、ピクチャ・イン・ピクチャが搭載されるので、ホーム画面や他のアプリを使いながら、動画をミニウィンドウで再生し続けることができるようにもなります。
Siriは翻訳機能が強化され、既存のフルスクリーン表示から画面下のアイコン表示に変更されました。2018年と比較してその情報量は20倍になり、メッセージだけでなく、音声メッセージもSiri経由で送れるようになります。翻訳アプリでは、日本語を含む11か国語について、マシンラーニングによるオフラインの自然な翻訳を提供します。
また、マップアプリは地図の情報量が増え、ナビ機能もアップデートされたことにより、情報をより正確に伝えられるようになり、世界の名所やレストランなどのスポットも探しやすくなります。
環境への配慮もされており、カーボンフットプリントの表示や自転車専用道路、小道や高低差なども表示できる自転車用ナビ、そして、EVルートや充電スポットが追加されました。この機能は当初は米国のニューヨーク、LAや中国の一部エリアのみのリリースですが、今後多くの都市へサービスを広げる予定です。
iPhoneを車の鍵に変えられるCarPlayアプリは、BMW5シリーズ(2021)で使えるようになるデジタルキーで、「鍵をメッセージで送信」することもできます。アクセス範囲も決められるデジタルキーは2021年にリリース予定です。
さらに、Clipsという必要なアプリを画面下からすぐに起動してくれる機能もあります。NFCタグ、QRコードでアプリ起動が可能で、例えば電動スクーターのシェアリングサービス、レストランアプリなどのサービスを利用する際などに便利な機能です。
iPadOS 14はマルチタッチをいかしたiPadならではのOSで、iOS14と同様にウィジェットやSiriがアップデートしています。
新たにサイドバーができ、写真やファイル、ノートなどのアプリも利用できます。
また、アプリを起動しながら検索窓をMacのSpotlightのようにフローティング表示できるようになり、ユーザーはブラウザを開かなくても検索ができます。メールやメッセージ内のテキストも検索可能になりました。
Pencilという機能では、Pencilで手書きした文字(どの国の言語でも)が通常のテキストに自動変換できるようになっています。手書きの図や形なども自動で整形してくれ、例えば電話番号をメモすると、そのまま電話をかけることもできます。
文字盤のカスタマイズが強化され、文字盤を友達にもシェアできるようになったwatchOS 7には、睡眠トラッキング機能が付き、起床・就寝時間がセットできます。おやすみルーティンモードを使うと音楽や消灯時間などを設定でき、画面が暗くなり、タップしても簡単な文字表示だけになるおやすみモードもあります。
ワークアウトアプリにはダンスが加わり、また、タイムリーな機能として手洗い時間をトラッキングしたり、手洗い時間をカウントダウン表示して時間が終わるとチャイムで教えてくれる機能も加わりました。
macOSバージョン11となるmacOS Big Surには新世代OSとしての大幅アップデートがされています。アイコンの形、シンボル、透明度、色味などの基本デザインが変わるのはmacOS X以来の大幅改革で、通知音などもリマスタリングされています。Finder、Mail、Photosなどのサイドバーが追加され、メニューバーやツールバーもアップデートされ、見た目や使い勝手が改善されました。
コントロールセンターの追加により、明るさやダークモードなどまとめて表示、調整できるようにもなりました。
画面右上の時計をクリックするとウィジェットと通知が表示できます。ウィジェットはサイズなどカスタマイズ編集ができ、開発者はオリジナルウィジェットも作れます。
Safariは大幅刷新され、Javascriptのパフォーマンスが上がり、ページ表示速度がChromeより50%早くなりました。インテリジェント・トラッキング防止機能があり、safari内に翻訳機能も搭載されました。スタートページは好きにカスタマイズでき、好きな写真を設定することもできます。また、大量タブ表示しても、タブの上にカーソルあわせるとウィンドウの内容をさっと確認できるタブプレビューも用意されています。
Mac Catalystについては、Macのネイティブスクリーンに自動で最適化してくれる機能などが進化しており、iOSのアプリをmacOS向けに作り変える際の開発時間が短縮できます。
全てのアプリがAppleチップネイティブとなっており、XcodeにはIntel、Apple Siliconどちらでも動くバイナリを作れるAppleチップへの最適化機能「Universal 2」が入っています。
また、かつてIntel Macへ移行したときに活躍したRosettaの「Rosetta 2」がApple Silicon用に最適化されていない既存のIntel Mac向けアプリをApple Silicon上で動かすのに使われます。さらに、Linuxも仮想環境で動かせます。
AppleチップMacの発売は2020年末、Appleチップへの移行期間は約2年を予定しているとのこと。Intel端末のサポートは今後も続けるとのことで、Intelチップの端末の続投も検討しているとのことです。
ARMチップ搭載(A12Z)のMac miniが開発者向けに提供されるので、開発者はAppleチップMacの発売前にテストもできます。
各種新OSは、開発者版を2020年6月23日から、パブリックベータ版は2020年7月から、また正式版は同年秋にリリース予定です。
(画像引用:https://developer.apple.com/)
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