調査会社BIS Researchによる「グローバルIoTチップ市場-分析と予測、2019-2029」というタイトルの新しい市場レポートでは、2019年に94億ドルと評価されていた世界のIoTチップ市場は、2029年までにCAGR(年平均成長率)15.8%で3861億ドル以上に成長すると予想されています。これは、IoTチップの市場全体の需要は、IoTベースのデバイスの採用率の上昇とIoTセンサーのコストの低下によってより増しているとの同社の見方からなる予測です。
レポートによると、IoTチップセットベースのコンシューマおよび産業用デバイスに対する需要の高まりが、いくつかの業界にわたるAIの統合とともに、世界中のIoTチップの市場成長に貢献している重要な要因のひとつではあるが、一方で、かなりの初期投資が必要なこととIoT技術と既存のデバイスの統合に関する複雑さは、現在の段階で対処しなければならない大変困難な問題ではあるとしています。
ただ、意思決定アプリケーション向けにAIと統合されたIoTでは、接続されたデバイスから生成された膨大な量の組織化されていないデータが、AIアルゴリズムの統合により有用な情報に変換されるため、いくつかの市場機会を生み出す可能性があるとも、BISは付け加えています。
しかし一方で、2020年の1月頭に発表されたGartnerの「世界にわたる半導体市場の分析」では、市場は前年比で11.9%の減少が見られ、全体の額は4,183億ドルでした。2018年からのCAGR(年平均成長率)予測値は9.6%でしたが、ガートナーの2019年7月のレポートでは、2019年には半導体の収益が世界的に減少することがすでに予測されていました。ちなみにIntelが2019年の売上高では世界第1位の半導体ベンダーとしての地位を取り戻し、2017年と2018年にトップの地位を維持したSamsung Electronics, を上回りました。
(画像引用:https://www.fierceelectronics.com/iot-wireless/iot-chip-market-to-reach-38-61-billion-by-2029-report)