スマートスピーカーの普及に及ばないスマート家電の普及率!テレビのスマート化は図れるのか?
家中の家電製品が音声でコントロールできるのがスマートホームの規準の1つですが、既に購入済みの家電製品はIoT対応していないモノも少なくなく、Amazon Echoを購入しても住まいのスマート化が意外と進まないと感じている方もいるのではないでしょうか?
スマート化したい家電製品として挙げられるのがテレビで、テレビ操作を音声でできればと考えるAmazon Echoユーザーは多いようですが、IoTに対応するテレビの普及率は高くないのが実情だと言えるでしょう。
AmazonはAmazon Echoの機能拡張スキルの有効化数を調査し、Amazon ランキング大賞の中でトップ20を公表していますが、第4位と第5位に家電コントローラーのスキルがランクインしていることからも、家電品のスマート化に対するニーズの高さが伺えます。
家電コントローラーを利用すればスマート対応していないテレビ操作も可能?
家電コントローラーは、IoT非対応の既存家電製品とスマートスピーカーAmazon Echoの橋渡しを行うもので、既存の家電品のリモコンデータを登録すれば、Amazon Echoを利用して音声でテレビ操作などが行えます。
現在の家電製品の多くがリモコン対応していることから、自宅内には複数のリモコンが混在している状況は珍しくありません。しかし、家電コントローラーを利用すれば全てのリモコンをスマートフォンに集約したり、Amazon Echo経由で音声操作が行えたりするのが魅力です。
もちろん、テレビのリモコンを家電コントローラーに登録することで、IoT非対応のテレビ操作もAmazon Echo経由で音声操作することが可能となります。
多様性のある家電コントローラーのスキルが数多く有効化されている背景には、Amazon Echoを購入しても家電製品のスマート化対応ができていなかったという現実が透けて見えます。しかし、家電コントローラーの登場によって自宅のスマート化を推し進めることができたと考えられます。
家電コントローラーを利用すると、起動や停止などの基本操作は「Alexa、テレビをつけて」のように簡単なリクエストで行えますが、基本操作以外は「Alexa、家電リモコンを使って音を※※まで下げて」など、テレビ操作がやや複雑化します。
そのため、家電コントローラーの中には、音声コマンドのショートカット機能を実装しているものもあり、「家電リモコンを使って」という部分を省略できるものもあります。しかしながら、全ての家電コントローラーにショートカット機能が搭載されている訳ではないので面倒に感じるケースもあるでしょう。
その点、Alexaの「スマートホームスキルAPI」はバージョンアップし、eRemoteやラトックシステムの「RS-WFIREX3」などによって、シンプルなリクエストでテレビ操作が行えるようになりました。
Amazon Echoに実装される人工知能Alexaも日本国内のオーディオ操作に対応!
AlexaのスマートホームスキルAPIのバージョンアップによって音声操作が可能となったのは家電コントローラーだけではありません。次に挙げるIoT対応家電製品も簡単に音声操作することが可能となりました。
・ソニーのテレビBRAVIA
・東芝のテレビREGZA
・ピクセラのスマートスピーカー対応テレビチューナー
・ソニーのマルチファンクションライト
・ヤマハのMusicCast対応機器
音声でテレビ操作できるのはソニーと東芝となり、対応モデルもソニーは2016年以降に発売された一部モデル、東芝は2017年以降に発売された一部モデルと、限定的ではあるものの既存のテレビ操作が音声で行えるのは大きな進歩だと言えるでしょう。
AmazonはスマートホームスキルAPIの対応拡大だけでなく機能強化も行い、テレビ操作で重要なチャンネル切り替えも、チャンネル番号とチャンネル名に対応しています。「Alexa、1チャンネルに替えて」や「Alexa、次のチャンネルに替えて」、「Alexa、※テレに替えて」にも対応します。
また、ボリュームコントロールは細分化され「Alexa、ボリュームを3上げて」や「Alexa、ボリュームを30にして」などの調整に対応します。一時停止や最初からの再生、リビングからダイニングへの再生場所の切り替えなどにも対応し、テレビ操作のスマート化を図れます。
Amazon Echoでテレビ操作するための費用とは?
テレビ操作など、家電製品のスマート化を図れる家電コントローラーは魅力的ですが、導入コストが気になります。既述のeRemoteのLinkJapan eRemote IoTリモコンはAmazonで税込8,203円、ラトックシステムRS-WFIREX3は税込5,713円で出品されています。
どちらもランニングコストをかけずに既存の家電製品のスマート化を図れるという点では、十分に魅力的な商品だと言えるでしょう。
また、AlexaのスマートホームスキルAPIのバージョンアップで利用可能となったオーディオの音声操作は、対応モデルが限定されているため、既に所有しているテレビが対象であれば効果的ですが、残念ながら実用域には達していないと考えられます。
ニーズの高いテレビ操作のスマート化を図るのであれば、現状では家電コントローラーの採用を検討するのが現実的ではないでしょうか。