英国放送協会(BBC)は、2020年に独自の仮想アシスタントを立ち上げる計画をサプライズ発表しました。
BBCの仮想アシスタントは、専用のハードウェアでの起動ではなく、すべてのスマートスピーカー、テレビ、モバイルに実装されるように設計されており、BBCが自身のアシスタントを完全に制御できるようになると、これまでのようにプラットフォームに制限されたり、許可を要求したりすることなく、新しい機能やエクスペリエンスを試すことができると考えています。
2019年現在、BBCの仮想アシスタントには、ウェイクワード「Beeb」の採用が検討されています。BBCの世界的なプレゼンスを考えると、Baiduのスマートスピーカーなど、欧米市場では市販されていないデバイスでの発売が試みられるかどうかは興味深い問題です。調査会社Canalysは、Baiduは前年比3,700%の成長率を見せ、Googleを抜いて世界で2番目に人気のあるスマートスピーカーになったと述べています。
中国などの市場に参入することは、放送局に大きな機会を提供しますが、中国政府はBBCワールドサービスなどの外国の放送局が国内で活動することを許可はしているものの、その運営を厳しく管理しています。
そのため少なくとも初期段階においては、BBCは仮想アシスタントを英国の全域に渡って立ち上げることに焦点を当てているようです。英国各地のBBCのスタッフは、仮想アシスタントが全国のさまざまなアクセントを理解できるように訓練するため、自分の声を録音するように指示されています。
近年のめざましい発展にもかかわらず、グーグル、アップル、アマゾンなどの欧米の仮想アシスタントは、主にアメリカのアクセントで訓練されています。BBCのアシスタントは、英国の声をよりよく認識し、より関連性の高いコンテンツを提供できるようになるでしょうが、BBCがシリコンバレーの巨人と技術レベルで競合するようになることを想像するのは現段階では困難であります。
しかし、誰もがスマートスピーカーで音声「ニュース」を発信できるようになっていく時代において、BBCなどの信頼できるソースから情報を入手できるようにすることは、偽情報に対抗するために不可欠なことです。
(画像引用:https://www.iottechnews.com/news/2019/aug/27/bbc-plans-launch-virtual-assistant-next-year/)