賃貸住宅に住む筆者が、自宅をIoTホーム化するのに使ったガジェットや準備、気をつけるべきことなどをお伝えするシリーズの第2回。今回は「スマート電球」について取り上げよう。
PHILIPSの「hue」シリーズに代表されるスマート電球は、いまやIoTガジェットの人気株でさまざまなメーカーから発売されているのをご存知だろう。私の自宅で使っているのはIKEAのTRÅDFRI(トロードフリ)で、比較的安価な上、アプリの出来が秀逸なのが特徴だ。
ではさっそく、設置のコツや注意点を見てみよう。
まずは「本当に電球がはまるか」確かめよう
左が賃貸住宅にもともと設置されていた電球。右2つがTRÅDFRIのスマート電球。すべて同じE17規格だが、サイズがこれだけ違う(撮影/筆者)
スマート電球は一般的な電球よりも大きい。白熱電球からLED電球へと切り替えが進んだときにも同じことを思ったはずだが、それよりもさらに一回り大きいという印象だ。
なので、設置したい箇所にそれが本当に使えるのか、まずは確認しよう。
天井埋め込み型のランプシェード(撮影/筆者)
これは我が家にもともと設置されているスポット照明のシェードである。天井面に埋め込まれたこのタイプは、見た目がスマートなので多くのマンションで使われているが、ごく小さな電球しか適合しない。
サイズ比較からも分かるように、スマート電球はサイズが大きくてシェードに入らないことがある(撮影/筆者)
PHILIPSのhueではなく、IKEAのTRÅDFRIを選んだのは、このスポット照明に使われている「E17」という規格の製品があるからだが、そのまま差し替えようとしてもサイズが合わず電球がはみ出てしまう。
そこで、この製品を使おう。
ムサシ「RITEX LED電球専用 可変式ソケット」1つ427円(筆者購入時点のAmazon価格)
ムサシの「RITEX LED電球専用 可変式ソケット」だ。
ソケットの向きを変えるための製品だが、サイズの大きいスマート電球をさきほどのような小さいシェードに収めるのにも役立つ。
可変式ソケットを取り付けた様子。これなら下向きにスマート電球を設置できる(撮影/筆者)
こうして、ソケットを下に向けた状態であれば、大きいスマート電球も難なく利用できるだろう。
単純な構造で安価な上に、汎用性があってさまざまな場所に使える。我が家ではキッチンの照明に3つ、洗面所の照明に2つ、これを使ってスマート電球を導入した。
ネットワーク環境を確認しよう
ここまで書いてきたIKEAのTRÅDFRIシリーズは、Zigbeeゲートウェイで接続されるタイプなので、Wi-Fiとは無関係だが、そうでないスマート電球も多くある。
たとえば、我が家のリビングで使われている2つのスマート電球(球形をしていないが、この記事ではスマート電球で統一させてもらう)は、Wi-Fi接続で、しかも 2.4GHz帯の電波としか接続できない。こうした製品はまだまだ多いので気をつけたいところだ。
テレビの横にあるランプとテレビの裏に貼り付けたテープライトがWi-Fi接続のスマート電球(撮影/筆者)
「Wi-Fi 6」を詳しく取り上げた別の記事でも書いたが、いま多くの家庭で使われている「IEEE 802.11 ac(Wi-Fi 5)」と呼ばれる現状の最新規格だと、5GHz帯の電波しか発していないのでこれらは接続できないことになる。
実は我が家で使っているWi-Fiルータ(NETGEARの orbi)もそうだ。この記事を書くにあたってルータを買い替えたらスマート電球が繋がらなくなって難儀した。
そういう場合は、BUFFALOなどから発売されている「Wi-Fi中継機」を使おう。設定次第で2.4GHz帯の電波のみを出すモードにすることができるので、IoTガジェット専用のルータとして役に立つ。
ちなみに、私が使っているのはBUFFALOの無線LAN中継機「WEX-733DHP」である。執筆時点ではAmazonで3,500円ほどから購入可能なようだ。
テレビの下にあるケーブルボックスにWi-Fi中継機を隠してある(撮影/筆者)
我が家ではテレビの下にあるケーブルボックスに入っている。障害物を回避する性能が高く、遠くまで届く2.4GHz帯の電波であれば、こうして隠された場所であっても問題なく家中に届くことと思う。
まとめ:スマート電球を導入する前にサイズとWi-Fiの確認を!
ここまで、スマート電球を導入するにあたってまずは確認すべきことをお伝えした。
復習すると、
・サイズを確認するべき
・サイズが合わなくてもソケットを追加購入して解決する場合も
・Wi-Fi接続のスマート電球の場合、対応する電波の周波数に注意
となる。
では続いて、これらの電球を実際にオン・オフするための「センサー類」と「スイッチ類」について次の記事で解説しよう。