人工知能「AI」が誕生し、街のいたるところでその息吹を感じる現代社会。実はAIの一歩先にある「AGI」という技術も注目を集めている人工知能の一種です。
AIよりも汎用性や自律性に優れているAGIとはどのような技術なのか、まだ良くわからないという方も少なくありません。
AGIの特徴をAIと比較しつつ、AGIの事例も交えてご紹介していきます。
▼この記事でわかる!
- AGIの概要
- AGIとAIとの違い
- 国内外のAGI事例
汎用人工知能(AGI)とは?
AGIとは、AIよりも汎用性、自律性に富んだ人工知能の総称です。Artificial General Intelligenceの頭文字を取って、AGIと呼びます。その名の通り、知能という概念をAIよりも包括的に捉えた人工知能で、現在のAIを特化型人工知能とすれば、AGIは“汎用人工知能”です。
これまではAIが強い分野と弱い分野がくっきりと分かれていました。
囲碁や将棋が良い例ですが、論理・数的処理は人間よりもAIのほうが優れていましたし、実際に囲碁や将棋のプロは多くのAI棋士に敗れています。これを応用してチャットボットなどの新技術が登場し、AIは私達の生活になくてはならない技術としての立ち位置を確保しています。
これに対してAGIは、特化ではなく”汎用的な知能の実現”を目指すもので、AIとは異なるかたちで知能にアプローチをかけています。
汎用人工知能と特化型人工知能
汎用人工知能は自ら学び、まだここにない情報を推論する能力を兼ね備えたAIです。
これまでの特化型人工知能は、すでにデータの集積された分野においてのみ真価を発揮するものでした。囲碁や将棋であれば、これまでの膨大な棋譜から勝ち筋や負け筋を読み取り、勝ちやすい手と負けやすい手を算出することで、勝率をぐんぐん伸ばしてきました。
これは推論ではなく、過去のデータから割り出した「勝ちパターン」の創出です。あらかじめデータの蓄積がなければ成立しませんし、自律的に知識を備えたというよりは学習させられたデータの山から分析を行った、というほうが正しいでしょう。
汎用人工知能はこうした特化型人工知能とは異なり、自ら知識を獲得しようとする自律性や道の状況について推論する汎用性を兼ね備えた人工知能です。囲碁や将棋であれば、人間の棋士が行う「三手の読み」のように、未来を推論し現在の行動を変化させる能力を備えたAIなのです。