オンライン小売大手Amazonは、スーパーマーケットの精算ラインを廃止したいと考えています。そして、買い物客が牛乳や卵を選ぶだけで、列に並んで待ち財布を開けることなしに外に出ることができる、初のレジなしスーパーマーケットをオープンしました。
Amazonの本拠地シアトルにオープンした新しい店では、買い物客がスマートフォンアプリをスキャンして店に入ります。カメラとセンサーは、棚から取り出されたものを追跡します。商品は、店からでた後にAmazonアカウントに請求されます。
「文字通り、“スーパーでつかんで出る”という体験で大変便利だ。」とシアトルの給与および福利厚生マネージャーであるArt Kuniyuki氏は語ります。
Amazon Go Groceryと呼ばれるこの新しい店は、Amazon Goコンビニエンスストアを拡張したもので、10,400平方フィートの広さがあります。
Amazonは食料品に慣れてはいません。2017年にWhole Foodsとその500店舗を買収したとき、それは大成功を収めました。また、オンライン食料品配達サービスを拡大もしています。しかし、4,700以上の店舗を抱える国内最大の食料品店であるライバルのWalmartにはまだまだ遅れをとっています。Walmartのオンライン食料品サービスは、オンラインで購入してから店頭で注文を受け取る顧客にも人気があります。
アマゾンは、2020年のうちにロサンゼルスに別のタイプの食料品店を開く予定ですが、同社はその場所でキャッシャーレス技術は使用しないと発表しています。同社は、Amazon Go Groceryの店舗をさらにオープンする計画があるかどうかは明言せず、Whole Foodsの店舗にこのテクノロジーを導入する計画はないとも述べています。
Amazon Go Groceryでは、スキャン用の携帯電話1台で家族みんなで一緒に買い物をすることができます。彼らがピックアップして店から出て行くものはすべて、サインインした人のタブに追加されます。他の誰かのために商品を手に取りそれを持って店の外に出た場合、あなたはそのアイテムに対して請求されることになってしまうので注意しなければなりません。
Amazonに追いつくことを望んで、他の小売業者やスタートアップは、同様のキャッシャーレス技術を店舗に導入する競争をしています。2020年2月初め、セブン-イレブンは、テキサス州アーヴィングにあるオフィス内の従業員向けにレジなしの店舗をテストしていると語りました。
しかし、レジのない店は、クレジットカードや銀行口座を持っていないかもしれない低所得者を差別することになるという立法者や支持者もいます。Amazonはそれ以来、顧客がコンビニで現金払いすることを許可しています。
また、キャッシャーレスな店はレジ係の仕事も無くしてしまいます。Janes氏は、店が何人の従業員を雇用しているのか正確に言うのを控え、「数十人」とだけ述べました。従業者は顧客に挨拶し、棚に補充するため通路を歩き回ります。そして、1人の従業員はアルコールセクションのそばに立ち、ワインやビールを求めている買い物客のIDを確認します。
キャッシャーレスの店舗は、支払いをするために並んで待つという煩わしさを取り除きますが、スーパーマーケットの楽しみは失われます。食料品を袋に入れる人はおらず、代わりにAmazonが配る再利用可能なバッグに買い物客自ら商品を詰めます。デリカウンター、肉屋、魚屋はなく、代わりに、すでにパッケージ化されたスライスハム、ステーキ、サーモンの切り身が冷蔵棚に並んでいます。
「理論上、ウォークアウトテクノロジーは一種のクールなものです。」と小売コンサルタントBrick Meets ClickのパートナーであるDavid Bishop氏は述べました。しかし、同時に彼は、「買い物客は、出入りの速さ以外の要因に基づいて買い物をする場所を決定するだろう。例えば、生ハムを薄切りにしたい人はAmazon Go Groceryを通り越して、2ブロック先のKroger所有のQFCスーパーマーケットまで歩いていくでしょう。」と言及しています。
それでも、Bishop氏は、食料品業界がAmazonを無視するのは難しいと言います。Amazonには食料品分野で試行錯誤するための現金と技術があります。「彼らはあきらめていない。」とBishop氏はAmazonについて語りました。
(画像引用:https://www.amazon.com/b?ie=UTF8&node=20931388011)